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憲法96条改正に小さな一人の人間の反対の立場から
2013-05-06 05:48:38 | Weblog
このところ大きなニュースとなっているのが憲法96条改正論議だろう。憲法を簡単に書き換えることができる96条を変えてしまおうというなんとも大胆かつ幼稚であり、アベノミクスという経済の一時的高揚感を利用し、衆参両院議員の3分の2を勝ち取り政治家がもっともやり易い形の憲法改正ができるというやり方にしてしまおうという発想。人が関心を持たない今のうちに作り変えてしまおうという魂胆。なんとも危険なやり方だろう。
96条を変える事によってどのようなことができるのだろうか。私の稚拙な頭の中でも考えられることは。
1 現在の象徴である天皇を日本の元首に格上げするため憲法を作り変え、皇族を増やしていく(これも国民の税金が使われる)
2 憲法9条の改正、言うまでも無く戦争放棄であり、戦力の不所持、交戦権の否認という条文を替えようというものである。ここには当然のことながら徴兵制という若者の軍隊への強制的徴用がある。確かに現在の中国との尖閣諸島の領有権問題、韓国との竹島問題、ロシアとの4島帰属問題。という大きな国難とも言える問題を日本は抱えているが、今日本が軍備を拡大したとして戦争を起こしてまでこれらを守れるのだろうか。それよりも話し合いで解決していく道があるのではないだろうか。
3 やがてアベノミクスは日本の国債を増やして終焉を迎えるだろう。今までのところを見ていると前よりも格差が拡大していると見てよいだろう。株で儲けた証券会社、また株で投資をし利益を得た一部の人達。そして何よりもお金(貨幣)の売り買いで多大な利益を上げた人達、それ等は日本国債を発行したことによって今まで持っていた資産をさらに積み上げた人達の手に発行した国債は渡っていく。そして一部の大手企業に正社員として働いている人達の賃上げ、もしくはボーナスへと流れていく。一般の人達は円安によりガソリン代値上げ、電気代値上げという輸入価格の上昇からくる値上げラッシュに泣かされていく。
経済を本当に人間の経済にするなら、何度も言うようだが貨幣が持つ機能としての保存機能の制限しかありえない。本来の経済とは貨幣が持つ交換機能を最大限に生かしたものでなければならない。つまりそれは「AEの関係」からくるものである。
最後に私が出会った96条改正に対する文章の中で的を得ているという記事を紹介したい。
96条改正は「裏口入学」。憲法の破壊だ 小林節・慶大教授〈憲法学〉
http://digital.asahi.com/articles/TKY201305030439.html?ref=comkiji_redirect&ref=reca 朝日新聞デジタルより
私は9条改正を訴える改憲論者だ。自民党が憲法改正草案を出したことは評価したい。たたき台がないと議論にならない。だが、党で決めたのなら、その内容で(改正の発議に必要な衆参両院で総議員の)「3分の2以上」を形成する努力をすべきだ。改憲政党と言いながら、長年改正を迂回(うかい)し解釈改憲でごまかしてきた責任は自民党にある。
安倍首相は、愛国の義務などと言って国民に受け入れられないと思うと、96条を改正して「過半数」で改憲できるようにしようとしている。権力参加に関心のある日本維新の会を利用し、ひとたび改憲のハードルを下げれば、あとは過半数で押し切れる。「中身では意見が割れるが、手続きを変えるだけなら3分の2が集まる。だから96条を変えよう」という発想だ。
これは憲法の危機だ。権力者は常に堕落する危険があり、歴史の曲がり角で国民が深く納得した憲法で権力を抑えるというのが立憲主義だ。だから憲法は簡単に改正できないようになっている。日本国憲法は世界一改正が難しいなどと言われるが、米国では(上下各院の3分の2以上の賛成と4分の3以上の州議会の承認が必要で)改正手続きがより厳しい。それでも日本国憲法ができた以降でも6回改正している。
自分たちが説得力ある改憲案を提示できず、維新の存在を頼りに憲法を破壊しようとしている。改憲のハードルを「過半数」に下げれば、これは一般の法律と同じ扱いになる。憲法を憲法でなくすこと。「3分の2以上で国会が発議し、国民投票にかける」というのが世界の標準。私の知る限り、先進国で憲法改正をしやすくするために改正手続きを変えた国はない。
権力者の側が「不自由だから」と憲法を変えようという発想自体が間違いだ。立憲主義や「法の支配」を知らなすぎる。地道に正攻法で論じるべきだ。「96条から改正」というのは、改憲への「裏口入学」で、邪道だ。(聞き手・石松恒)
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