http://www.asyura2.com/13/senkyo147/msg/737.html
Tweet |
戦後67年も経っているのに、戦時中の“国策民営”売春施設問題について書いている自分に、いらだちとバカバカしさを覚えてしまう。
おそらく40歳代より若い人たちの多くは、「なんで、そんな昔の話でごちゃごちゃもめてんねん。慰安婦がどうたらという話が朝から晩までテレビで流れている日本は恥ずかし過ぎるわ」と思うかもしれない。
如才ない人なら、「天皇陛下じゃなく、内閣総理大臣で済むんだから、きっちり謝って、はよ終わりにして欲しいわ」と願うだろう。
安倍首相は美しい国日本を心から愛し守ると口癖のように言っているが、その言葉とは裏腹に、日本は下半身にだらしない男ばかりで、女性の人権についての意識も大きく欠けている国という印象を持たれるきっかけになるような「歴史認識」発言を繰り返して日本を貶めてきた。
そして、言いたくはないが、うすらバカの“愛国者”は、そのような安倍氏に熱い思いを抱いている。
そのような安倍首相の歴史認識言動もいよいよ幕引きが近づき、“愛国者”に変節漢と罵らずに幕引きができるようで出てきたのが橋下氏の発言である。
安倍氏の言動は政治的匂いで済んでいたが、橋下氏の発言で、日本は“性風俗大国”という印象を強くもたれたかもしれない。
● 参議院選挙勝利まで準備してくれた橋下氏に安倍自民党は高笑い
「選挙・政治板」なので先に触れるが、安倍自民党は、言う必要性も意味もほとんどない橋下舌禍騒動のおかげで笑いが止まらなくなっているだろう。
安倍氏らは、歴史認識問題言動も、そろそろ役割を終えたので幕引きをしようと思っていたところ、“なぜか”橋下氏が一身に火の粉を受ける過激発言をしてくれたおかげで、前言を翻すような“危険な”言動をすることなく、橋下氏に苦言を呈することで自分たちのまともさを見せることができた。
さらにおまけも付いて、社民党・共産党・生活の党・みどりの風などリベラルな政治勢力にとどまらず、民主党そして「維新の会」の友党であるみんなの党までが、橋下「維新」と距離を置く姿勢を見せている。
参議院選挙まであと2ヶ月という段階での野党の“分裂”は、与党で参議院の安定過半数を狙う自民党にとって、何よりの援護射撃である。
「一人区」で全勝し、二人区を含めて複数当選者がさらに増えると皮算用して、ほくそ笑んでいるだろう。
ただでさえ、自民党と他の政党の支持率に大きな差がついているのに、選挙協力さえうまくいかない政局は、自民党を大きく利する。
安倍自民党の別働隊である橋下「維新の会」の面目躍如である。
● 今日の橋下記者会見の問題点
今回の騒動の主である橋下大阪市長&維新の会共同代表は、今日の記者会見で、沖縄の米軍司令官に風俗業の活用を進めたことを謝罪した。
デーブ・スペクター氏が3時間もかけて橋下氏を諌める文章を書いたそうだが、橋下氏は、「米国の文化、風俗文化や性に対する考え方や価値観への認識が甘かったことは間違いないでしょうね。国際感覚に乏しかったというところ、ここがいちばんの僕の欠点だったんでしょうね」と説明した。それでも、風俗業の活用という持論は撤回しなかった。
本日午後放送された読売テレビの「ミヤネ屋」で、橋下氏の問題はこの謝罪で終わりというようなコメントを出していたが、私に言わせれば、橋下氏の日和見・へたれの現れであり、スジ違いの謝罪であり、よりみっともない問題発言でしかない。
橋下氏の謝罪は、大量の民間人殺戮を今なお続けていながら、人権の普遍的価値を声高に叫ぶような米国支配層の建前論的言動に媚びるものでしかない。
橋下氏が謝罪をしなければならない問題点は、国際感覚の欠如ではなく、何よりも、大阪市長や維新の会共同代表でありながら、公然とポン引きもどきの発言を行ったことである。
橋下氏が謝罪をしなければならない相手は、誰よりもどこよりも、大阪市民であり、日本国民である。(今日の橋下発言自身は、誰に対する謝罪か明瞭でない。国際感覚の欠如で大阪市民や日本国民に謝罪したとも説明できる)
米国人向けに行った発言が問題だったとするロジックを少し敷衍すれば、大阪市長&野党第2党「維新の会」共同代表の身でありながら、ポン引きもどきの発言をしたことが、いちばんの“日本感覚の欠如”であり“最大の問題”であることがすぐにわかるはずである。
日本人の多くも、ごく親しい仲間では下ネタの話をするとしても、ビジネスの場や会議の場ではしない。
そして、「米国では風俗と聞くと、すぐ売買春と思いつく。大きな誤解を生んだ」と橋下氏は語ったが、“日本のおとな”だって、風俗が売買春の温床になっていたりそのような下心に支えられたりしていることを知っている。
だから、風俗と聞くと、日本でも、即決か長期戦かは別として、お金が絡んだセックスが連想されがちなのである。
