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TPP、10月の妥結は不可能?
マレーシアでのTPP会合日程を巡って、日本政府と参加国とのかけひきが、まだ続いているようだ。現在、伝えられている日程では、7月の交渉会議に、日本は数日間し参加できない見通しである。しかし、妥結そのものが後ろ倒しされることで、日本に時間的猶予が与えられる可能性はありそうだ。
先月のロイター電は、USTR(米通商代表部)の2人の元高官が、日本の参加によって、妥結が先延ばしされる可能性を指摘したことを伝えている。元税関局長のジェイ・アイゼンシュタット氏は「日本が参加する前ですら年内妥結は覚束なかった。日本が参加したことで、来年中の交渉妥結すら、楽観できない」と述べている。
PARKの内田聖子氏のTwitterによると、今回のペルーラウンドで交渉会合をウォッチしていた各国市民団体も、10月のアジア太平洋首脳会議で大筋妥結というシナリオが乱れ始めているという認識のようだ。交渉担当者が、「10月大筋合意」から「年内」に発言のニュアンスを変え始めたというのだ。
TPPの設立メンバーであるニュージーランドメディアでも、「TPP今年中の妥結は困難?」とする論調が出始めた。Stuff.co.nzに掲載された記事によると、5月21日、ワシントンで開かれた国際会議で、前USTR代表のカーラ・ヒルズが、「合意の達成には、楽観的だが、今年中にそれができるかどうかについては、楽観視していない」と述べたという。両国から関係者275名が参加した米新パートナーシップフォーラムでの発言である。
パネルデッスカッションでは、ミッキー・カンターなど5人の歴代のUSTR代表(Charlene Barshefsky, William Brock, Mickey Cantor, Susan Schwab , Clayton Yeutter)がこの見方に賛意を示したという。レーガン時代に通商代表を務め、共和党系の農水議員でもあったクレイトン・ヤンターは「日本の参加なしで、TPPが議会の承認が得られるかどうか疑問だ。日本抜きでは、TPPは規模が小さすぎるからだ」と日本のTPP参加の重要性を強調するとともに、前出のアイゼンシュタット氏と同じように、「日本の参加がなかったとしても、今年中に妥結がなされたとは思えない」と発言している。
http://www.stuff.co.nz/national/politics/8696966/Trans-Pacific-Partnership-deal-unlikely-this-year
日本の交渉参加によって妥結が遅れる可能性への懸念が交渉参加国にある中で、日本政府が「今年中の妥結の可能性は薄い」とは、表立っては言いにくいだろう。しかし、交渉参加決断の背景には、「スケジュール通りの妥結は難しい」という政府の判断があったのかもしれない。
妥結後ろ倒しの観測が出てきたことは、TPP反対派には概ね歓迎されている。また、「日程的にも交渉の余地は殆どない」と批判されてきた日本政府にとっても朗報だろう。だが、仮に交渉の来年へのずれ込みが現実のものとなった際、遅延の原因が日本にあるとされることには、注意が必要だ。そのような場合、元USTR代表たちのこうした発言は、援護射撃となることだろう。
で爺
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