http://www.asyura2.com/13/senkyo147/msg/840.html
Tweet |
ゴロツキ弁護士橋下徹の戯言に耳が慣れてしまうと、利己的で品性下劣なゴロツキ程度の倫理感とか正義感しか持ち合わせない人間しか生まれないだろう。よってここでは下方へ落ちていく倫理感と鈍い感性を少しは引き上げるかもしれない話をしよう。
橋下徹を簡潔にいえば権力欲の肥大した拝金利己主義者の典型である。よって私たちが目指すものはその対極にある人間であることはいうまでもない。よってそのような人間の存在に気づくことが肝心なのだが、ここでは橋下徹が言及した性奴隷に関するもので「他人を生かすために自分が死ぬ話はそこらじゅうに転がっていた。」という話をしよう。
利他的行為と聞いてすぐ三浦綾子『塩狩峠』を思い出すひとは多分いい人だ。だって多少とも利他的行為について考えた人であることは確かだからだ。私の場合、例えばソウル・フラワー・ユニオン 『平和に生きる権利』を聞いて涙が止まらないのは、それがすぐさま「しかし、キエンの戦争の記憶の中で、最も悲惨なのはホアのことだ。」の記述で始まる道案内ホアが仲間の負傷兵を助けるために、【強かんされるために、(そしてしかる後に射殺される・・・)】米兵たちをおびき寄せる話をすぐさま連想してしまうからだ。
・・・
▲正義の戦争でも良い人から死んでいく
「正義の戦争などない」という馬鹿げた言説を得意げに言う人間もいる。
しかし・・・
米兵がベトナム国土に侵攻せねば戦争は起こらない。侵略された側が抵抗の戦いを始めれば、それは正義の戦争なのである。
アメリカ人の女性がベトナム兵に強かん・輪かんされることは絶対起こり得ない。戦場になるということは、すべてのものが破壊されるということ。戦場になれば、女は幼女から老女まで強かんされるだろう。
他国を戦場にしないため、自国を戦場ににしないために、私たちには多分やるべき事が多すぎるほどあるのだが・・・。
アメリカはベトナムに負けたのか?ベトナムの小説家バオ・ニンは「惨勝」と表現した。ベトナムが負ければどうなっていたのだろう?例えば現在のハイチのようになったかもしれない。アリステッド大統領は米兵に拉致されて出国したという。まったくハイチの中南米の最貧国から脱却は難しい。テロ国家アメリカの近くに位置したばかりに・・・。
チョムスキーもウィリアム・ブルムも言うのだが、アメリカは目的を達成したのだから勝った。目的?ベトナムは戦争の傷跡の修復に50年以上を要し、第三世界の見本となるべき革命的実験は放棄させられた。チリの選挙で選ばれた社会主義政権、あんなことが起こるなんて・・・、あれこそはテロ国家アメリカにとって絶対あってはならないこと。それならばやることはきまっている。つぶせ!