(自身を省みてのものかもしれないが、男の性(サガ)に詳しい橋下氏であれば、合法的サービスの範囲内ではなかなか収まらないのがスケベな男だということもわかっているだろう)
何より、合法的風俗であるソープランドが、“国策暗黙売春施設”であることは多くの人が知っている。それも、“暗黙”だからこそ、とりあえず“許容”されているのである。
癒しを求める目的の合法的風俗を含め、密やかな存在だからこそ、私もだが、下半身がだらしない男の施設として認められるのである。
誰が相手であれ、公然と風俗の活用を進めた橋下氏は、法規制のなかぎりぎりで歌舞伎町の路上で客引きする男と変わらない言動を公然と行ったという認識をもたなければならない。
(米軍司令官への進言は、暴露をしたことで公然となったが、進言時は公然ではない)
デーブ・スペクター氏の指南を受けて、米国の建前論にひれ伏した橋下氏は、謝罪の根拠となった理由で大阪市民や日本国民にきちんと謝罪しなければならない。
橋下発言という火に油を注ぐ気はないが、橋下氏が米国の文化に対する無理解を口にして謝罪したので持ち出す。
米軍には、「第二次世界大戦当時」でなく、現在も進行形で深刻な“性的問題”が存在している。
それが大きな国際問題となっていないのは、日本軍の従軍慰安婦問題のように、そのような職種として女性を採用しているわけではないからである。
何を指しているのかと言えば、米軍内とりわけ戦闘地域駐留部隊における女性兵士の増大とレイプ事件の増加である。
(イラクでは戦争請負会社に雇用された女性も、隔離もされない住環境のなかで集団レイプの被害を受けるという痛ましい事件もあり、裁判で損害賠償請求が認められた)
末尾に転載する記事によれば(最近のABCニュースでも報じられていた)、イラク及びアフガニスタンに派遣された女性兵士の33.5%が米軍内でレイプされ、63.8%が性的いやがらせを受けているという調査結果があるという。このような問題があることは国防総省も認め、軍内での性的暴力は2010年だけで、男性の被害も含め推計1万9000件にのぼるとされる。
イラクやアフガニスタンには延べ28万人の女性兵士が派遣されているので、33.5%であれば、9万4千人ほどがレイプされていることになる。
余計なお節介になるが、問題なっているのはあくまでもレイプであり、合意の上での性交渉は、レイプ以上の数で行われているはずだ。
えぐい言い方をさせてもらえば、米軍は、男女同権という建前論の裏側で、兵士の性的欲求から起きてしまう問題を少しでも軽減する仕組みとして、不穏当な表現で申し訳ないが「軍内慰安婦」制度を作り上げてきたと思っている。
嫌みな言い方をすれば、米軍の幹部などは、過酷な駐留部隊なのだから、レイプという無理強いのかたちではなく、相互合意のうえプレイ感覚で楽しんで欲しいと思っているかもしれない。
何をバカなと思う人もいるだろうが、米国など“先進”欧米諸国の支配層は、橋下氏のようにあからさまに本音を語らない一方で、人権を持ち出す建前とは違い日本の左派のようなお人好しではない。
愚かな橋下氏と違い、米国などの支配層は絶対に口には出さないが、戦闘地域になっている外国の駐留部隊に女性を混ぜ込んでいる背景に、「軍内慰安婦」的機能への期待があると疑っている。
(車のレンタル代より女を買ったほうが安いと口にした沖縄の司令官は解任された)
“男女同権”論を建前に進められてきた米軍の女性リクルート強化の動きには、“現地私的売春施設”の活用が難しいイスラム圏での駐留増加に伴う“性的問題”を少しでも緩和したい目的があると思っている。
イラクやアフガニスタンでは、ベトナムや韓国そして日本と違い、人目に付くかたちで米軍兵士相手の売春施設があれば、いの一番で攻撃目標となる。
少し前に、空軍の性的暴行予防チームの責任者(将校)が性的暴行で告発されたが、今度は、陸軍フォートフッド基地(09年11月ムスリムの少佐による銃乱射事件が発生)で性的暴行予防プログラムの調整役である曹長が、性的暴行や売春を唆した疑いで告発されたという。
それらを受けて、国防総省は、軍の性的暴行予防プログラムに従事している人たちの適格性を再確認すると言っているが、そのような処置で解消されるような問題ではない。
歴代の国防長官が、数十年にわたり、状況を改善すると口先で言いながら、一向に改善されていないのが米軍内レイプ事件なのである。
何が言いたいかと言えば、支配層がレイプを本気で減らすつもりなら、心がすさみがちな戦闘地域の駐留部隊には女性兵士を派遣しないという選択をすべきであり、男女同権の建前からどうしても派遣しなければならないというのなら、男女が厳重に隔離された居住空間を持つ施設を構築し維持しなければならない。そうでなければ、橋下氏の説明でわかるように、部隊内にいる女性の“安全”を保護することは難しい。
