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2013年5月15日 神州の泉
飯島勲内閣参与官が突然訪朝した。小泉政権時代、彼が官邸主導政治を牽引した重要メンバーの一人だったことはよく知られている。彼は広報対策の中心にいて、竹中平蔵氏などが行った郵政民営化やその他の売国構造改革を内側から支えた人物であった。
日本の混合資本主義体制(=民間が市場で資源配分を決める市場経済に、政府が調整をはかる計画経済の考え方をいれて行う経済のしくみ)を、完全な新自由主義思想で塗り替え、国民生活を中流からどん底に落とした、いわくつきの小泉・竹中路線を陰で支えた第一級の人物が飯島勲氏であった。
官邸主導政治と言えば聞こえはよいが、小泉純一郎主導の官邸主導は典型的な上意下達システムであり、ほぼ独裁政治に近いものであった。小林興起議員はこのシステムを『裏切りのシステム』と言って、日本国政の深刻な病根と考えている。
飯島勲氏は政府広報の中心にいたが、仕事の内実は実質的な諜報活動であり、小泉政権の邪魔者になる有識者たちを第一線から引き落とす作業も担っていたと思われる。相次いで起きた国策捜査にこの人物がかかわっていたのかどうかは断言できないが、少なくとも諜報的な立場にあったとすればその可能性は否定できない。
小泉純一郎氏の第一次訪朝をお膳立てしたのは、当時の田中均アジア大洋州局長と言われているが、これは人気が凋落した小泉首相の支持率を再び上げるための劇場型サプライズ外交の面があった。
この訪朝サプライズを最初に設計したのが飯島勲氏ではなかっただろうか。
TPPが疑問視され、憲法改正を拙速ではないのかという世論が起きつつある今、飛ぶ鳥を落とす勢いのアベノミクス祭りは、一抹の不安な翳りを帯びてきている。
参院選を前に、じわりと出てきた人気の陰りを挽回するために、第二の北朝鮮サプライズが演出されるのであろうか。北朝鮮に援助という申し出をすれば、かの国が、また拉致被害者を解放する可能性はあるかもしれない。
飯島勲氏の電撃訪朝をそのような目で見ている人は案外多いのかも知れない。あるいは、すべてがアメリカの筋書きで、北朝鮮のミサイル恫喝を安倍首相の力量で完全に抑え込んだという方向に持って行くのか。いずれにしても、自民党の参院選勝利を睨んだ行動ではないだろうか。
飯島氏について書いた過去記事
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