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2013年05月06日 世相を斬る あいば達也
筆者は、長谷川幸洋氏が中日・東京新聞の論説員としては、日本維新の会、みんなの党や安倍晋三に随分傾倒した姿勢を見せ始めたものだと思っていた。勘としては、あぁこの人新聞社辞める気だな、と推測していた。少々かたちは異なるが、そのような方向に進んでいるようだ。ご本人のツイッターには、≪ あと変わったことといえば、3月末でめでたく(?)会社を定年になりました。でも、東京新聞論説副主幹という仕事は変わりません。1年契約です。私はかねて「記者は契約制にすべきだ」と唱えてきたので、これは「正しい記者雇用契約のあり方(??)」と思います(笑)。≫と書かれている。その長谷川氏は今日の東京新聞【私説・論説室から】で以下のように書いている。
≪ 憲法改正の前には解散を
この欄は社説ではなく、筆者個人の意見を唱える「私説」とあらためて断ったうえで書く。私は憲法改正に賛成である。ただし、国会の現状を放置したまま、具体的に憲法改正に動きだすことには反対だ。
理由は簡単である。昨年末の総選挙について、全国十四高裁・高裁支部が出した十六件の判決のうち違憲・選挙無効が二件、違憲・有効が十二件、違憲状態が二件だった。ようするに、全部が違憲ないし違憲状態と指摘している。
そんな衆院議員たちが改憲発議を決められるのか。各紙は「衆院の三分の二を上回る勢力が憲法改正に賛成だ」などと盛んに報じているが、それは違憲状態の勢力なのだ。そもそも改憲に動く正統性がない。
したがって、もしも安倍晋三政権が本気で改憲を目指すなら、いずれ一票の格差を是正したうえで解散・総選挙を実施し、だれがみても合憲の状態にしてからでなければならない。
そう思いながら二日付の紙面を開いたら、安倍首相は「いずれかの時点では国民に信を問わなければいけない。適切な時期をとらえ、適切な時に解散したい」と語っていた。同時に「(改憲に)まだ国民的な理解を得られている段階ではない」とも語っている。
これで少し納得した。安倍政権は少なくとも、いまの国会の下で改憲発議に動くことはなさそうだ。いまはしっかり議論を重ねるときだ。≫ (東京新聞:【私説・論説室から】:長谷川幸洋)
この長谷川氏の私説は理に適っているようで、事実をなぞっているだけだ。おそらく、安倍晋三だけでなく、自民党の多くの議員が、何となく、そのように思っているだろう。ただ、マスメディアに煽られ、改憲論を引っこめ難い状況が出来あがった事に、戸惑いもあるのだろう。このまま参議院選に突入すると、これと云った実体経済への好循環もない経済政策。売国的腰抜け交渉で、米国の言いなりになった印象が根強く残るTPP交渉参加。それに追い打ちをかけるような、サラリーマン地獄時代を彷彿とさせる成長戦略の数々が、世間に晒される。この状況で、誤魔化しのような憲法96条だけの改正みたいな話を選挙の争点にした場合、オセロゲームのようなハプニングが起きる可能性はゼロではないのを、彼ら自身が一番怖れている。
出来たら。竹中平蔵らが議論している三本面の矢「成長戦略」も封印したいくらいの気分だろう(笑)。グローバル世界経済の中で、生き抜く手段として、最も、その現象に順応するのが市場原理主義であることは、一定の知識のある者であれば、理解出来ないものではない。しかし、市場原理主義により、社会層への歪みが顕著になって来ている現在の後遺症を確認検証しながら、その後遺症を更に加速すべきだ、と云う論が国民に通用するものか。特に選挙における投票行動に、どのような影響を及ぼすか、自民党自身が判断できないのが現状だ。
金持ち喧嘩せずの立場である筈の与党自民党が、わざわざ百家争鳴な状況を作るなど、本来あり得ない筈なのだ。冷静に、安倍晋三の言動や、自民党の動きを観察していると、老練な政治家が多いだけに、一見すべてが順調に推移しているが如き面構えだが、現実はアヒルの水かき状態に入っている。改憲論の中身を吟味されればされるほど、自民党の「日本国憲法改正草案」が、1948年国連総会で採択された世界人権宣言(Universal Declaration of Human Rights)までも無視するような、醜悪な暴論である事はバレバレになる。世界人権宣言は、この宣言の後に国際連合で結ばれた人権条約の基礎となっており、世界の人権に関する規律の中でもっとも基本的な意義を有する。つまり、普通の国どころか、北朝鮮やシリアに近づこうと云うのだから、世界の笑い者になるのは確実だ。
対中、対韓だけが悪印象を持つだけではない。米国自体が、この世界人権宣言(Universal Declaration of Human Rights)の離脱を宣言するような「日本国憲法改正草案」に不快感を持つだろう。経済上の利益の為に、ロシア、サウジアラビア、トルコ、インド、ASEANなどが、ニコニコ外交をしているが、経済協力と日本の国際社会への挑戦のような「日本国憲法改正草案」とは、話は別である。この事を、一番知っているのは、誰あろう自民党自身である。長谷川氏が言うほど、自民党が本気で「日本国憲法改正草案」を実行しようとしているとは、筆者は思っていない。どう読んでも、ファシズム国家になります、と宣言するような憲法になっている。国家主義の思想に貫かれている憲法改正を振りかざすほど、自民党も馬鹿ではないだろう。
なぜ、安倍が96条先行説を唱えたか?話は、維新やみんなを取り込むためと云う説もあるが、実は「日本国憲法改正草案」の中身が、余りにも醜悪で、世界に通用しそうもない事を百も承知なのである。あの「日本国憲法改正草案」は、昨年春の時点で、間もなく党が溶解する恐怖心にさいなまれた自民党が、民主党の対局度を鮮明にしようと考えた苦肉の策であり、本気で、それを実行する気は、さらさらなかった改正案である。つまり、自民党自身が自ら作った「日本国憲法改正草案」を持て余しているのが現実である。
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