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今日、中央日報日本語版に掲載された安倍首相を「評価する」(括弧つきね)記事を転載する。
朝鮮日報、連合ニュース、中央日報、ハンギョレと、今、韓国主要紙の記事が日本語で読めるようになっている。各紙とも安倍首相の歴史認識には非常に厳しい見方なのはもちろんだが、一方で、アベノミクスを前面に押し立てて「日本の復活」を強引に推し進める姿勢には、畏怖に近い感情を抱いているかのように見える。
日本人から見ると、ちょっと「過大評価じゃない」(笑)と言いたくなるような思い込みもあるが、「歴史認識で攻勢に出ても、経済で負けちゃしょうがない」という、彼らの無力感というか、本音の部分も見えて、興味深い。例えば以下の部分。
「過去の歴史に触れて日本人の罪の意識を刺激すれば倫理的には正しいが、失われた20年に東北大地震までと、憂鬱な日本の精神状態には役に立たないと判断したようだ。国際社会でちょっと悪口を叩かれてもより良い市場を攻略すればそれだけのことだとの現実主義的態度が含まれている。」
「かさに掛かって攻めているように見えるだけで、実は取れていないし、逆にやられているじゃん」という、記者のちょっと自虐的な本音が透けて見える言葉だろう。G7も思惑通り彼らの思惑通りの結果にははらなかったことだし、彼らも「歴史カード」がそれほど有効な国益追求手段ではないことに、気づきかけている気配がある。
強気と弱気が連日のように交替、錯綜する韓国系新聞の日本語版を読むと、現政権に対する、別の角度からの客観性が得られると思いますね。
で爺
以下、全文
コラム】安倍首相の本当の関心事とは
2013年05月14日15時34分
[ⓒ 中央SUNDAY/中央日報日本語版] comment38 hatena0 .
今、日本の安倍晋三首相の夫人が韓国語を学ぶ韓流ファンだというニュースに接して素直に韓日関係が良くなると考える人もいる。安倍首相は韓流の代わりに日流という単語を使うなど徹底的に自国利益を中心に行動する人物だ。彼が伊藤博文と明成(ミョンソン)皇后殺害事件(閔妃事件)の背後者ともいわれる井上馨の故郷であり征韓論の発祥の地である山口県で生まれたという事実はあまり知らされなかった。
安倍首相の家系や成長過程はやはり私たちが見るに怪しい。彼の母方の祖父は1級戦犯であり自民党創立メンバーの1人である岸信介で、母の実家は明治天皇のひ孫である寛仁親王と親戚関係だ。天皇家と親戚という点は安倍一族にとって大きな名誉で、国家のために献身(?)して戦犯として服役した母方の祖父の名誉も回復したかっただろう。
安倍首相の家は、祖父・大伯父・父・弟が皆成功した政治家で、妻は実家・姻戚まで全て政財界の核心を占める。39歳に政治に入門して以来、脱税疑惑や反対陣営に立った長崎市長を殺害した山口出身暴力団員との関係スキャンダルなどを経験した“政治9段”が安倍首相だ。靖国神社参拝、慰安婦妄言、天皇のための万歳三唱など一連の行動には、特別なものではない、小さな捨て石で大石(大きな利益)を得るという緻密な計算が隠れているようだ。
実際、安倍首相の関心事は、日本にとってそれほど魅力的な市場でない韓国や中国ではない。ジョージ・フリードマンは『100年予測(The Next 100Years)』で日本の再跳躍とトルコの浮上を予想した。トルコの原子力発電所の受注を自慢する会見の場での安倍首相の顔には未来に向かう意志と自信がにじみ出ていた。途方もない文化遺産や人的潜在力を持っているインドもやはり安倍首相の花見の場だ。ムンバイを基点とする高速鉄道などインドの基幹産業と未来の巨大市場に総力を挙げている彼の選択は卓越している。アフリカでも日本は中国と共に途方もない物量の借款で資源とインフラを先行獲得している。
このような時に天皇を中心に国民を一致団結させようという戦略は、フリードマンも認めた“安定的内政”という日本の長所を十分活用しようとするうまい布石だ。天皇は単純な政治指導者ではなく古事記が記録して以来日本を一つの共同体にしばってきた宗教的象徴だと、これまでの政治指導者が仕えているだけに支持率も高まった。過去の歴史に触れて日本人の罪の意識を刺激すれば倫理的には正しいが、失われた20年に東北大地震までと、憂鬱な日本の精神状態には役に立たないと判断したようだ。国際社会でちょっと悪口を叩かれてもより良い市場を攻略すればそれだけのことだとの現実主義的態度が含まれている。
地震と津波を体験した日本人の絶望を一度想像してみよう。底を味わった人々の切歯扼腕は恐ろしい。日本は途方もない災難を体験しても団結して再び起き上がる国だ。指導者がはっきりと目標を設定すれば、侍のような盲目的な“忠”精神に向かう。本当に恐れなければならないのは、彼らのあきれた歴史認識ではなく、韓国の私たちが気を抜いて身内争いでもしている間に外でアフリカやアジアを縦横無尽に練り歩き、中では新しい技術を絶えず開発していく日本人たちのチャレンジ精神と勤勉誠実性ということだ。(中央SUNDAY第322号)
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