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2013-05-13 陽光堂主人の読書日記
福島第一原発事故は、全く収束の目処が立っていません。汚染水の漏洩・保管問題は言うに及ばず、肝心の格納容器内の燃料棒がどうなっているのか、それすら分からない状態です。
政府や電力会社はこれまで安全神話を垂れ流し、原発がなければ電力が不足すると説明して来ましたが、全くの偽りであることが明らかとなりました。原発は極めて脆弱であり、危ない原発を稼働させなくとも電力は充分足りていることがこの2年間で証明されました。
各電力会社は、昨年まで夏の需給逼迫を見越して数値目標を掲げてきましたが、今年から止めてしまいました。原発を動かさなくとも充分に足りていることが誰の目にも明らかとなったので、これ以上やっても無意味だと判断したのです。さすがにわざとらしくてできないのです。
こうなった以上、脱原発を本格的に進める以外にないのですが、安倍政権はあろうことか原発の輸出を大々的に推し進めています。先日も安倍はアラブ首長国連邦(UAE)、トルコを訪れ、原子力協定を結んで原発輸出で合意しています。
これらは「パッケージ型輸出」と呼ばれるもので、原発の設計・建設から運転・メンテナンスまで一括して受注する形を採っています。場合によっては原発で起こした電気を使って鉄道を走らせたり、都市開発もパッケージにして売り込むそうで、商魂逞しいと言わざるを得ません。
商売熱心でも良い製品やサービスを販売するのなら構いませんが、原発はどう見てもこれに当て嵌まりません。特に我国は酷い事故を起こしたばかりで、その拙劣な対応は各国の非難を招きました。通常なら商売にならないはずで、裏金でも渡っているのかと疑わしくなります。
「日本は地震国だから原発建設には不向きで、地震の少ない所に売り込む分には大丈夫」という説明もありますが、今回合意したトルコは我国同様の地震国ですから、剣呑なことこの上ありません。仮に苛烈事故が起きて大きな被害を出したら、トルコは言うに及ばず、世界中から糾弾され、莫大な損害賠償を請求されかねません。
福島原発周辺の住民に対する補償さえ満足にできていませんから、他国の損害賠償に応じられるとはとても思えません。結局、地元の国民が泣き寝入りすることになるでしょう。
トルコやUAEなどは、何故原発を建設するのでしょうか? UAEに至っては原油がたくさん出るはずです。原油の生産に限りがあることはもちろんですが、その理由はやはり核開発にあります。我国政府が原発推進方針を撤回しない真の理由も、ここにあります。
日本に限らずどこの国でも、原発事故による被災より、核を持たないことによる不利益の方が大きいと見ているのです。もちろんこれは支配者たちの理屈で、一般国民には迷惑な話です。
しかし、こんな悪魔的な所業に何故日本が率先して手を貸すのでしょうか? 原発事業に手を染めている国は数多ありますが、我国は取り分け熱心に輸出しようとしています。その理由は、米国の思惑にあります。
ジャーナリストの山田厚史氏は、9日付の「Diamond Online」でこの問題を追求しています。この記事の核心部分を以下引用します。
(http://diamond.jp/articles/-/35633?page=4)
安倍政権の原発輸出 原子力外交で復活するムラ
(前略)
イスラム国家に核技術が流れることを米国は警戒している。放置すればロシアや中国が核技術を提供しかねない。そこで日本に出番が回ってきた。日立・東芝・三菱はGEやWHの現場監督のような役回りである。日本勢は米主導の核管理体制の中でビジネスをしているのが現状だ。
核技術や核物質の監督はIAEA(国際原子力機関)の仕事だが、国家が意図的に隠そうとすれば完璧な調査はままならない。日本勢が建設から運転までを担えば情報管理はやりやすい。
日本が成長戦略として原発輸出に励む背後には、米国が望む核不拡散=世界核支配体制の堅持という大きな絵があるということだ。
(後略)
安倍政権は、米国に指示されて原発建設の現場監督を務めることになったのです。米国としては、従順な日本に管理させれば安心できますし、万が一事故などの不手際があった際には、日本に責任を押し付ければ自国の企業に損害を負わせずに済みます。完璧なリスク管理です。
原発輸入国も、背後に米国が控えていれば受け入れざるを得ません。日本の原発メーカーは、米国の虎の威を借りて商売をしているわけです。
安倍政権のやっていることは徹底した従米政策で、背後には常に米国が存在します。歴史認識問題も構造は同じですが、これは別の機会に改めて採り上げます。何とも情けない次第で、他国の支配に身を任せきっていたら、何時まで経ってもまともな国になることはできません。
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