侵略強盗強かん軍においては絶対起こらないことが正義の戦いでは起きる。
以下『戦争の悲しみ』バオ・ニン著/井川一久訳(めくるまーる)より―─
(*は筆者:注釈)
* 傷病兵15人と搬送班員とキエンの部下達は、ホア(女性ガイド)道案内で米軍の攻撃から逃走していた
キエンは
「俺たち、迷ってるんじゃないか」と女性ガイドのホアに言った。
ホアは「大丈夫です」と自信たっぷりに答えた。
(中略)
「君はこんな泥臭い湖へ俺たちを連れてきたんぜ。立派なガイドさんだね」
「あたし、間違ったみたい」と、ホアは自分を怨むような口調でつぶやいた。
「間違いじゃすまんよ。こりゃ相当な罪だぜ。君なんかアメリカ兵に撃たれちまえ。何発ぶち込まれたって文句は言えないかもな」
ホアの両目は涙に濡れ、唇は震えていた。
*キエン(手榴弾のみ)とホア(拳銃のみ)は、傷病兵と搬送班員を残し、逃走の道を捜している最中に米海兵隊パトロール隊4人と軍用犬シェパードと遭遇。
彼ら(傷病兵など)はまもなくパトロール隊に見つかるだろう。
ホアはキエンと離れて・・・
ホアは跳びかかろうとする犬の体に弾丸を2発続けざまに送り込んだ。弾丸はそれで尽きた。犬が倒れると、彼女はいったん右腕を下ろし、拳銃を米兵たちの方へ下手投げで放り出した。
米兵たちはなぜかホアを撃たなかった。相手は拳銃一挺しか持たぬ若い女性で、しかも彼女は犬だけ狙っていた。だから撃つ必要がなかった。いや、この美しい獲物を撃たずに生きたまま捕まえたかった、というのがおそらく事態の真相だろう。
一人のパトロール隊員がホアに襲いかかった。ホアは身をひるがえし、道から全速力で遠ざかろうとした。米兵たちはいっせいに追いかけた。
(中略)
ホア。哀れな娘。だが天女のように限りなく美しい魂の持ち主。君は多くの他者のために、進んでおのれを犠牲に捧げた。あの捜索犬を殺し、さらに自分の体に米兵たちを誘いよせて、味方の傷病兵15人と搬送班員たちを、また俺と俺の部下たちを救おうとしたのだ。俺は君のその気高いこころざしを無にすることができない。米兵らと闘って死ぬことは許されない。キエンは手榴弾の安全レバーを静かに元に戻した。彼は結局、苦悩に凍りついた目で、なすすべもなく残酷場面を見つづけたのだった。
米兵たちは、後方に立っていた数人を除いて、次々にホアを犯したようだった。彼らはこの日のパトロール活動を集団レイプで終えようとしていた。
★【他人を生かすために自分が死ぬ話はそこらじゅうに転がっていた。】
(注:【 】部、バオ・ニン『愛は戦いの彼方へ(原題:戦争の悲しみ)』大川均訳/遊タイム出版より引用、原本に対して日本語翻訳本2冊がある。)
【しかし、キエンの戦争の記憶の中で、最も悲惨なのはホアのことだ。】
・・・
【しかし、あなたや私が生き残り、その代わりに優秀で素晴らしい、この世に生きる資格を人より多く持った人々が死んだという事、血みどろの戦争の機械に噛み砕かれて微塵になり、暗黒の暴力に辱めを受けて殺され、葬り去られ、跡形も無く消えたというのは、今の平穏無事な日常から見ると、とんでもない皮肉だ。正義は勝った。仁愛の心は勝った。しかし、同時に、大量虐殺、非人道的暴力、つまり悪も勝ったのだ。・・・】
悪は勝った。テロ国家アメリカは勝ったのだ。だから反省もせず、借金を返させ、戦後補償もせず、復興支援の約束も果たさず、枯れ葉剤被害者を無視して、・・・そしてアフガニスタンをイラクを侵略する。
・・・
******
本当の仲間のために命を投げ出す「この世に生きる資格を人より多く持った人々が死んだという事」が正義の戦争の実相なのだ。毎日がテロ国家アメリカがまともな戦争映画を作り得ないのは当たり前のことなのだ。どう仲間のために戦おうとも、殺し屋として他国へ来ているという愚劣な本質を隠すことはできないからだ。
多くの人間は利己的の程度はともかく利己的に生きている。それは本能として組み込まれているし、そうでないと生命を保持できないのかもしれない。だから問題はその程度なのかもしれない。地位・金・権力のためなら他人を蹴落としてもいい(あるいは最終的には死んでも構わない)と思う人は確実存在する。たぶんその利己的欲望を肥大化した最悪の集団がテロ国家アメリカの支配層なのだろう。
ベトナム戦争とは、最悪の利己的集団と最良の利他的集団の戦いでもあったのだろう。そして結局、無傷で生き残ったのが最悪の利己的集団なのだから、勝者はもはや明白だろう。
▼ソウル・フラワー・ユニオン 『平和に生きる権利』
▼橋下市長に反論! 吉見義明さん語る〜「強制連行」はあった
http://www.ianfu-kansai-net.org/2012-10-23.html
http://www.youtube.com/watch?v=jTPD6cPym_M
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
▲このページのTOPへ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK147掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。