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2013/5/20 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
安倍首相が財界人や学識経験者らの前でわざわざ発表した「成長戦略」の第2弾。安倍本人は「世界で勝って、家計が潤う」「行動なくして成長なし」と意気揚々に語っていたが、つぶさに中身を検証すれば「コイツの頭は大丈夫か?」と思わざるを得ない。
安倍が具体的にブチ上げた数値目標は、何から何まで夢物語に過ぎないからだ。
▼インフラ輸出(現状10兆円)→7年以内に3倍の30兆円 ▼農業・農村所得→10年以内に倍増 ▼農産物・食品の輸出(4500億円)→7年以内に1兆円 ▼民間設備投資(63兆円)→3年以内で70兆円 ▼世界大学トップ100入り(2校)→10年以内で10校 ▼訪日外国人旅行者(年間800万人)→将来2000万人に ▼放送コンテンツ輸出額(63億円)→5年以内に3倍増163億円……と「2倍、3倍は当たり前」と言わんばかりで、実現性に乏しい数値目標のオンパレードには「寝言は寝てから言え」と突っ込みたくなる。
第2弾の柱に掲げた「インフラ輸出3倍増」も、売り込む中心は原発だ。安倍はGWの中東歴訪のトップセールスで、トルコとアラブ首長国連邦を相手に協定調印を取り付けたことで鼻高々。「オレが先頭に立てば、すぐに話がまとまる」と思い込んでいるのかもしれないが、その誇大妄想ぶりが恐ろしいのだ。
法大教授の五十嵐敬喜氏(都市政策論)はこう言った。
「あれだけ未曽有の事故を起こした国が、高い売り上げ目標を掲げて原発を売り込めば、国際的な反発を招きかねません。また、日本の優れた防災・医療・新幹線などの技術を売るのにも限界があります。新興国に技術を提供すれば、すぐに学習されて、いずれは自国のインフラを自前で整備し、日本企業のライバルと化すのです。高い技術を誇る企業でも、中東諸国などの輸出では商慣行の違いに苦しんでいる現実もある。インフラ輸出は一筋縄ではいかず、『3倍増』は単なる願望でしかない。成長戦略と銘打つには“やりたいこと”と“やれること”の差が激しすぎます」
◆「オレにはできる」とうぬぼれるトランス状態
高支持率に浮かれ、一種の躁状態というか、トランス状態にあるのではないか。ハッタリ半分の選挙公約ならいざ知らず、一国の首相が「3本目の矢の柱」として、真顔で言っているのだから、怖くなる。
政治評論家の森田実氏もこう言った。
「安倍首相は最近、夜郎自大な振る舞いをエスカレートさせています。正常な判断力を失っているのではないか、と疑いたくなるほどです。政治日程を目いっぱい詰め込み、憑かれたように、あれもこれもと手を広げている。毎週のように被災地を回り、かと思うと、しょっちゅう、南こうせつなどのライブ会場に駆けつけ、パフォーマンスに精を出す。自分は元気だということをアピールしたいんでしょうが、周辺も“やりすぎ”と心配している。パフォーマンスだけならいざ知らず、憲法改正にも手を広げ、さらには米韓を刺激してまで、拉致問題に突っ込んだ。揚げ句が今回の成長戦略で、大ボラ同然の中身をとうとうとまくし立てた。マトモな状態とはとても思えません」
安倍の側近議員は「国民栄誉賞の表彰も背番号96のユニホームまで着てやりすぎだった。自然体にしてりゃいいのに……」と嘆いている。前回もあれこれ手を広げて、収拾がつかなくなって自滅した。もともと、誇大妄想的なのが、さらにエスカレートしている感じだ。まさか、持病の潰瘍性大腸炎を和らげるために行っている「ラドン」治療の影響ではないだろうが、やたら高揚している出戻り首相を見ていると、かなり心配になってくる。トチ狂っていなけりゃ、こんな成長戦略はあり得ないのだ。
◆いい加減、政権トップの異常さに気づくべき
安倍が高らかに歌い上げた成長戦略には「世界に勝てる大学改革」や「意欲に富む学生が全員、海外留学できる仕組み」「攻めの農業」「クールジャパン戦略」などのキャッチフレーズが並んだ。全てが荒唐無稽の夢物語。よくもまあ、側近たちも言わせたものだ。こんなペーパーで、国民をだませると思っているのだとしたら、とんでもない官僚どもだ。普通ならば、「総理、それは無理です」とならなきゃおかしい。東大教授の鈴木宣弘氏(農政)はこう言う。
「農業・農村の所得倍増にしても具体的なプロセスは何も示そうとしない。選挙が近いから農村票目当てに美辞麗句を並べ立てただけです。農産物の輸出を増やせばバラ色の未来が待っているかのような印象を与えていますが、大間違い。現状は、輸出だけで生活できる農家はゼロに等しい。いくら輸出が倍になっても、農家の所得が即、増えるわけではないし、そこにTPPなんですからね。それでなくても、農業所得は90年の6兆円からほぼ半減している。そんな中、TPPに参加すれば、農林水産の生産額は3兆円も減るのですよ。安倍首相が言う『農家の所得倍増』はあまりにも農家を愚弄しています」
大学改革だってムチャクチャだ。
「安倍首相は『今後3年間に国立8大学の教員1500人程度を優秀な外国人に置き換える』と豪語しましたが、これも打ち上げ花火で、現実性がない。それだけの数の外国人を迎え入れて誰に何を教えるのでしょうか。今の大学生の語学力では英語の授業についていけない。それに教職員を外国人に置き換えれば1500人もの人材がクビになってしまう恐れがある。教育現場を無視したナンセンスな発想です」(教育ジャーナリスト・小林哲夫氏)
安倍が描いた成長戦略は一事が万事、この調子なのである。マトモに論評するのもアホらしくなる。
◆過剰な自信が引き寄せる危険な道
それなのに、ヤバイのは、こんな躁状態のパラノイア首相の支持率が高止まりしていることだ。これじゃあ、ますます、安倍はいい気になって、誇大妄想になってくる。どの組織でも始末に負えないのは、自分の愚かさ、非力さに気付かず、やけに自信を持っているやからだが、それがよりによって、首相なのだから、恐ろしい話だ。狂人首相に国はメチャクチャにされてしまう恐れがある。
「すでに危険な兆候はハッキリと表れています。アベノミクスの異次元緩和は長期金利の高騰と国債投げ売りを招きかねない展開だし、歪んだ歴史認識は、世界中から『ストロング・ナショナリスト』と危ぶまれている。それもこれも、すべての元凶は安倍首相の自信過剰なんです。株高に浮かれて舞い上がり、“オレにできないことはない”と調子に乗っている。市場も他国も異常な政権に『これはヘンだぞ、ヤバイぞ』と警戒心を抱いているんですよ。それなのに国民が気付いていない。これは大変なことですよ」(森田実氏=前出)
こんな成長戦略をまくし立てられて、何を黙っているのか、国民は。「アンタ、おかしいよ」と突き放さなければウソなのだ。
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