http://www.asyura2.com/13/senkyo147/msg/528.html
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米国議会調査部の日米関係リポートを巡って、大仰な主張が飛び交っている。典型的な例が、「元外交官」(笑)天木某のはしゃぎぶりだ。「前代未聞」であるとか「内閣は総辞職もの」であるとか、耳を疑うような暴論を矢継ぎ早に口走っているが、この人、本当にCRSがどういう機関であるか、理解してしゃべっているのだろうか?
Congressional Research Service は、議会の付属機関で、上下院議員の参考にふすために、様々なテーマに関して調査報告書を作成している。簡潔にそのテーマの勘所をまとめてくれているので、重宝することは確かだ。その意味で、米国の議員が利用することもあるだろう。私も、ネットで何か調べるときに、たまたま行き当たって、利用させてもらうことも多い。しかし、まあ、その程度のものなのである。
リポート原文を読まれれば、ご理解いただけると思うが、内容のほとんどはプレスの報道や、ネットでも簡単に手に入るよう報告書引用で、独自調査のようなものはほとんどない。いわば、主要な論点をまとめた議員向けのアンチョコ(これって死語?)に過ぎないのである。問題になった5月1日発表の「日米関係」リポートにしろ、その殆どが、日本、韓国、アメリカの新聞記事、論説からのつぎはぎなのである。例えば、「閣僚の靖国参拝後にアメリカ政府筋が非公式に日本政府の真意を正した」という、米国政府が直接かかわった(はずの)内容さえ、日本の報道の引用なのだから、このリポートがどういうソースによって書かれているかは一目瞭然である。
最も問題視されている、天木某が「前代未聞」(笑)とい呼ぶ「日本が米国の国益を害す懸念」という表現だが、これはCRSの「日米関係リポート」が今回、初めて使った表現ではない。「日米関係」リポートはほぼ3ヶ月に出ているようだが、前回2月15日付けのものにも全く同じ表現が、冒頭のSummary の部分で使われている。以下引用。
Past comments and actions on controversial historical issues by Prime Minister Abe and his cabinet have raised concern that Tokyo could upset regional relations in ways that hurt U.S. interests.
Abe is known as a strong nationalist, and he is now under pressure on the right from a newly formed party touting its own hawkish views on national security. Abe’s approach to issues like the so-called “comfort women” sex slaves from the World War II era, history textbooks, visits to the Yasukuni Shrine that honors Japan’s war dead, and statements on a territorial dispute with South Korea will be closely monitored by Japan’s neighbors as well as the United States.
http://www.fas.org/sgp/crs/row/RL33436.pdf
(CRS Japan-US Relationships 2月15日版)
PASTが除かれている以外、5月1日と全く同じ文章である。(リポートを読み比べてもらうと分かるが、2月15日と5月15日のリポートは、新しい事実関係を加えた部分以外は、重複する箇所も多い)要するに、安部政権の発足当初からあった首相の歴史認識に対する「懸念」が、5月1日のリポートでも繰り返されたに過ぎないのである。安部政権の閣僚による靖国参拝や、歴史認識を巡る首相の曖昧な言動が、米調査報告のトーンを変えたというわけでは全くない。そうすると、仮に、天木某の言うように「米国の国益を害する懸念」と書かれたことが、「内閣総辞職」に値するのならば、安部内閣は、発足早々に総辞職すべきだったということになるではないか(笑)
また、先にも述べたように、CRSのリポートは、基本的に、新聞などのメディアに公表されたニュース、見解の「まとめ」なのだから、米国の大新聞が安部氏の歴史認識に対して批判的ならば、リポートがそのトーンになっても全然、不思議はない。つまり、ここで言われている安部政権への「Concerns」とは、主にメディアを通じて示された、安部政権に対する「懸念」を集約しているに過ぎないのである。情報の取捨選択に、リポート執筆者のバイアスは入っているだろうが、米議会や政府の意志がそこに示されているわけでは、全くないのである。
歴史問題に関して安部首相は、不用意な発言をすべきではないだろう。今は、景気回復、安全保障問題、憲法改正など喫緊の優先課題に集中すべき時だ。「河野談話」や「侵略を巡る歴史論争」などは、現在、日本が直面する危機と比べれば、瑣末な問題にすぎず、プライオリティを間違えていると思う。その意味で、安部首相は発言のうかつさを批判されてしかるべきだろう。しかし、タカダカ、米議会の調査報告書に書かれたくらいで、これほど騒ぎたてるのは「愚劣」を通りこして、「売国的」(笑)ですらある。特に、元外交官の肩書きで飯を食っているこの人物のハシャギようが、度か過ぎているので、釘をさしておく。
で爺
以下 CRS Japan-US relations May 1 2013
http://www.fas.org/sgp/crs/row/RL33436.pdf
それから産経の記事ね、
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130511/plc13051100070000-n1.htm
記入日時: 2013/5/11 16:54:22
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- Re: 天地某はちょっと目に余る・・・ありゃ、天木ね、訂正、それから産経記事ね で爺 2013/5/11 17:06:39
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