多くのレイプ事件はシャーワー室など隔離された“やりやすい”場所で起きているから、男女の居住空間を強制力も使ってきちんと隔離すれば防げるはずなのだが、数十年たってもまったく改善されていない。
米軍内のレイプ問題は米国国民自身が問題視し解決すべきことだと思っているが、それをわざわざ取り上げたのは、従軍慰安婦問題を引き起こした日本が、とくにおぞましい国家ではないことを理解する一助にしてもらいたかったからである。
だからこそ、日本政府は、女衒が勝手に行ったたぶらかしを含め、“国策”であった従軍慰安所にまつわる汚点を潔く謝罪し、補償も別枠で行ってもらいたい。
戦後生まれが大半を占めている日本で、従軍慰安婦問題がかくまで大きな話題になる状況は不幸の極まりである。
※ 関連投稿
「絶好のタイミングで歴史認識問題を引き受けた橋下“挺身隊”隊長:安倍自民党別働隊の面目躍如」
http://www.asyura2.com/13/senkyo147/msg/656.html
「今日の橋下氏の主張は小利口な子どもやジコチュウのもの:「従軍慰安所」は「原発」と同じで“国策民営”施設」
http://www.asyura2.com/13/senkyo147/msg/706.html
==========================================================================================================================
駐留部隊:米女性兵士の3割、軍内部でレイプ被害
毎日新聞 2013年03月19日 02時30分
米英軍主導の侵攻から20日で10年を迎えるイラクや国際部隊の駐留が続くアフガニスタンに派遣された米女性兵士延べ28万人の3割以上が、上官らから性的な暴行を受けていたことが分かり、米国内で「見えない戦争」と問題視されている。連邦上院の軍事委員会で13日、「軍内性的トラウマ(MST)」と呼ばれる心的ストレスに関する公聴会が初めて開かれた。新たな被害を恐れ沈黙を余儀なくされてきた被害者は「風穴が開いた」と歓迎している。
カリフォルニア州図書館調査局が昨年9月に発表した実態調査によると、イラクとアフガニスタンに派遣された女性兵士の33.5%が米軍内でレイプされ、63.8%が性的いやがらせを受けたと回答した。国防総省も問題を認めている。軍内での性的暴力は2010年だけで、男性の被害も含め推計1万9000件にのぼる。
上院公聴会で議長を務めたバーバラ・ボクサー議員は「被害申告が出ているのは17%にすぎない」と指摘。「この問題の公聴会を開くのに10年もかかった。変革の第一歩だ」と意義を強調した。
イラク戦争中の03年にクウェートに派遣された前後に米国内基地で上官から性的暴力を受けたコーリン・ブッシュネルさん(39)は、公聴会をインターネットの生中継で見ながら「草の根運動で長年取り組んできたことがようやく公に明るみに出た」と興奮した。証言する予定だったが心的外傷後ストレス障害(PTSD)のため断念。議長の言葉に救われた思いがした。
クウェート派遣前に男性上官からレイプされ、帰還後に女性上官から性的暴力を受けた。「上官を訴えても自分を助けてくれる人がいると思えなかった」。精神的なバランスを崩し、06年に退役。2人の子供がいる家には帰れず、5年近くホームレス生活を続けた。「自分が恥ずかしく、行く場所がなかった」
05年のイラク派遣中に変死した女性米兵ラベナ・ジョンソンさんの両親が、自殺と断定した軍に「殺害された」と異議を唱えていることを知った。ジョンソンさんの遺体には、殴られ、レイプされたと見られる痕が残っていた。下士官時代のつらい記憶と重なり「彼女の無念を伝えるのが使命」と感じた。昨年夏から3カ月、全米12州の退役軍人組織を巡る行脚に出た。
退役軍人庁の11年の統計によると、ホームレスの女性退役軍人のうち39%が軍内性暴力の被害者だ。市民団体「女性兵士行動ネットワーク」によると、10年に退役軍人庁のPTSD認定基準が緩和されたが、MSTは申請の32%しか認められていない。全体平均は53%だ。
米国防総省は1月、直接戦闘地域への女性派遣を禁ずる規定の撤廃を発表した。ブッシュネルさんは女性の戦闘任務参加を歓迎しつつ、「今ですら性暴力の告発は難しい。最前線で公正な判断ができるのだろうか」と不安を語った。【ロサンゼルス堀山明子】
http://mainichi.jp/select/news/20130319k0000m030127000c.html
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
▲このページのTOPへ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK147掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。