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2013-05-19 陽光堂主人の読書日記
昨日付の「日刊ゲンダイ」によると、岩波書店が発行している『世界』6月号で、評論家の内橋克人氏が小森陽一・東大教授と対談し、TPPの真相を明らかにしているそうです。
それによると、TPP参加の根拠は、現行の日米安全保障条約第2条にあるとされています。この条項の内容は、次の通りです。
第二条 締約国は、その自由な諸制度を強化することにより、これらの制度の基礎をなす原則の理解を促進することにより、並びに安定及び福祉の条件を助長することによつて、平和的かつ友好的な国際関係の一層の発展に貢献する。締約国は、その国際経済政策におけるくい違いを除くことに努め、また、両国の間の経済的協力を促進する。
ここには、日米両国は「その自由な諸制度を強化する」、「その国際経済政策におけるくい違いを除くことに努め、また、両国の間の経済的協力を促進する」と記されています。迂闊なことに、この重大な取り決めを失念していました。
日米安全保障条約は防衛に関する条約ですが、前文には「両国の間の一層緊密な経済的協力を促進し、…」という一文が入っていて、第2条はこれに呼応する形になっています。
この条約は10条足らずの簡単なもので、この第2条以外は全て安全保障に関する規定です。第2条はこの中で異質な規定で、米国は将来的に日本から収奪する目的でこの条項を滑り込ませたのでしょう。その用意周到さには舌を巻きます。
安保条約は戦後日本の根幹をなす重要な条約で、政治はこれを基になされて来ました。我国の政治家が拳拳服膺すべき「不磨の条約」であり、これに違背することは許されません。このため、鳩山元総理のように米軍基地を勝手に動かそうとすると、引きずり降ろされてしまうのです。
その重要な安保条約の中に「国際経済政策におけるくい違いを除く」とあるのですから、日本としては米国の要求に従うしかないわけです。年次改革要望書を受け入れたり、TPP交渉参加を強行した理由はここにあります。
元外交官の佐藤優氏は、「TPPは米国の安全保障に組み込まれているから、日本は参加するしかない」という趣旨のことをどこかで述べていましたが、その根拠もここにあるのでしょう。
現行の日米安全保障条約を締結したのは岸信介内閣ですが、その孫に当たる安倍晋三がTPP参加をゴリ押ししたのは当然の帰結なのです。民主党の野田政権もTPP参加に前のめりでしたが、昨年秋に突然自爆解散してしまったのは、TPP参加の「栄誉」を安倍に譲るためだったのかも知れません。
TPP参加は国民にとって悪夢でしかありませんが、米国の代理人を務めている総理大臣にとっては栄誉そのものです。宗主国の米国にこの国を丸ごと差し出すのですから、功労者として大いに嘉みされます。野田と安倍では(売国奴としての)格が違うので、野田は譲らざるを得なかったのでしょう。
『世界』6月号の中で、内橋克人氏は、「戦後の日米の歴史は日本の経済ルールを米国のそれに合わせることだったと指摘し、『その歴史的総仕上げこそ、TPPということです』と断じているそうですが、まさにその通りです。
「日米安保がある限り、TPP止むなし」ということになりそうですが、それなら安保条約を廃棄すればよいのです。最後の第10条に、こう定められています。
第十条 この条約は、日本区域における国際の平和及び安全の維持のため十分な定めをする国際連合の措置が効力を生じたと日本国政府及びアメリカ合衆国政府が認める時まで効力を有する。
もつとも、この条約が十年間効力を存続した後は、いずれの締約国も、他方の締約国に対しこの条約を終了させる意思を通告することができ、その場合には、この条約は、そのような通告が行なわれた後一年で終了する。
日本政府が米国に終了を通告すれば、1年後には失効するのです。簡単な話で、一言で多年の難題が一挙に解決します。
自民党政府は間違ってもそんなことはしないでしょうから、本当は鳩山政権の時にやっておくべきでした。しかし、残念なことに民主党内にも売国勢力が多く、到底不可能な状況でした。
お先真っ暗な状況ですが、米国の方から破棄を通告して来るという展開も有り得ます。財政破綻状態の米国は軍隊を縮小撤退させる方針で、在日米軍もその対象です。
安倍政権が国防軍の創設を目論んでいるのは、米軍撤退を視野に入れているためで、六ケ所村での再処理再開も核武装を進めるためではないかと囁かれています。原発再稼働の目処が立っていないのに再開するのは、別の目的があるとしか思えません。
慰安婦に関する橋下発言に米国は激怒し、「安全保障上の障害となる」などと恫喝し始めたため、政府関係者は狼狽しています。橋下氏は持論を撤回する気はないようで、このまま押し通したら安保条約破棄も現実化するかも知れません。そこまで計算した上でのパフォーマンスなら立派なものです。今後の展開が注目されます。
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