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目的のためには手段を選ばぬ安倍晋三氏の危うさ (植草一秀の『知られざる真実』) 
http://www.asyura2.com/13/senkyo148/msg/141.html
投稿者 笑坊 日時 2013 年 5 月 22 日 07:28:38: EaaOcpw/cGfrA
 

http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2013/05/post-331b.html
2013年5月22日 植草一秀の『知られざる真実』

日本国民のバランス感覚が問われている。

「中庸」を欠いて極端に走れば、ものごとは安定を失う。

安倍晋三氏は憲法96条改正を主張しているが、これは安倍氏の憲法観が極めて未熟であることを示している。

憲法は国家の基本法である。

日本の憲法は改正されていないから改正が必要だとの主張があるが、改正の回数などは些末の議論だ。

国家の基本を定めている以上、その変更には慎重であるべきと考えるのが「保守」の思想である。

安倍氏は「保守」を標榜しているにもかかわらず、憲法改正については、その変更を容易にする方向に舵を切ろうとしている。

ここにあるのは、「目的のためには手段を選ばない」、「目的のためには、根本原則を安易に歪めることを厭わない」、「拙速主義」、「軽挙妄動」だ。


そして、憲法改正のハードルが高く設定されるもうひとつの大きな理由は、憲法が、国家権力から人民の権利を守ることを目的に制定されていることにある。

権力の暴走を防ぐことが憲法制定の最重要の目的である。

憲法によって、国家権力の暴走を抑制するのである。

これが「立憲主義」の考え方である。

だからこそ、憲法を簡単に変更できないための高いハードルが設定されているのだ。


安倍氏は憲法に対する基礎的な素養を欠いていると言わざるを得ない。

憲法を変えたいとの思いが先走って、ものごとの根本をおろそかにしている。

「その本(もと)乱れて末治まる者はあらず」

とは、中国の四書のひとつ『大学』の一節だ。

『大学』における「本(もと)」とは「修身」のこと。つまり徳を身に付けることである。

しかし、この「本」を、ものごとの「根本」と置き換えても良いだろう。

憲法は国家の根本である。根本であるからこそ、定めた以上、それを尊重するのである。

尊重するというのは、絶対に変えてはいけないということではない。

本当に必要があれば変えるべきものであるだろうが、その際には、あらかじめ定めた正規のルールに従うべきなのである。

憲法を変えたいがために、あらかじめ定めてあるルールを変えてしまおうというのは、「ご都合主義」そのものである。

こうした判断を示すところに、安倍氏のひとつの危うさがある。


この問題は、憲法改正の手続き全体の問題として捉えることが必要である。

日本国憲法第96条の条文は次のものだ。

第九十六条  この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。

憲法改正発議には、衆参両院で、それぞれ、総議員の3分の2以上の賛成が必要である。

そして、憲法改正が成立するためには、さらに、国民投票で過半数の賛成を得なければならない。


問題は、国民投票での「過半数の賛成」の具体的内容だ。

安倍晋三氏は、第一次安倍晋三政権の時代に、国民投票の制度を定めた。

「日本国憲法の改正手続に関する法律」

を制定したのである。

この法律の第126条に以下の条文がある。

第百二十六条  国民投票において、憲法改正案に対する賛成の投票の数が第九十八条第二項に規定する投票総数の二分の一を超えた場合は、当該憲法改正について日本国憲法第九十六条第一項の国民の承認があったものとする。

この条文のポイントは、

「投票総数の二分の一を超えた場合」

だ。

全有権者の過半数ではなく、投票総数の過半数なのだ。


自民党は衆議院で480の定数に対して295議席を保有し、圧倒的な影響力を保持している。

しかし、自民党が比例代表選挙で獲得した得票は、全有権者のわずか16%に過ぎない。

つまり、国会過半数の意味は限りなく低い。

したがって、国会過半数の賛成を得たからといって、とても「国民の総意」とは言えない状況にある。

他方、国民投票での投票総数の過半数といっても、投票率が5割なら、全有権者の4分の1に過ぎない。この4分の1の国民の賛成で憲法改正が成立してしまうことは健全でない。

国民投票の低いハードル設定と憲法改正発議要件の緩和の二つを二段階で推進してきたのが安倍晋三氏なのである。

これを「目的のためには手段を選ばず」と言う。

 

