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2013年05月24日 世相を斬る あいば達也
昨日の円安基調による、年換算10兆円の貿易赤字と云うコラムを書いたばかりだ。日銀が、国債市場を制御出来ず、ゆえに長期金利の乱高下も制御出来ないと云うアップアップ状態の話をした。この現象は、結構1カ月近く続いていたのだが、アベノミクス期待相場崩壊の「第一の矢」だったのだろう。そして、昨日23日木曜日に日経平均は1143円の大暴落に見舞われた。たしか、市場が開いてから、買い先行で300円上げていた筈だから、1日で1450円幅で乱高下が起きたことになる。この株価大暴落が、アベノミクス崩壊の「第二の矢」と云う位置づけになるのかもしれない。
そもそも、実績の伴わない期待感相場(バブル)だったのだから、安倍内閣や日本銀行の力量に疑念が生まれれば、バブルは早々に弾ける。昨年の11月中旬から上げ相場は、筆者の推測よりも長く続いた。8割も上げたのだから、下がるのは当然だ、と政府関係者は冷静を装っているが、内心はヒヤヒヤものである。今日24日に買い戻しが起きなければ、ズルズルと暴落の連鎖を目撃する事になるかもしれない。NYダウは前場で100ドル以上の下げを見せたが、プラスに転じる場面もあり、下げ渋っている。午前2時現在マイナス5ドルだ。
NYダウまで暴落したのでは、世界同時株高が同時株安に反転するわけだから、金融関係者としては、NYは堅調に推移した流れをつくりたいだろう。仮に、その試みが成功した場合は、アメリカのみが経済の堅調さを保っていると云うシグナルを世界に発信できるので、好都合だ。世界に一か所くらい株式市場が堅調に推移する状況がないと、ジャブジャブのマネーが行き場を失い、商品相場になだれ込むことになっていしまう。世界全体の経済から見れば、株式バブルの方が人間の生活に影響は少ない。商品相場の高騰は、相場に参加していない人種まで巻き込むのだから、最悪だ。
日経新聞が、投資家の弱気の虫を封じるように、先行きに明るい見通しの記事を書いている。一番うろたえている甘利大臣の「うろたえることはない」の発言に似た論調だが、最後の三菱UFJ投信の「期待先行で買われた局面は終わった。景気や業績でみて日本株は買えるという確信が再び広がらないと、相場の調整が数カ月単位と長引く可能性もある」と云う見解が最も妥当なようである。
≪ 株価回復、投資心理カギ 「割高」の見方は少数派
23 日の日経平均株価の急落は、ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)の悪化ではなく、相場過熱を警戒する投資家の不安心理が引き起こしたという色彩が強い。超高速取引もかく乱要因となった。この先の株式相場はどう動くかを市場関係者に聞いたところ、日経平均の下値のメドは1万4000円前後で、調整は一時的なものにとどまるとの見方が多い。
この日の急落について、市場関係者は「これまでの上げが急だった反動が出た」(みずほ投信投資顧問の柏原延行執行役員)との分析でほぼ一致している。
日経平均は昨年11月から22日まで8割上げた。特に大型連休明けの7日に1万4000円台に乗せてからは、ほぼ一本調子で上昇。株価指数先物や、業績の裏付けの乏しい個別株が買い上げられる状態を警戒するムードがあった。みずほ証券の山口正宏シニアストラテジストは「急落前は、買われる理由が見当たらない銘柄が急騰するなどマネーゲームの様相が強まっていた」と話す。
大幅な下げの後は、投資家心理の冷え込みや投資方針の見直しなどで積極的な買いが入りにくい。目先は値動きが荒っぽくなる懸念は残る。
ただアンケートの回答者は、今回の株価調整は一時的なものにとどまるとの見解でおおむね一致している。 支えになっているのは日本経済の堅調さだ。日銀の緩和による中長期的な円安の観測を追い風に、日本は世界の中でも景気や企業業績の回復期待がとりわけ強い。今後示される安倍晋三政権の成長戦略への期待もある。
