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「元慰安婦には謝罪すべき」〜今度は「人権派」を演じた橋下市長(レイバーネット日本)
http://www.labornetjp.org/news/2013/1369647597686staff01
元慰安婦の女性たちには国家として謝罪しなければならない―「誤報だ」と主張した当初の「当時慰安婦制度は必要だった」との自分のコメントからは、見当もつかないほどかけ離れた人権派の意見を、5月27日の記者会見で橋下徹大阪市長が述べた。
都内の外国特派員協会で開かれた記者会見の冒頭で、橋下市長は「私の認識と見解」と題した文書を読み上げた。これは、デジタル版も含めた他紙にも同日全文が掲載されたものである。
会見で橋下氏は、自分は河野談話を否定しているわけではないと断り、慰安婦制度に強制性があったのかという事実について明確化すべきだと主張した。国家の意志として人身売買があったのであれば、そのように明記されるべきだと話す。しかし、その有無とは別に、慰安婦には謝罪すべきだと断言した。「私が言いたいのは、軍か民間業者かが問題ではなく、軍が管理しているものも民間が管理しているものでも、施設内で起こっていたことは大変不幸だということ」だとも話した。
当時は「女性たちの意に反して(働かされていた)、というのは間違いないでしょう」と言う一方で、民間業者が女性たちを集めたのか、それとも日本政府が組織的に集めたのかという点が明確化されていないと繰り返す。
そのため韓国が、日本の国家が関与したと読み取り、その意見の相違が日韓関係が改善しない理由だとも述べた。橋下氏は、日韓共同で歴史学者が事実関係を調査し、政府関与の有無に関して合意する必要があるとの意見で会見を締めた。
会見を通して橋下氏は、「日本は悪かった。責任を回避するような議論をしてはならない。過去を直視しなければ未来は議論できない」などと繰り返した。
戦時中に慰安所施設を運営していたことで、世界の各国が日本を非難していると見る橋下氏は、過去も現在でも紛争地での軍と性の問題はタブー視されていると指摘。「戦場において女性を利用してはいけない」としたうえで、「過去をしっかり直視し、議論しなければいけない」と訴えた。
第二次大戦については、「国を代表する政治家は侵略戦争だった、許されない植民地政策だったと認めなければいけない」と言い、「周辺諸国に多大な損害と苦痛を与えたことを謝罪すべきだ」と日本の戦争責任について語った。これは共同で日本維新の会の代表を務める石原慎太郎氏とは違った意見であるが、それについては「世代の違い」だと言う。
石原氏のように、国の行為を絶対に正しいと信じていた世代には、受け入れがたい問題であり、敗戦国としては難しい問題だとも話した。「我々世代の政治家は過去の戦争責任、日本の正当性を蒸し返すべきではない。それよりも現在と未来に向けて政治的エネルギーを注ぐべき」だと違いを強調した。
今回、慰安婦や性産業についてのコメントが「誤報道」されたことによって、橋下氏は維新の会の共同代表を辞任するのかという質問に対して、現時点でのその可能性は否定した。しかし、民主主義国家での政治的審判は選挙で行われるとし、「国民が『ノー』と言えば、参院選での維新の会は大きな敗北になる。それが民主主義国家における政治家の責任の取り方」だと述べた。(松元ちえ)
<参照>
「私の認識と見解」
http://www.labornetjp.org/news/2013/1369647902838staff01
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