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ダイヤモンド世論調査 質問1 安倍内閣を支持する?支持しない?
http://diamond.jp/articles/-/36393/votes
安倍内閣の高支持率を必ずしも楽観できない理由
http://diamond.jp/articles/-/36393
2013年5月23日 田中秀征 [元経済企画庁長官、福山大学客員教授] ダイヤモンド・オンライン
安倍晋三内閣は、依然として高い支持率を維持している。
報道各社の5月の世論調査結果は20日に出そろったが、多少の違いはあるもの、内閣支持率は60%台後半に集中している。支持基盤が高い水準で固まりつつあると言ってもよい。
それは何よりも肝心の経済の好転が続いていることによるもの。しかもその好転が単にアベノミクスの成果というよりも、米国経済の復調が底流にあることが頼もしい。米国経済はこのところ、住宅需要の回復、雇用の改善、株高、シェールガス革命などの好材料によって力強く動き出した感がある。
政府は過日、1〜3月のGDP速報値を発表したが、年率換算3.5%増の数字と共に個人消費や輸出の伸びに本格回復への期待を抱かせるものとなった。
あえてここで今後の経済の不安材料を指摘すれば、@民間設備投資の動向、A長期金利の動向、そして相次いで発表されているB成長戦略。そして、C雇用、賃金の動向が経済格差にどのような影響を与えるか。きわめて難しい問題が目白押しで楽観を許さない。
■課題の間口を広げ過ぎた安倍内閣の不安要素
さらに、経済ばかりでなく、他の分野も含めると安倍内閣がこのまま高い支持率を維持して参院選に臨むことは容易なことではないだろう。
@歴史認識。それによる韓国や米国との関係に与える影響。
A憲法改正。これは具体化すればするほど経済とは無関係に投票行動を左右しかねない。
B原発政策。これは決して風化する性格の問題ではない。安倍政権がこのまま「原発回帰」に突進するなら手痛い反発を招くだろう。
C北朝鮮問題。今回の「飯島訪朝」は大きな賭け。これが拉致問題解決の突破口となれば大きなプラスだが、そうでなければ、今までの成果を台無しにしかねない。われわれの期待が大きいだけに、その成否による影響も大きい。
第一次安倍内閣のときも私は強く警告したが、安倍首相に対する最大の不安は「あれもこれも」と課題の間口を広げ過ぎるところにある。
6年前には、状況が不利になっての戦線の拡大であったが、今回は状況が有利になっての戦線の拡大だ。ここはじっくり腰を落として、せっかくの経済の好転とそれによる高支持率をもっと大切にすべきであろう。
今回の報道各社の世論調査を精査すると、内閣支持率は高いものの、前月比で低下している調査が多い。支持率65%と前月比で5ポイント増となった朝日新聞はむしろ例外で、軒並み支持率は微減となっている。
これは明らかに@原発、A歴史認識、B改憲への世論の戸惑いであろう。「衣の下にヨロイを着ている」という印象が強まれば、たとえ経済が好調であっても、今のような高い支持率を維持できなくなる。これから1ヵ月が安倍政権の正念場と言えるだろう。
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