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毎日新聞 5月23日(木)22時18分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130523-00000125-mai-bus_all
円安が進んで原材料を輸入に頼る食品や生活用品の値上げが続いている。企業業績は回復しているが賃上げの動きは広がらず、家計負担は増大するばかり。小麦粉や油など原材料の値上げが加工食品に波及するのはこれからで、さらなる負担が家計を直撃することになる。消費者は値上げに敏感なだけに、小売り側も値上げに頭を抱えている。【横山三加子】
「夏ごろには値上げせざるを得ない状況です。お安いうちにお買い上げください」。東京都板橋区のスーパー「オーケー」では、そんな表示が小麦粉売り場に掲げられている。「他店より安く」が売りのスーパーだけに、「よそより先に値上げすることはないが、最終的にはせざるを得なくなる」(本社広報)と説明する。
日清製粉グループは輸入小麦の価格上昇を受け、6月20日出荷分から業務用、7月1日出荷分から家庭用の小麦粉を値上げする。他の製粉会社も追随するとみられる。小麦粉はパンやうどん、ケーキ類など幅広い食品に使用されるだけに、家計への影響は大きい。
製パン大手の山崎製パンは23日、小麦粉の値上がりなどを理由に、パン製品15品目の価格を7月1日出荷分から上げると発表した。食パンは3〜6%、菓子パンは2〜6%値上げする方針だ。
既に4月に食用油の卸価格が家庭用1キロあたり30円以上引き上げられたほか、5月にはごろもフーズのツナ缶も値上げ。食用油を原材料に使う各社のマヨネーズも7、8月に値上げされる。日用品でも大手製紙各社がスーパーなどとトイレットペーパーやティッシュペーパーの10〜15%程度の値上げを交渉しており、「次第に値上げが広がっている」(製紙大手)状況だ。
原燃料を輸入に頼る電気・ガス料金も値上げが続く。「オーケー」に来店していた主婦(48)は「給与が上がらないのに『円安、円安』と喜ぶ人たちの気持ちがわからない。値上げが続くかと思うと心配だ」と表情を曇らせる。
一方、円安・株高で景況感に明るさが出始め、先行きへの期待感から財布のヒモを緩める消費者もいる。東京都北区の主婦(29)は「外食の回数が増えた。気持ちにゆとりが出てきた」と話す。
ただ、大手宅配ピザ「ピザーラ」を運営する「フォーシーズ」(東京都港区)は「景気回復を実感できるほど売り上げは増えていないのに、仕入れ業者と材料値上げで交渉中」と打ち明ける。配達のバイクの燃料代もバカにできないが、「値上げは現段階で考えていない」と自社努力で吸収する構えだ。さらなる円安進行で外食産業などでも値上げが広がれば、生活防衛意識が高まり、消費が冷え込む可能性もある。
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【関連記事】
「しんぶん赤旗」 2013年5月22日(水)
アベノミクスで何が 現場に見る/値上げラッシュ 暮らし直撃
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-05-22/2013052201_01_1.html
「賃金上がらないのに」
パンやうどん、菓子…、国内で使われる小麦粉の9割は輸入です。政府は4月1日から政府売り渡し価格を平均9・7%値上げしました。価格は国際相場などを反映させて決めます。値上げは「昨年11月下旬以降、円安基調に転じているのも要因」(農水省)。価格改定で製粉会社が国産小麦も値上げするのは、輸入価格と連動させる仕組みを導入したからです。
JA全農は、輸入トウモロコシなどを原料にする配合飼料について「値上げ幅も供給価格も過去最高水準に近づいている」と言います。飼料の価格改定は3カ月ごと。「今回の値上げは円安が原因です」
原料パルプの7割を海外から調達する紙。王子製紙は「1円安くなればグループ全体で4億円の減益。あまりに急激な円安で経営の前提条件が崩れている」と強調します。
経済ジャーナリストの荻原博子さんは「まだ在庫があるので、店頭価格はそう変わっていませんが、在庫がなくなれば値上げせざるを得なくなる」と指摘します。「給料が上がらず、生活必需品が上がれば生活は苦しくなるばかり。景気回復もしません。新しい産業を起こし、雇用を広げることをはじめ、経済を活性化する土壌をつくり、給料を上げる“成長戦略”をしっかりやってもらわないと」と話します。
店主「やりくり もうギリギリ」
東京・新宿区で中華料理店を営む店主(51)は、怒りがおさまりません。3月末、卸業者から「為替変動に伴い下記商品が値上がりとなります」と書かれた紙を渡されました。中華の基本的な食材であるヤングコーン、うずら卵、マッシュルーム、ピータン、ザーサイ…、そして割りばしまで。軒並み値上げの知らせでした。
「油はすでに一斗缶(約18リットル)で200円上がっていて、さらに再値上げの話も来ている。おそらく中華めんも上がるだろう」
開業して30年。周りにはチェーンの牛丼店やラーメン店が増えました。「冷凍食品じゃなくて、一から手作りが自慢」。厨(ちゅう)房(ぼう)や洗い場など7〜8人が働きます。ラーメンは1997年から480円のままです。
「いまどき原料が上がったからといって、メニューの値上げなんかできない。もうぎりぎり。この先、消費税増税なんてとんでもないね」
東京・渋谷区。手作りサンドイッチを販売する女性店主(62)も不安を隠しません。業者から値上げの話はまだ。「この先、パンや油、マヨネーズが値上がりするだろうと分かるけど、小さな店では在庫なんて抱えられない」。朝4時半から仕込み。人気の卵サンドイッチ105円の価格は30年据え置いたまま。「コンビニと競争だから。もうけなんてほとんどない。でも、お客さんに『おいしかった』って言われるのが何よりうれしい。安心して店を続けられるようにしてほしい」
小麦粉/食用油/マヨネーズ/ツナ缶/トイレットペーパー…
【小麦粉】日清製粉、日本製粉は6月20日出荷分から業務用小麦粉の価格を値上げします。食パン用の強力粉の値上げ幅は145円(25キログラムあたり)、うどん、菓子用などの中力・薄力粉は同215円、国内産小麦は同170円。家庭用の値上げは「検討中」。
【食用油】日清オイリオグループ、Jオイルミルズは4月1日納入分から、家庭用を30円値上げ(1キログラムあたり)、業務用を500円値上げ(斗缶あたり)しました。オリーブオイルやごま油も10〜20%値上げしました。
【マヨネーズ】食用油の値上がりをうけてキユーピー、味の素は家庭用・業務用をそれぞれ7月1日、8月1日出荷分から約3〜9%値上げします。家庭用で20円〜25円アップに。
【ツナ缶】需要拡大や円安で原料のビンナガマグロ・キハダマグロなどの価格が高騰し、はごろもフーズは16種の缶詰を5月1日から10〜15円値上げ。別の缶詰2種は6月1日から内容量を80グラムから70グラムに減らします。
【トイレットペーパー、印刷用紙】トイレットペーパーや箱ティッシュを製造する日本製紙クレシアは卸値の15%以上値上げを求め、卸売業者と交渉中。同様に交渉していた王子製紙は「(値上げを)ほぼ理解してもらえた」。5箱1パックでおよそ10〜20円の値上げに。また、本や雑誌、ポスターなどに使う印刷用紙の20%以上値上げを卸売業者に要請中です。
【飼料】JA全農は、畜産用の配合飼料4〜6月期の価格を1〜3月期に比べ、トンあたり約3200円値上げしました。
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