http://www.asyura2.com/13/senkyo147/msg/440.html
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安倍自民党政権応援団の一翼を担う読売新聞−日本テレビグループの読売テレビ「情報ライブ ミヤネ屋」が、昨日(8日)午後の放送で、韓国朴大統領に対する接遇と比較しながら、2月に訪米した安倍首相が、「従軍慰安婦」問題に関する言動を理由にオバマ大統領から冷遇されたという事実を披瀝した。
そうは言っても、“危険回避”の手法なのか、安倍首相冷遇問題は、9.11関連中継で名を馳せた元NHKワシントン支局長手嶋 龍一氏の解説というかたちをとり、宮根氏の軽妙な応答で、視聴者が事態を深刻に受け止めないよう気を遣ったものであった。
番組は、まず、今回の韓国朴大統領との比較ということで、読売テレビアナウンサー川田裕美さんが次のように事実関係を説明した。
1)昼食会を含む会談時間:朴大統領2時間15分 Vs. 安倍首相1時間45分
2)会談後の共同記者会見:朴大統領開催 Vs. 安倍首相ナシ
3)米国連邦議会での演説:朴大統領実施Vs. 安倍首相ナシ
4)会談の様子について:川田裕美アナが説明した内容の要約
「オバマ大統領について、朴大統領との会談では身を乗り出しているような感じで親密さがうかがわれるが、安倍首相の場合は、会談後の握手・ハグはなく、握手している場面の写真はあるけど、それは記者からの要請で握手したもので、オバマ大統領は左手で上着のボタンを留めながら握手している」
ここまでの説明を受けるかたちで、MCの宮根氏が、(握手について)「これ、たまたま忘れとったんとちゃうの?」とフォローし、「これどうですか、手嶋さん、ちょっと差つけられてるのか、意識的にアメリカが意識的に差をつけているのか、というのはどうですか?」と手嶋氏にふった。
手嶋氏は、「やっぱり、差ははっきりあると言ってもいい」と応え、畳み掛けるかたちで安倍首相への冷遇を取り上げて問題を深刻化させない配慮か、あいだにブッシュ元大統領の接遇ランクに関する“秘話”を挟んだ。
手嶋氏は、接遇に松竹梅というランクを付け、韓国の朴大統領は“竹”で、安倍首相は“梅”と評した。
それを受けた宮根氏が、「これね、あえて、日韓とも重要なパートナーだと思いますよ。まずは、手嶋さん、なぜ、これだけ差を付けられたんですか?」と問う。
問われた手嶋氏は、まず、朴大統領の厚遇について、(首脳会談は)初めて、女性であること、北朝鮮という脅威に懸命に対峙していることで、それを何とか支えたいとか、ご苦労さんということがあるのだと思うと説明した。
そして、「一方、安倍さんはと言うと、やっぱり、従軍慰安婦問題とかいうようなことで言うと、アメリカは、保守的な政権は認めても、右翼的な、特にウルトラ右翼的な政権というのはイヤで、やっぱり安倍さんは、ぜひ保守政権という枠内にとどまってもらいたいという、やっぱり、アメリカ側の意向はあるのだと思います」と説明した。
私は、安倍氏の“右翼的”言動がどのような意図に基づいているものか見極めはつかないが、対外関係において日本国民を65年以上前の世界に引き戻すかのような「百害あって一利なし」の言動を繰り返す安倍首相に激しい憤りを覚えている。しかし、日本国内閣総理大臣として公式に訪問した安倍氏へのオバマ大統領の儀礼に反する接遇は断じて容認できないと考えている。
※ オバマ大統領は、安倍氏の政治姿勢や言動が気にくわないとしても、外交儀礼に反した接遇や“陰湿ないじめ”のような対応ではなく、安倍氏に対しきちんと言葉で批判すべきである。それは、友好国ではなくても求められる態度であり、日本を重要な友好国として考えているのならなおさらである。
