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2013年05月14日 世相を斬る あいば達也
筆者も想像してなかった、アホノミクスの激烈な副作用が出てきた。市中金利が、5月に続き、6月も上がると云う怪現象が起きている。マネタリストの浜田宏一や竹中平蔵は、異次元の金融緩和で、市中金利を限りなく下げて、経済活動を活性化し、経済浮揚に結びつけると云う理屈ではなかったのか。朝日は以下のように報じている。円安だ!株高だ!とマスメディアがアホノミクスを喧伝し続ける、その直ぐ横道で、借金地獄が始まろうとしている。
≪ 長期金利急騰3カ月ぶり0・8%台 日銀の思惑とは逆に
【長崎潤一郎、湯地正裕】13日の東京金融市場では、円安・株高が進む一方で、長期金利が急上昇し、一時年0・800%と約3カ月ぶりの高水準となった。日本銀行は過去最大の金融緩和で金利を引き下げ、お金を借りやすくして経済を活性化しようとしている。しかし思惑とは逆に金利は上昇しており、景気を冷やすおそれがある。
長期金利の指標になる満期10年の国債の流通利回りは一時、前週末の終値より0・110%幅高い0・800%と、2月6日以来約3カ月ぶりの水準まで上昇(価格は値下がり)した。13日の終値では、同0・1%幅高い0・790%だった。長期金利が、1日で0・1%幅で上下するのは異例の大きさだ。
そもそも、日銀は4月4日に打ち出した大規模な金融緩和を通じ、金利をさらに下げ、銀行から個人や企業への貸し 出しが増えることを狙っていた。
ところが、日銀の緩和発表前は0・5%程度だった長期金利は、乱高下をしたあと、上昇傾向を強めている。13日に0・8%まで上がったことで、すでに0・3%幅上がった計算だ。このままだと、大手銀行が、「住宅ローン金利」や「企業向けの貸出金利」を5月に続き、6月にも引き上げるのは必至だ。
13日に長期金利が急上昇(国債価格は下落)したのは、「値上がりが見込める株式市場へ資金を回すため、国債を売る動きが強まった」(大手銀行)ためだという。市場では、金融機関が国債を売る動きを強めているとの観測も出て、売り注文がさらに広がった。
一方、株価は13日は上昇した。日経平均株価の終値は前週末より174円67銭(1・ 20%)高い1万4782円21銭で、2007年12月28日以来約5年4カ月ぶりに1万4700円を上回った。
13日の外国為替市場では、早朝のシドニー市場で一時、2008年10月以来4年7カ月ぶりとなる1ドル=102円15銭まで下げた。午後5時時点は、前週末の同時刻より26銭円安ドル高の1ドル=101円62〜63銭。≫ (朝日新聞デジタル)
このような珍現象は、朝日新聞も言及しているように、株式市場が好調過ぎるからだが、長期国債の不人気が黒田日銀発言以降、続いていた土壌も加味した方がいい。野田民主の11月中旬辺りでは8,500円前後をウロチョロしていた日経平均が、昨日の段階で14,782円と7割以上値上がりしているのだから、安定投資である国債の保有割合を、株式に振り向けている事実は、納得がいく。そもそも、企業が積極設備投資に向かうことは懐疑的だった。仮に、設備投資の可能性があっても、それは活性化している企業の話で、尚且つ彼らには、内部留保と云う財布が残っているので、有利な借り入れであっても、特に必要でもなかった。
この株高の金利上昇と云う珍現象は、株バブルに踊る人々と何ら関係のない、変動金利で住宅ローンなどを組んでいた人々や借金経営の中小零細企業を直撃するだろう。銀行など金融機関に対し、資金繰りに苦しむ中小企業の返済猶予に応じるよう求めた時限立法・中小企業金融円滑化法(モラトリアム法)が、この3月に期間を終了しているのだから、泣きっ面に蜂である。このモラトリアム法は、個人向け住宅ローンの返済猶予も対象としていた。景気悪化に伴う賃下げや失業、病気などの理由で返済に窮する債務者に対して、元金返済はひとまず置いておいて、利息分だけを支払えばいいという救済措置である。その 返済猶予額は約3兆6000億円に上る。
つまり、元金の返済猶予を得て、一息ついていた庶民が、督促の嵐に見舞われ、トンデモナイ借金地獄に出遭う危険が、更に増大されることになる。かなり重大な社会問題となる可能性があるだろう。仕事があるのに、借金の元金返済で苦慮する。まして、その金利が、特異な現象のトバッチリを受けて1%程度上がるとなっては、対処のしようがなくなるだろう。最近では、株への投資が、宝くじ等々を買うよりも、キャピタルゲインが大きい、と云うことで1割近く宝くじの売り上げが落ちているそうである。
最も怖ろしいのは、10年物国債の価格の下落は、借入金利が上がるわけだから、国家財政に重大な影響を及ぼす。つまり、円安、株高演出のアホノミクスが、日本国債への信認を貶め、最終的に、予算の中から国債の利払いをするわけだから、予算の歳出に占める国債の利払いが増加し、プライマリーバランスを著しく崩す危険が出てきている。要するに、ファンダメンタル上あり得ない経過を通じて、日本国債の信認が薄れ、最悪、あり得ない筈の日本国債のデフォルトと云う事態を招くかもしれない。
現在の株バブルが顕著になる以前から、国債の入札状況が芳しくなくなっていた。銀行が長期の国債を売って、短期の国債にチェンジする動きが強かった。機関投資家である生保や損保も、日本国債よりも、外国債(米国債)か株式へとシフトしていた。企業年金も外国債投資を増やしている。理由は、外債(米国債)の方が利回りが良いからだが、今後は株式への比率を引き上げるとなれば、長期国債の価格は下がり続け、金利は上がり続ける。勿論、日本の長期国債が利回り1.5%レベルになれば、長期国債を買う動きも出てくるが、今度は国家予算が成り立たなくなる。
最近の国債市場は、値幅制限を超える価格の乱高下が噴出、俗にいうサーキット・ブレーカーが何度となく発動されている。こんな調子だと、日銀しか日本国債を買う人間がいなくなり、財政ファイナンスだ!為替操作だ!と世界から指弾を受け、国債格付けを二段階下げられ、急峻な金利上昇を招き、ハイパーインフレの危機まで想定の範囲になってきた。円安だ〜、企業業績回復だ〜、PERなど気にせず、期待値で買い捲る株高現象。素人から見れば、円安・株高が、絶対神のように見えるのだろ。その結果、アホノミクスの政策がグットジョブ!と歓ぶのだから、おめでたい限りである。
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