http://www.asyura2.com/13/senkyo148/msg/413.html
Tweet |
通訳(左・女性)と入念に打ち合わせる橋下徹氏。=27日、日本外国特派員協会 写真:田中龍作=
橋下氏会見 海外メディア不満「明確な回答なかった」、失笑もれる
http://tanakaryusaku.jp/2013/05/0007176
2013年5月27日 22:17 田中龍作ジャーナル
狙い通りの一発逆転はならなかった。「慰安婦発言」で国内外の批判を浴びる橋下徹大阪市長はきょう、外国特派員協会で釈明の記者会見を開いた。
だが、海外メディアの質問に対して明確な回答はなく、政治家としての資質を疑われる事実も指摘された。記者会見は橋下氏の思惑通りにはいかなかったようだ。
橋下氏が席につくと、恒例により、外国特派員協会の会長がゲストを紹介した。そこに「sex slavery(性奴隷)」という言葉が含まれていることに、同席した日本維新の会の桜内文城・衆議院議員が過剰反応した。桜内議員は「sex slaveryという言葉を使うのはアンフェアだ。強制の事実はないと言っておきたい。」と応酬し、会長が引用した歴史学者の吉見義明氏(中央大学教授)の見解を否定した。
橋下氏はまず、「表現の自由、報道の自由が一番重要な価値だと考えている。報道の自由こそが権力をチェックする。民主主義において絶対必要だ」として、毎日記者会見する自分はいかにオープンであるかを強調した。
事前公表されたペーパーでは、今回の騒動が「一連の報道において、発言の一部が文脈から切り離されて、断片のみ伝えられた。極めて遺憾」と決め付けたので、あらかじめ弁明したかったのだろう。
橋下氏は、米軍に対しての謝罪は繰り返したものの、「韓国の一部の元慰安婦は償い金の受領を拒んでいる」とし、「韓国政府は・・(中略)・・日韓請求権並びに経済協力協定が未解決であるというなら法の支配に基づき、国際司法裁判所等での解決を望む」と用意したペーパーを読み上げた。そこには「元慰安婦の心に響く」謝罪の言葉は見当たらなかった。
〜遊郭の顧問弁護士を「料理組合の顧問弁護士」と詭弁〜
橋下氏の政治家としての資質を問う質問も飛び出した。イタリア人記者が「大阪の飛田遊郭の顧問弁護士をしていたというが、売春は日本で禁止されている。女性の尊厳を重視するといいながら、相反していないか?」と質問した。
橋下氏は「守秘義務があるのでここで語ることはできない。かつて料理組合の顧問弁護士だったことは事実」と一部雑誌などで報道されたことが事実であったと認め、「料理組合自体は違法ではありません」とかわした。会場からは失笑がもれ、質問した記者めがけて「good job!」の声がとんだ。
筆者は「飛田の料亭の二階に上がりお金を払えば売春できることは大阪の中学生なら誰でも知っている。“橋下さん嘘ついてはる”といわれる。中学生でも分かるような詭弁を弄して政治家として恥ずかしいと思わないか?」とたたみかけた。
橋下氏は「違法なことがあれば、捜査機関が来て処罰されます」とだけ答えた。遊郭の弁護士をしていたからこそ、「風俗活用」発言が飛び出したのではないか。
カメラマンが鈴なりになった。海外メディアの関心の高さが目立った。=写真:田中龍作=
http://tanakaryusaku.jp/wp-content/uploads/2013/05/ab13eef0f5866b759d4874d38b93b652.jpg
海外メディアからは、「従軍慰安婦の問題について、日本軍の関与がどのようなレベルのものだったと考えているか」と相次いで質問が投げかけられた。
橋下氏は、「日本の過ちを正当化するつもりはない」「責任逃れはできない」と繰り返しながら「日本政府が認めているのは施設の管理、戦地への移動に軍が民間業者に女性を集めてほしいとの要請をしたことだ。核心的な部分は日本が国家の意思として組織的に女性を拉致、人身売買した事実を裏付ける証拠はないことだ」とし、日本の強制連行を否定した。
これに対し、ニューヨークタイムズの記者は「人身売買(human trafficking)の定義には3つある。だますこと、組織的移送、意に反して働かせること。世界ではすべて人身売買を指すといわれている」と反論した。橋下氏は明言を避けた。この定義に従えば、日本軍が移送に関わったと認めることは人身売買があったと認めることになるからだ。
河野談話については「否定するつもりはない。ここに書いてあることはおおむね事実。変える必要はない」としながらも「肝心な論点を明確にしていない。表現についてもっと付け足さなければいけない。強制性の言葉をもっとていねいに」書くべきだと主張した。
会見が終わると外国人記者の感想を取材しようと日本のメディアが取り囲む姿があちこちでみられた。
香港のテレビの女性記者は「答えはかみあわなかった。彼のコメント自体が不明確だ」と不満げに語り、(米軍幹部に)「風俗を勧めたことは、道徳が疑われる」と付け加えた。
韓国ケーブルテレビの記者に「会見は満足いくものでしたか?」と聞いた。記者は、「がっかりした。いままでの話の繰り返しで、何も新しい話は出なかった。マルチャンナン(言葉のいたずら)だ。欧米のマスコミから免罪符をもらうためのね」と失望を隠さなかった。会場からも「何も答えていないじゃないか」という声が上がった。
3時間にわたり、橋下氏は「日本だけが悪くない。お前たちもやってたじゃないか」「日本は強制連行してない」と持論を展開することに終始した。
「大前提として、日本の責任を否定することはない」と言いながら、橋下氏の主張は、なんらかの公的な強制性があれば「sex slave」だと考える世界水準にはるかに満たなかった。外国人記者に不満と不信が残る記者会見となった。
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
▲このページのTOPへ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK148掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。