訪米した安倍首相に対するオバマ大統領の接遇がどれほど酷いものであったかは、「安倍首相に対する「不快感」を世界に晒したオバマ大統領:安倍自民党政権の誕生により民主党政権より悪化した日米関係」( http://www.asyura2.com/13/senkyo144/msg/609.html )を参照していただきたい。
安倍氏に対する問題にとどまらず、日本国家そのものに対する侮辱とも言えるオバマ大統領の接遇のもとで行われた日米首脳会談であったにもかかわらず、安倍自民党政権の“提灯持ち”に励む主要メディアは、“民主党政権で壊れた日米同盟の復活”とその“成功ぶり”を大々的に報じた。
そして、オバマ大統領によって世界に向けあれだけの恥をさらされた当人の安倍首相自身までもが、日米関係について、今なお次のように自画自賛している現実はおぞましいと言う他ない。
「──民主党政権時代に比べて、日米関係は劇的に改善した
「米国から見ると、昨年末までの日本は『何も決められない』『何も進まない』とうんざりしていたはずだ。同盟関係はお互いが努力して、進めて、築き上げていくべきもの。だから、私はTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)交渉参加と、米軍普天間飛行場の移設問題を前進させた。米国も米軍嘉手納基地以南の施設・区域返還計画で時期を明示した。これらは、沖縄の基地負担軽減にもつながる。日米同盟の絆は復活した」」(「安倍首相、独占インタビュー「強い日本を復活」 給与、中韓、長嶋氏…全てを語る(ZAKZAK)」( http://www.asyura2.com/13/senkyo147/msg/356.html )より引用)
安倍首相のノーテンキな評価とは裏腹に、その当否はともかく、オバマ政権が今でも“うんざり”しているのは、21世紀になっても、あれこれ言い訳を付けて、「従軍慰安婦問題」について率直に非を認めようとせず、その他の言動と相俟って、韓国などとの関係をおかしくしている安倍首相自身の言動なのである。
※ 私は、安倍首相が、オバマ大統領など米国に対しても自身の「歴史認識」を毅然とぶつけるのならそれなりの評価を与える。
しかし、実際の安倍氏は、国民や近隣諸国には武張った言動を続ける一方、米国政権に対しては、陰でこそこそとわびを入れるという、政治家としてもっとも恥ずべき醜悪な対応を行ってきた。
[参照投稿]
「安倍首相が「従軍慰安婦」問題でブッシュ大統領に謝罪したのは訪米首脳会談ではなく“秘密電話会談”」
http://www.asyura2.com/13/senkyo144/msg/911.html
日米の関係は、首脳同士の関係性や会談の成果(「日米同盟」強化派の基準で)を冷静にきちんと比較すれば、安倍政権の誕生で“トラスト・ミー”の鳩山由紀夫氏を含む民主党政権時代よりも悪化していることがわかる。
特権により政治的動向のそばにいることができる主要メディアは、それがわかっていながら、臆面もなく “大成功の安倍外交”と持ち上げているのである。
「従軍慰安婦」問題の言動で安倍首相がオバマ大統領から冷遇されたという事実を晒した「情報ライブ ミヤネ屋」からわかるのは、主要メディア幹部や政官界有力者も、2月22日の日米首脳会談当時から、理由はともかく、訪米した安倍首相がオバマ大統領から酷い冷遇を受けたことを理解していたということである。手嶋氏が格別の分析力を持っていて、他のメディア幹部は気づきもしなかったというのなら、会社を畳むなり、職を辞したほうがいいだろう。
「情報ライブ ミヤネ屋」という番組により、はしなくも、主要メディアが、訪米した安倍首相がまっとうな国家なら断交に踏み切りかねないほどの外交儀礼に反する酷い仕打ちを受けたことを承知で、「日米関係の改善」や「安倍外交の成果」といった称賛する報道を行ったことが見えたことになる。
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