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コメント
 
01. 日高見連邦共和国 2013年5月22日 07:47:08 : ZtjAE5Qu8buIw : Ihir5pcR5A

“憲法改正”による“自衛隊の国防軍化(軍事力の行使)”という『手段』の為には、
国家的理念や国際情勢における日本の役割なんていう『目的』は選ばず、とも言える。
かほど“危うい”ものは他にあまり存在しない。

02. 2013年5月22日 07:54:53 : AiPQdxUf9c
危ういね。一刻も早い拉致被害者の奪還は分かるが、日朝政府間協議再開は、米中韓の北朝鮮の核・ミサイルへの経済制裁の包囲網と整合性があってるのかな。目的のために手段選んでないのかな。

03. 2013年5月22日 08:04:06 : Z1WKl3IKS6
そりゃ、保守の定義によるでしょう。(笑)保守を伝統主義という風に理解すれば、彼らにとって日本国憲法は、日本の伝統に相容れないと考えておるのかもしれんね。

どの程度の硬性憲法にすべきかは、まさに国民が判断すべきことでね。その判断を、「3分の2の国会の賛同を得て」国民に問おうとしているわけだから、何の問題も無い。しかし、世論調査を見ると、96条改正に対する国民の支持はまだ高くないからね。自民はしばらく様子をみるんじゃない。

で爺


04. 2013年5月22日 08:20:50 : W18zBTaIM6

植草一秀は目先の事しか考えられないのさ。


憲法は政権が変わる度に変えるのが正しい。
そうしないと日本を国際金融資本と中国人乗っ取られるからね。

憲法改正して軍隊持てば、最初は米兵の代わりに最前線で戦わせられるけど、死者が出たら日本人は反米になる。 それで日米同盟は終了、自民党も終了。

TPPに入って日本が滅茶苦茶になったら日本人はカンカンに怒って反ロスチャイルドになる。 それで日本は共産革命さ。

日本人は人がいいから痛い目に遭わないとわからないだけさ。


05. 2013年5月22日 09:29:30 : AiPQdxUf9c
04様

漫画の見過ぎ?アメリカと戦争する気なの。日米安保破棄ってことは、アメリカにとっては、日本は仮想敵国になり、核ミサイルが日本に向くよ。そうか、中国の属国になりたんだ。


06. 2013年5月22日 09:32:10 : ZVzIw5JDPk
03 で爺へ

安倍の本音は、国家の集団目的のために国民の権利を制限しようとしていること。
価値観は、靖国神社を崇め奉る皇国史観。自民党の憲法改正案で明確。言論・表現の自由も目のかたきにする。

自衛隊ならぬ軍に逆らう者は死刑にすべきとの石破幹事長の言葉。

賛成者は年齢がいくつでも真っ先に安倍や石破の突撃命令にしたがうとよい。
のうで爺さん。


07. 2013年5月22日 09:38:51 : W18zBTaIM6
>核ミサイルが日本に向くよ。

憲法改正して核保有国になるんだろ。

アメリカは日本の技術がないとミサイル作れないから、日本が世界最強になる。



08. 2013年5月22日 12:32:07 : 2XOGTsy92w
07の馬鹿川は頭イカれてるね(笑)

09. 2013年5月22日 15:15:50 : NOkKtW5wqA
>03さん
「どの程度の硬性憲法にすべきかは、まさに国民が判断すべきこと」
というのは、まさに憲法の素養を欠いた考え方。
立憲主義との関係で自明の前提ではありません。
マスコミの低レベルな議論に毒され過ぎです。

10. 2013年5月22日 17:51:53 : Z1WKl3IKS6
>>9 なんで?発議要件を緩和しても、国民投票があることによって、硬性憲法としての性質は残るじゃない。最終的に、国民の意思が直接反映されることでね。それから、他の場所でも書いたけど、発議要件を緩和して、石破が言っておったけど国民投票の成立要件を例えば5分の3に引き上げるみたいな案でもいいね。要するに、自民党の提案は、硬性か軟性憲法かという選択を国民にさせるものではないわけよ。ま、硬性憲法か、軟性憲法か、国民が選択する権利も、わたしはあると思っておるけどね。

保守の論客で、第一条を廃止して、共和制にするような改正案が出てきたら困るではないか・・・という人がいるが、私は、仮にそういう発議が通って、国民投票で国民の信任を得るならば、それはそれで、仕方ないと思うね。そうならないように、皇室には努力していただきたいけどね。

