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2013年5月11日 神州の泉
進化の系統樹(けいとうじゅ)という表現がある。
これは生物が進化してきた道程を示すもので、チャールズ・ダーウィンの『種の起源』の考え方が出る以前、生物学者は、生物については似通った種を集めていろいろな方法で分類した。
しかし、これだけだと種の分類群が互いにどういう関係にあるか分らないので、系統だってその関係性を表す必要を感じた。それを幹から枝分かれした一本の木の総体図で示したのが進化の系統樹(phylogenetic tree)である。(左はそのイメージ)
いかにも物々しい学術用語のように聞こえるが、例えば人類の「ミッシング・リンク」などを見ても感じるが、人や生物の進化はけっしてアナログかつ線形(リニア)な過程をたどっておらず、そのような変化があったとすれば、それは突如非連続的に起きている。
何らかのきっかけで、ある日突然に変異を起こすか、あるいは外宇宙から似たようなシードが飛来して地球の生物になったのではないかと思っている。学者ではないので、そのようなことを言っても詮無いことだが、進化の系統樹という概念自体は社会学的には有用である。
ここでマイナンバー制度の話に移る。政府は5月9日にマイナンバー法案を閣議決定したが、それは年金、保険などの行政事務で、個人識別番号を含む個人情報の利用を可能にするために、全員(個人と法人)に個人番号を割り当てる制度である。共通番号とも呼ばれる。
表向きは情報提供ネットワークシステムを通じて行政機関内でやりとりされる。野党時代の自公両党が、消費税増税に伴う低所得者対策として「給付付き税額控除」を実施するために個人の共通番号が必要だと喧伝されたが、昨年11月下旬の衆院解散で廃案になった。
政府やマスコミは、この共通番号制度のメリットを行政機関の業務処理が迅速化し、間違いが少なくなることなどを挙げている。特に年金、保険料、所得税などの一元管理は事務処理の効率化を格段に高めると。
デメリットは、渡航歴、病歴、結婚・離婚歴、賞罰関係、犯罪歴など、個人情報の一括漏えいという問題がある。夫婦の閨房(けいぼう)をテレビ中継するようなものである。プライバシーの全的暴露となる。
ここで、冒頭になぜ「進化の系統樹」という話を持ってきたのか、もうお分かりになったことと思う。この共通番号制度が施行されたとき、個人情報が漏れてしまうと、その個人に関するほぼすべての情報が一本の木の幹からすべての枝枝まで露わになってしまうのである。
その状態は、現在過去にわたる個人の付帯情報に関する「進化の系統樹」、いわゆるその個人の全体像が時系列的に俯瞰されることを意味する。これがネットに拡散した場合のことを考えてみるといい。一旦ネットに放たれた個人情報は、女性のヌード写真やセックス動画のように回収不能となり、常にどこかで誰かがその情報を延々と閲覧できる状態になる。
読者さんの耳目を惹きつけるために、いきなり冒頭で「進化の系統樹」なる仰々しい説明をしてしまったが、何のことはない。別の言い方では、個人情報の「芋づる式露見」である。人間は誰しも歴史的な時間を歩む中で様々なできごとに遭い、様々な行動をし、それらの体験が枝のように張り巡らされ、集積して現在のその人物をかたどっている。
共通番号とは、昔の国民総背番号制であり、個人情報の全体像を調査できるパスワードである。これがネットに漏洩した場合は、拡散方向だけであり、可逆的な回収は不可能になる。浮気がばれて離婚したとか、出来心で万引きをしたとか、会社の金をくすねて首になっているとか、人には程度の差こそあれ様々な負の経験則が付帯していて、そういう経験から生き方を磨いた人だって数多くいる。
そういうことを不特定多数の人間が閲覧できることによって知られたくないことを掘り起こしても大きなマイナスになる。だから漏洩のリスクは個人や社会に絶大な損害を与え、倫理道徳の崩壊に繋がる。視点を権力側に移せば、これほど都合の良い言論統制はない。個人の弱みを把握することによって、反政府の動きを制圧する思想統制ツールとなる。
権力が、国民すべての全的個人情報を掌握する事態が何であるか考えるべきである。これは政治にものが言えなくなるディストピアを現出させ、共同幻想の域を超える絶大な権力肥大を招く。警察国家への布陣である。
このマイナンバー制度は、CSIS等、米国から出張している対日戦略家たちが、自国の愛国者法とそっくりな言論弾圧体制に日本を導くための一里塚なのである。凄まじい日本売りに奔走する安倍政権は、TPPとセットにしてこの邪悪なマイナンバー制度を出してきたのである。
何度も言っているが、安倍政権はレームダックの野田政権では為し得なくなっていた法案成立や条約批准をするためにCSISが生み出した。安倍晋三氏はCSISとその密約を交わして日本国の総理大臣になっている。だから、この政権がやることは、ことごとく国民に対する敵性政策なのである。
とにかく今夏参院選では安倍自民党を否定することが大事だ。そのためには玉砕してでも対米自立を貫く政党の出現が望まれる。亀井静香氏のような肝の据わった議員さんたちが立ち上がり、目を開いた国民は命懸けで彼らを応援する道がある。TPPと言論統制ががっちりと作られてしまったら完全にアウトである。
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