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2013年05月20日 板垣 英憲(いたがき えいけん)「マスコミに出ない政治経済の裏話」
◆「パラサイト政治家」が何と多いことか。日本維新の会の橋下徹共同代表(大阪市長)の「慰安婦発言」がリトマス紙になり、日本維新の会所属の衆院議員や参院議員、あるいは参院議員候補者が右往左往している。橋下徹代表が国内外から集中砲火を浴びているためだ。7月21日の参院議員選挙への悪影響を恐れ、国民有権者のなかでも、とくに「女性票が逃げる」と火消しに躍起だ。
ところが、橋下徹代表は、日本の与野党、マスメディアから批判されるばかりでなく、米国、中国、韓国の各政府から厳しく批判されても、なんのその、丸で「屁の河童」だ。「選挙のために政治をやっているのではない。アメリカであろうと何であろうと、言いたいことは何でも言っていく」と攻撃精神はますますエスカレートしている。日本維新の会が、潰れようとどうなろうと、構わないと言った感じだ。
橋下徹市長は、「米軍内部で年間2万6000人もの女性兵士が暴行を受ける事件が起きており、議会に呼ばれたオバマ大統領は、内部統制はどうなっているのかと追及されたという。沖縄では、米軍兵士による婦女暴行事件が絶えない。何とかして欲しいと、これからも米軍に訴え続けていく」と意気軒高、戦闘意欲満々である。
◆それにしても情けないのは、日本維新の会の「パラサイト政治家」だ。このなかでも、昨年12月16日に当選してきた衆院議員は、「橋下徹代表の人気」にあやかり、「維新旋風」を利用して、われもわれもと、押しかけてきたにもかかわらず、いざ当選を果たして議員バッチをつけた途端、「ノーバッチ」の橋下徹代表をないがしろにし始めて、「国会のことは、国会議員に任せてくれ」と豹変。橋下徹代表が、「好きにやってくれ」と突き放すと、慌てて弁明のため大阪に駆けつける有様だった。
しかし、政党助成金は、「たちあがれ日本=太陽党」系列の老人政治家たちが、独占してしまい、こちらも橋下徹代表は、「邪魔者扱い」なのだ。
こうなると、橋下徹代表は、「糸の切れた凧」も同然。大空を自由気ままに泳ぎは始めたから、政治的発言も、大阪自由人の本領を発揮して、大胆発言を発散して、平気の平左である。
おまけに、「参院議員選挙に立候補するつもりはない。大阪市の改革に専念する」と国会議員バッチに何ら興味もなさそうで、これが日本維新の会の現職議員たちには、却って、厄介になってきている。このため、党内は、大混乱に陥っている。当の、橋下徹代表は、大阪の空の上から、「ザマ〜みろ」とばかりせせら笑っているから、大傑作だ。
橋下徹代表は5月24日、韓国の元慰安婦と会見するという。ただ、会ったところで、元慰安婦が求めている「国家賠償」については、何も手助けできず、「お茶飲み話」に終わりそうである。
◆一方、これまで日本維新の会、橋下徹代表にすり寄り、野党共闘やら、選挙協力やらを求めてきていた「みんなの党」も、やはり「パラサイト政党」の本質がバレバレになってきた。渡辺喜美代表が、日本維新の会との絶縁を宣言してしまったのはいいのだが、次期参院議員選挙で共闘して勢力拡大を図ろうとしてきた選挙戦略は、早くも破綻気味である。とりわけ、都道府県選挙区での当選者が「ゼロ」という事態が、すでに予想されている。
このため、「それでなくてもバラバラの野党が、さらにバラバラになり、この結果、「漁夫の利」を得るのは、安倍晋三首相率いる自民党ということになる。海江田万里代表の民主党も漁夫の利を得てよさそうなのだが、この党は、いまもって反省の色のない菅直人元首相、野田佳彦前首相、岡田克也前副総理、安住淳元財務相、前原誠司前戦略担当相、枝野幸男前経済産業相らの「失政」と「失敗」が災いして、「漁夫の利」にとてもありつけそうにない。
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