で爺


11. 2013年5月22日 18:12:57 : w58k3sG7t2
強欲拝金ゴロツキ政党が存在したり、アホノミクス安部政権のもと、強欲拝金ゴロツキますごみが存在感したりで、日本は全体主義へと、じわりじわりと導かれようとされていることに、危惧すべきだ。ラディカルとは、根本だ。根本とは、観念的な弁証法ではない。現実的な止揚でなければならぬ。

12. 2013年5月22日 20:37:59 : plsk27d8TE
下痢ゾウはどういう日本を夢想しているか
カルタゴのハンニバルが祖国の覇権回復の為
力づくの解決を図って惨敗した
ヒトラーも結局は勝てなかった
アメリカもベトナムで勝てずに
ソ連もアフガンで崩壊した
奴を木に登らせる、バカ下痢右翼よ
おまえらは日本をまた壊したいのか
下痢ゾウ自滅支持者に
狆太郎橋下信者はまとめて
ネウヨピーピ^下痢右翼と決めつけてやる
右翼と自称されるのも迷惑だが
なのりたいなら右翼でもいい
そしておめえらも同じ輩だ
とっちゃん某や平井に狆某
橋の下誤老、欲しクズ拾い
蓑虫揉んだら瓦乞食どもめ

勝手にしろ!
お前らは愛国者ではない
充売国左翼と目くそ鼻くそ


13. 2013年5月22日 21:30:03 : NZEG1SHVSw
社会科学の素養がまったく なく、歴史認識に乏しいアホノミクス安部政権。強欲拝金ゴロツキ政党。強欲拝金ゴロツキマスゴミ。こいつらが目指しているのは、紛れもなく全体主義、こいつらの暴走を食い止めるための日本国憲法。その
憲法憲法を改悪とは、言語道断。

14. 2013年5月22日 22:14:25 : 2BJwKyvJyA
北朝鮮への電撃訪朝や拉致問題をメディアが喧伝して有権者の感情に訴えかけた上で消費増税を延期することで選挙を有利に戦い、格差是正などの課題を覆い隠して選挙後は小泉構造改革路線と同じ政治を行う。ここしばらくの間でそんな姿勢が見え隠れするようになった。改憲志向はバブル崩壊後の経済政策の失敗の責任を免れるために現実逃避の意味も含めてあれこれ理由を付けて主張しているようにしか見えない。もうしばらくすればその辺の化けの皮が剥がれてくるのではないか?

15. 2013年5月22日 23:58:05 : NOkKtW5wqA
>10さん
立憲民主主義と多数決民主主義の違いについて勉強して下さい、、、

立憲民主主義の下で、憲法はポピュリズムの危険を抑止する役割を果たすわけですから、憲法をポピュリズムによって変えられるという矛盾を生じないようにしなければならない。

そのために、どの程度硬性でなければならないのか考える必要があるのです。
そのことをすっ飛ばして、憲法改正要件が法律改正要件より厳格ならよいというのは極めて乱暴な議論です。

少なくとも、「国会の過半数で発議し、有効投票の過半数で改正要件を満たす」という現政権の目指す方向は形式的には硬性であっても、ポピュリズムに陥る危険が高まることを否定出来ない。

少なくとも、そのような危険を上回るだけの必要性があることを説明しなければ、あなたの論理は通りません。
「国民の手に取り戻す」という説明が成り立たないことは自明ですね。


16. 2013年5月23日 20:00:22 : CF9GERiMMw
他の国では日本と違って何回も憲法を改正しているから日本だけ変えないのはおかしいとの発言を自民党の連中は言っているようだ。
片腹痛いとは正にこの事だ。何故自民党が下野したかと言えば選挙のたびに公約に上げた事を次々と破ってきたからではないか。
つまり自民党は信用を無くして下野した訳だ。そして未だに自民党は信用されていないし最近では政府もマスコミも信頼を失っている。
信頼されない政府が何を言っても国民は信用する訳が無い。他の国の憲法が何度も改正されているのはその国の国民が政府を信頼してるからだろう。
信頼されていない政府が憲法を改正する事を国民がが許す訳が無い。
戦前戦後を通じて日本ほど為政者を信用しない国は無いと思えるくらい政府は信用されてこなかった(と思う。)
政府が信頼されるためには税の公平と司法の公平が不可欠である。残念ながら日本にはその両方とも無い。だから国民は政府を信用しないのだ。

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