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★「天木直人氏の視点ー(2013/05/18)」★ :本音言いまっせー!
福島原発事故が起きた直後、東電は福島から逃げ出そうとした。
その時、「逃げるのか」とそれに待ったをかけたのが菅首相だった。
皆が評価するこの菅首相の判断は、今にして思えば大きな間違いだった
のではないと私は思う。
あの時東電が原発事故は自分たちの手に負えないと逃げ出していたなら、
間違いなく東電は社会から追放され終わっていた。
原発事故の処理はすべて政府の責任で行なわなければならなかったに
違いない。
そうなれば、政府は福島原発事故の処理の大きさと困難さの責任を
一手に引き受けざるを得ず、もはや原発維持や原発輸出などという
ふざけた事を言う余裕などなかったはずだ。
日本は選択の余地なく脱原発に舵を切らざるを得なかった。
それから2年あまりたち、随分と無駄な年月を費やしたが、ついに
東電は終わり、そして日本政府はもはや原発維持をあきらめざるを得なく
なりつつあると私は思う。
東電は5月15日、副社長に就任する予定の片岡和久という
常務執行役が、その役割を辞退したと発表した。
昇格がすべてのサラリーマンの常識では考えられないことだ。
すでに3月31日の東京新聞「ふくしま作業員日誌」では、東電を
退社する若手社員が次々と出てきているという記事が載っていた。
要するに東電はもはや健全な企業の体をなしていないということだ。
それはそうだろう。
事故処理に明け暮れ、企業の命である収益を上げる営みはストップ
したままだ。
おまけに事故処理は、汚染水の海水への放出から始まって、除染、
賠償、安全強化など、どれ一つとっても手に負えないものばかりだ。
政府はそろそろ東電を楽にさせてやったらどうか。
そして政府の全責任で原発事故の処理に取り組むしかない。
おりから、ここにきてこの二年間の政府の原発事故対応策の矛盾が
次々と出てきている。
福井の敦賀原発についで、青森の東通原発も活断層の上にあると
原子力規制委員会の専門家チームが断定した(5月18日産経)。
高速増殖炉もんじゅに一万点もの安全点検不備が見つかったと指摘
され、5月17日、鈴木篤之日本原子力研究開発機構理事長が引責辞任
した。
ついにNHKが除染をしてもその効果には限度があるという独自調査
の結果を報道するようになった。
これを要するに、もはや原発再開・維持などはとても無理だという
ことだ。
そのうちに政府は原発政策で行き詰まるだろう。
そうであれば脱原発への方向転換は早ければ早いほうがいい。
東電をはやく楽にさせ、自らも楽になることである。
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