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2013年5月18日 植草一秀の『知られざる真実』
橋下徹氏は自分の非を認めず、責任をメディアに転嫁する卑怯な人物である。
橋下氏が示す「読解力」詭弁の破綻を明確にする必要がある。
「読解力」を問題にしているのは「日本維新の会」共同代表の橋下徹氏である。
橋下氏は週刊朝日が橋下氏の出自に関する記事を掲載したことに対して、血脈主義だとしてこれを厳しく批判した。
その橋下氏の従軍慰安婦問題に関する発言が批判されていることに関して、責任は橋下氏の発言内容にあるのではなく、発言内容を歪めて報道しているメディアにあると批判している。
橋下氏は、メディアの「読解力」がないと主張している。
問題となっている橋下氏の発言内容を報じた毎日新聞の一問一答(要旨)を掲載させていただく。
毎日報道は、橋下氏自身が、「概ね正確である」との趣旨の発言を示したものである。
橋下氏の主張の完全な間違いを考察するために必要であるので、この点をお断りして転載させていただく。
毎日JP5月14日13時07分更新記事
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橋下氏と記者団の(要旨)は次の通り。
■13日午前
−−日本の植民地支配と侵略を謝罪した村山首相談話について。
「侵略」に学術上きちんとした定義がないことは安倍首相の言う通りだが、敗戦の結果として侵略だということは受け止めなければいけない。ただ、事実と違うことでわが国が不当に侮辱を受けていることに関しては主張しないといけない。
従軍慰安婦問題も、意に反してそういう職業に就いたということであれば配慮しなければいけないが、なぜ日本だけが取り上げられるのか。
慰安婦制度は世界各国の軍が活用した。朝鮮戦争やベトナム戦争でもあった。
銃弾が飛び交う中で命をかけて走っていく時に、精神的に高ぶっている集団に休息をさせてあげようと思ったら、慰安婦制度が必要なのは誰でも分かる。
韓国とかの宣伝の効果でレイプ国家というふうに見られてしまっているのが一番問題だ。
■13日午後
−−従来より踏み込んだ発言だが。
聞かれなかったから言わなかっただけ。当時の状況で(慰安婦制度を)活用していたのは事実。自らの意思でそういう職業に就いた人もいたでしょうし。現代社会だって風俗業が職業としてある。
−−慰安婦の意に反しても必要か。
意に反して慰安婦になったかどうかは別にして、軍の規律維持のために、慰安婦制度は当時は必要だった。
−−今は。
認められない。
慰安婦制度じゃなくても、風俗業は必要。
普天間飛行場に行った時、「もっと風俗業を活用してほしい」と言ったら、米海兵隊司令官は凍り付いたように苦笑いして「米軍では禁止している」と。
建前論ではだめだ。そういうものを真正面から活用してもらわないと、海兵隊の猛者の性的なエネルギーはきちんとコントロールできない。
−−活用していないから事件が起きるのか。
活用したから(暴行)事件が収まるという因果関係にあるようなものではない。
−−世界各国が活用したと言うが、どこか。
米軍も活用した。沖縄の占領時代も、日本人女性がそういう商売に携わっていたのは事実。
いいか悪いかは別として、あったのは間違いない。
なぜ世界で日本が非難されているか国民はもっと知っておかないといけない。
軍や政府が国を挙げて慰安婦を暴行脅迫拉致したという証拠が出れば、日本国として反省しないといけないが、今のところはそういう証拠はないと政府が閣議決定している。
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問題となっているのは、
メディアが
「橋下氏が「従軍慰安婦制度は、当時、必要だった」と評価していると述べた」
と報道していること。
橋下氏は、
「私は従軍慰安婦制度が必要だったとは言っていない。発言の一文だけを取り上げて報道するのはメディアの間違い。メディアの読解力が不足している」
との趣旨の発言を示している。
橋下氏反論が正しいのか間違っているのか。判断材料のひとつが、毎日報道の一問一答要旨である。
今後、日本における「読解力」問題考察のテキスト素材として、広く使われることになるかも知れない。
毎日報道によると、橋下氏は次の発言を示した。
「銃弾が飛び交う中で命をかけて走っていく時に、精神的に高ぶっている集団に休息をさせてあげようと思ったら、慰安婦制度が必要なのは誰でも分かる。」
この発言をどのように捉えるのかが、「読解力問題」の焦点。
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