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2013/5/24 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
◆露骨に過ぎる人事介入
取締役18人のうち17人の退任が決まった日本郵政。社長も、財務省出身の坂篤郎氏から、元東芝会長の西室泰三氏に交代する。
唯一の株主である政府が、民主党政権の人事を覆したのだ。
確かに政権は自民党が奪取した。が、これほど露骨な人事介入は異常である。さすがに経団連の米倉会長も、「株主横暴との批判が出る可能性がある」と指摘した。
菅官房長官は「民営化を円滑に進めていくため」と強調したが、ちょっかいを出す理由はハッキリしている。郵貯170兆円と簡保90兆円で合計260兆円。いまだに高く積み上げられている郵政マネーを本体から引き剥がしたいのだろう。
「もともと郵政民営化は米国が強く求めてきたものです。日本への『年次改革要望書』にも記載されていました。民営化で国の保証がなくなれば、優位性は失われる。それなら、と預け先を変更する庶民も出てきます。郵貯、簡保の牙城が崩れるわけです。その他の金融機関、とくに日本市場に足場を築きたい外資にとって、これは千載一遇のチャンス。あの手この手で流れ出す郵政マネーを呼び込めば、たんまり稼げますからね。当時の小泉首相が郵政民営化に取り組んだのも、庶民から集めたカネを米国に差し出すため。“改革の第一歩”みたいなことを言っていましたが、単なる方便です。ただ、政権交代で民営化の歩みは止まり、郵貯残高も2年連続で増加に転じている。シビレを切らした自民党が強硬手段に出た格好です」(政界関係者)
参院選が間近に迫っていることも、政治介入を招いた要因だ。政治評論家の本澤二郎氏が言う。
「政治家にとって郵政は巨大な利権です。かつてほどではないにしても、集票力は依然として高いし、献金の面でも期待できる。トップに息のかかった人物を置くのは、近づいている参院選を有利に進めるためにも欠かせない、と判断したのでしょう」
全国郵便局長会は郵政選挙をきっかけに自民と決別、国民新党や民主党を支持してきた。だが、夏の参院選は自民の全国比例で組織内候補を擁立することを決めている。
米国に媚(こび)を売りながら、足下はガッチリ――。このままでは安倍自民党の思い通りになってしまう。
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