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安倍首相は先の大戦の位置付けと従軍慰安婦問題に関する河野談話見直しについて迷走し、橋下大阪市長は後者について米海兵隊による沖縄の婦女暴行事件にまで広げて過激発言を行っている。
従軍慰安婦問題に関しては、先ず下記の点について可能な限りの事実関係の確定が必要だ。
◆事実関係の論点◆
・BC級戦犯として軍人および民間人が処分された、インドネシアのスマランの慰安所等に於けるオランダ人女性等への売春強制は、局地的・個人的な犯罪として以下と峻別可能か。
・その他の地域で、軍自体による強制は在ったのか。
・その他の地域で、民間業者による強制について、軍の黙認が在ったのか。
・その他の地域で、慰安婦の親等による強制について、軍の黙認が在ったのか。
・上記各項について、もし在ったとすれば、組織的なものか、兵員の個人的なものか。
・当時の他国の戦地および母国での慰安婦制度または、それに準じるものの状況
・当時の他国の戦地および母国での慰安婦制度等に於ける強制性の有無
韓国・中国は、戦前日本に支配されたり国土で戦った劣等感や怨嗟から、この問題に固執する。
一方米国は、日本が道徳的に悪でなければ、先の戦争で2発の原爆を落とし市民を大量殺戮した事を肯定出来ず、自我のバランスが保てない。
今、日本は、主にこの3国に対して、国際世論を味方に付けるべく言論戦を戦う図式になっている。
従軍慰安婦問題に関しては、日本としても言い分はあるが、前述の事実確定に基づく理論構築、続いて戦略策定が必要だろう。
◆安倍政権に戦略は有るか◆
この問題に加え、安倍政権は、主要閣僚によるA級戦犯合祀の靖国参拝により、結果的に対外的に東京裁判(極東軍事裁判)史観への異議申し立てを示唆している。
孫子に、戦いに勝つ要諦として、天の時、地の利、人の和という。
日本の戦国時代や史記列伝、三国志に照らすなら、東京裁判史観と従軍慰安婦問題の内、日米の機微に渡る問題については、先ず中韓、米中を離反させ、米、韓、ロシア、インド、ASEAN諸国等で中国包囲網を築き、その牙を抜いた後で異議申し立てを行ってゆくのが、基本的戦略として常識的な線だろう。
もちろん、一気に日米の機微にまで踏み込む選択肢もある。
だが、言論戦は形を変えた戦争であり、今回の件は先の大戦の焼き直しとも言える。
先の大戦では、情勢判断、体制構築、戦略策定、統制の何れも欠き敗れた。
民間は、事実関係を整理した上でなら、国益を勘案せずともある程度自由な主張が許される。
あるいはこれは、地方の首長や野党の党首でも、当て嵌まるかも知れない。
しかし、安倍政権は国益を踏まえ、何れにしても勝てる戦いをしなければならない。
迷走は下策であり、ブレれば必ず負ける。
安倍首相には、覚悟と合理的方策、そして結果が問われる。
●以下にて、随時推敲更新予定●
http://blog.livedoor.jp/ksato123/
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