急落後の株価水準をどう評価するかを聞いたところ、「ほぼ適正」が10人中5人と最多。「やや割安」も4人で、割高との見方は少数派だった。直前の相場は「やや過熱」との見方が多かったが、この日の下げで割高感は急速に薄れた。
実際、企業業績と株価の関係をみる代表的な指標のPER(株価収益率)は、日経平均ベースで16倍。世界平均の13〜14倍に比べて突出して高いわけではなくなった。りそな銀行の戸田浩司チーフ・ファンド・マネージャーは「大きく調整したことで、今まで割高で手が出なかった銘柄も買いやすくなった」と話す。
当面の日経平均の下値メドの予想で最も多いのは1万4000円。ちょうど大型連休明けの急騰の起点に当たり、ヘッジファンドやネット証券経由の個人など短期マネー主導で株価が押し上げられる前の水準だ。欧米年金や長期志向の個人、投資信託などが改めて買いを入れやすい。
アリアンツ・グローバル・インベスターズ・ジャパンの寺尾和之取締役は「海外投資家の日本株への姿勢に変化はないだろう。下がったところで買いたいという投資家は多い」とみる。
懸念されるのは、米国、ドイツと並んで世界の株高をけん引してきた日本の変調で、投資家心理への悪影響が広がることだ。三菱UFJ投信の石金淳シニアストラテジストは「期待先行で買われた局面は終わった。景気や業績でみて日本株は買えるという確信が再び広がらないと、相場の調整が数カ月単位と長引く可能性もある」と話す。≫(日経新聞)
日経新聞に限らず、日経平均14000円台は盤石と云う論調は、多くのマスメディアに共通している。つまり、これだけ14000円台に固執するあたりが面白い。日本の景気が好調になっている現象は若干みられるが、8割も株価を上げるほどのものはない。12000〜13000円台が安住な地点だろう。それなら、若干の期待値込みでもPER、PBRに妥当性がある。
ただ、債券市場にせよ、株式市場にせよ、荒っぽい値動きが目立ちすぎる。マネーの強欲さと、足の速さを認識させられる昨今だが、ヘッジファンドには、千分の1秒単位で売買注文を出す“高速売買プログラム”を有しているので、その恐怖を知っている連中が先回りで売りまくった事もあるかもしれない。筆者の記憶が正しければ、今週のはじめから、国内投信などが本格的に参入し始めたと云う情報があった。個人株主の多くは上昇中“塩漬け株”を売り抜けるのがやっとで、“やれやれ感”に胸を撫で下ろしていたのが実情だ。ネット証券への加入者が大幅に増加などと云う報道もあったが、小遣い稼ぎの財テクであり、株式相場全体に及ぼす影響などはない。
22日までの株価上昇の買いの主体は、間違いなく海外投資家やヘッジファンドだ。彼らが、どこかで売り抜けるのは判っている事だった。昨日は、中国製造業の芳しくない指数を受け、それが引き金になったのはたしかだが、いずれにせよ“売り時”を見定めていただけの話で、それが23日だったと云うことだ。問題は、おっとり刀で参入してきた国内機関投資家が、尻尾を巻いて逃げるか、買い支えるかの瀬戸際と云うことだろう。ただ、NY市場が堅調となると、東京市場離れが加速するリスクは拭えない。その時は、アベノミクス崩壊の第三の矢、二度目、三度目の株式暴落現象がみられるだろう。
世の中とは、なんとも皮肉で面白いものである。マヤカシのアベノミクスで参議院選まで“このまま、このまま”を維持したかっただろうが、如何にもミニバブルで上げ過ぎてしまった。好事魔多しとは、まさにこのような事を言う。この日経平均1143円の大暴落は投資家に冷静さと失う恐怖を知らせるには充分な下げであった。今日も500円程度で下げるようなら、筆者の日経の安住地点である、12000円台になるものと思われる。個人的には、安倍晋三の泣きっ面が見たいので、一万円を切らせたいが、そこまでは下がらないだろう(笑)が、内閣支持率が20%近く下がる愉しみは出来た。
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