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2013/5/18 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
多くの識者が各論壇誌上で、そう指摘している
時事通信の調査で、安倍内閣の支持率が発足後、初めて下がったが、同時に興味深かったのはTPPに関する意見だ。ちょっと前までは交渉参加を歓迎する人が6割以上いたが、今回は「交渉の行方次第で断念してもいい」が50・7%に及んだ。
過半数の国民が「これはヤバイぞ」と思い始めているのだが、その背景にあるのは識者たちの、それこそ、国民の魂に訴えるような言論活動だろう。
「世界」6月号で慶大教授の金子勝氏はこう書いた。
〈TPPは平成の不平等条約というべきかもしれない〉〈TPPは日本の法律や制度をアメリカの国内法やルールに従わせることを意味する〉〈小泉以上の小泉構造改革を押し付けられる恐れがある〉〈このまま米国中心の金融資本主義に自らをのめりこんでいけば、法律や制度の自主的決定権を米国に売り渡すところまでいくだろう。これ以上、間違いを繰り返してはならない〉
小泉構造改革を一言でいえば、米国の年次改革要望書に沿って、規制緩和や民営化を推し進めた売国奴的改革だ。新自由主義という名の「競争至上主義」を導入し、外資や大企業に代表される1%の勝者と99%の敗者を生み出した。結果、日本はグロテスクな格差社会になっただけでなく、ついに1%の勝者から99%の貧者へ流れる恩恵はなく、賃金は下がり、雇用は悪化し、消費は増えず、出口なしのデフレ不況を招いた。
TPPとは、こうした米国流押し付けの「集大成」なのである。
◆TPPの原点は日米安保第2条
月刊文芸春秋6月号では元通産官僚で評論家の中野剛志氏がこう書いている。
〈グローバル化による外資誘致合戦は、労働者に対する資本家の優位を強める。資本の海外流出を脅しにして、労働者の賃金水準を低く抑えられるからだ。貿易のグローバル化もまた、先進国と途上国の労働者の競争を通じて、先進国の労働者の賃金を下落させる。企業は人件費圧縮によって、国際競争力を強化し、法外な利益を上げるが、「トリクルダウン」(富裕層が豊かになれば国民全体が潤うこと)は起きないので、格差は著しく拡大する〉〈不平等がもたらす需要不足によって、経済成長はかえって困難になる。「ビジネス」は利益を得るが、「国民」は不利益を被るのである〉
それなのに、安倍政権がTPPにのめりこむ理由は何なのか。「世界」6月号では評論家の内橋克人氏が小森陽一・東大教授と対談。その真相を語っている。内橋氏は日米安保条約第2条に「(日米両国は)国際経済政策におけるくい違いを除くことに努め……」とあることに注目。戦後の日米の歴史は日本の経済ルールを米国のそれに合わせることだったと指摘し、「その歴史的総仕上げこそ、TPPということです」と断じているのだ。
なるほど、だとしたら、安倍がTPPに旗を振るのもよく分かる。米国CIAの協力者で日米安保改定を批准させたのは安倍の祖父、岸信介だ。売国奴のDNAが脈々と受け継がれているとしか思えない。
◆国民をダマして不平等条約を結ぶのか?
こんなふうに書くと、安倍らTPP推進派は「米国陰謀史観だ」と言うだろうが、前出の内橋氏は「これは米戦略国際問題研究所はじめ幾多のアメリカのシンクタンクが自らリポートしていることだ」と自信満々で書いている。
先月、米国を訪問し、カトラーUSTR代表補らTPP関係者と会談した山田正彦元農相も「こんな屈辱的な、一方的な交渉はない。ミズーリ艦上降伏文書に等しい」と言っていた。
TPPは格差拡大をもたらす。勝者はたった1%、米国を中心とした多国籍企業だ。自由貿易とは名ばかりで、すべてが米国企業有利のルールになってしまう。山田氏が怒ったのは、日米2国間の事前協議でもう日本側の“無条件降伏”が露呈したからである。
実際、合意文書を見ると、「米国の自動車関税は当面維持」「撤廃時期は最大限遅らせる」「日本郵政の保険業務については、がん保険および単独の医療保険を認可しない」など目をむくような文言が出てくる。自動車の関税撤廃というメリットがなければ、何のためのTPPか、ということになる。
「こんな調子ではもちろん、聖域だって守られるわけがないのです。安倍総理は『コメや牛肉や豚肉などの重要5品目の聖域は認められる。認められなければ、撤退すればいい』と言いました。そこでカトラー代表補に『そうなのか』と確認すると、『コメにおいても例外は認められない。輸入を一定程度抑制するセーフガードや関税の長期間据え置き(段階的に廃止)はあり得るが』と言われた。事前交渉で、これだけの譲歩、約束をさせられ、日本の聖域については何も言質が得られていない。私が降伏文書だというのは、そのためです」(山田正彦氏)
◆安倍、岸家に流れる恥知らずの血
自民党は先の選挙で、「(コメなどの)聖域が守れない前提ではTPP交渉に参加しない」と明言した。自動車など工業製品の数値目標は受け入れない、国民皆保険は守る、食の安全は守る、ISD条項には合意しない、など6項目の公約も掲げた。
「しかし、石破幹事長も安倍首相も、ちっともそれに触れなくなった。そんなものは守れないからです」(ジャーナリスト・横田一氏)
やっぱり、安倍は国を売ろうとしている。それがあからさまになってきて、だからこそ、支持率に微妙な変化が出てきたのである。
東大教授の鈴木宣弘氏(農政)はこう言った。
「TPP交渉といいますが、これは条件闘争ではないんです。コメの関税撤廃を10年間、先送りできたとして、1俵のコストが日本の6分の1以下の米国に太刀打ちできるわけがない。TPPに参加すれば、その瞬間、日本の農業だけでなく、社会が壊されてしまう。日本のルールをぶっ壊されてしまうからです。それなのになぜ、安倍政権はTPPを進めるのか。安倍首相の国家観が歪んでいるからでしょう。本当の右翼、保守であれば、米国と対(たい)峙(じ)しても、国益を追求しなければいけない。しかし、安倍首相は中国や韓国には国益を言うくせに米国には言わない。ご都合主義の保守なのです」
その背景にあるのは米国にシッポを振れば、政権安泰というよこしまな思惑だろう。国を売って、政権維持なんて、「恥を知れ」と言いたくなるが、これぞ、安倍、岸家に脈々と流れている「恥知らず」という名の血なのだろう。
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