35. 2013年5月06日 14:01:57
: laXJ438NbY
郵政民営化、TPP問題に基本的に欠落しているものは「日本版エクソン・フロリオ条項」だ!! http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2013/04/post-65aa.html 「WJF(Wondrous Japan Project)プロジェクト」様が、2013年4月21日の記事で同日にアップした弊ブログの「TPP推進派は国を売る奴(やっこ)、文字通り売国奴だ」を取り上げていただいた。大変過分なご紹介記事、甚深に感謝申し上げる。取り上げていただいた記事では、故・中川昭一氏について少しだけ言及してある。 小泉政権時に大臣の要職に就き、小泉・竹中構造改革路線という米国グローバル資本の新自由主義具現化政策のただ中にありながらも、内心では忸怩たる憂慮の念を持ち、日本を何としても守ろうと考えていた一人の政治家がいた。それが故・中川昭一氏である。 神州の泉は小泉政権の終盤に差し掛かるまでは、大臣に登用されていた中川昭一氏を、やはりこの人物も愛国者を気取ってはいるが竹中平蔵氏と同様に、本音では米国に追従し、新自由主義思想にかぶれた情けない連中の一員だったのかと思っていた。 ところが、2006年当時、経済学者の植草一秀氏に仕掛けられた国家の陥穽(かんせい)に多大な興味を持って支援者となり、この国策捜査事件が生じるに至った背景と、わが国が置かれた国際政治の現状を強く憂いていた人物(職業も名前も伏せておくが)がいた。その人物がある日、神州の泉に実に意外なことを知らせてくれた。 その内容は、「神州さん、中川昭一氏は小泉政権の中枢にいて、酔いどれ閣僚のイメージなどもあり一部の人たちに軽視されているようですが、ご本人の実像は全く違いますよ。私の知る限り、彼はアメリカのエクソン・フロリオ条項の重要さを認識する唯一の政治家なんです。そこを考えられたら如何でしょうか。」と言ってきた。 神州の泉は当初、「ん?アメリカのエクソン・フロリオ条項!?そのような横文字、聞いたこともないが。何かな、それは?」という感じでちんぷんかんぷんだったが、調べ始めるに至って、彼の示唆したことの重大さが胸にず〜んと響いてきた。 ネット情報がこれだけ発達した今日の日本でも、大概の人たちはこのエクソン・フロリオ条項を知らないのが現実だ。たとえ聞いたとしても、日本と直接関係のないアメリカの法体系の、それもたった一つのこの条項がどれほどの意味を占めているのか、と思うだけである。 しかし、小泉政権以降に米系外国資本による日本収奪の問題が、日本という国家の礎(いしずえ)を危うくしてきた現実を鑑みると、このエクソン・フロリオ条項が有する国防思想が、今の日本にとってどれだけ有効であるか、いくら強調しても度が過ぎることはない。 エクソン・フロリオ条項(Exon-Florio provision)とは、アメリカ合衆国の包括通商法に盛り込まれている条項であり、アメリカ国家の安全保障を脅かす外国企業によるアメリカ企業の支配を制限する法律である。アメリカには対米外国投資委員会(CFIUS Committee on Foreign Investment in the United States)という、外国資本によるアメリカ国内における資本買収の専門審査機関である。 対外自由貿易を旨とする米国だが、対米外国投資委員会(CFIUS)が条項に触れると判断した企業買収や土地取得などの活動に対して、最終的には大統領が阻止する権限を持つのがエクソン・フロリオ条項の骨格である。 つまりエクソン・フロリオ条項とは、国家が海外の敵対的な投資存在群から自国を防衛する非常に重要な法律なのである。ここでわが国に目を転じてみると、敵対的な外国資本の侵襲に対して、国家を守るこのような法体系が存在しないことが見えてくる。実はこの状況こそが、対米隷属協定である『日米地位協定』と本質的に同等な位相を有していることが分かる。知らせないことによる洗脳工作の一環である。 小泉政権の政策的なピークと言える2005年の郵政解散総選挙時を振り返ってみると、神州の泉が最も伝えたいことが見えてくる。小泉氏が衆院解散を宣言し総選挙に突入するまでのテレビコマーシャルを思いだすと、朝から晩までアヒルが出るアフラックなどの米国の保険会社がひっきりなしに画面を占有し、新聞は大きくそれを宣伝していた。 森田実氏が暴かれたように、この時期、米国保険業界から電通などを通じて我が国の大手報道媒体には多額の宣伝費用が流れており、そのために政治を伝える報道番組や新聞の社説では外資防衛論が徹底的に排除されていた。それは古舘伊知郎氏やみのもんた氏の番組などにはっきりと出ていて、郵政民営化反対論を神経質に封じ込め、至論的反対論を展開する政治家や有識者はテレビや新聞から排除されている。 この理由をご存じだろうか。この当時、アメリカは小泉氏と竹中氏を動かして年次改革要望書の具現化に邁進し、郵貯と簡保等、郵政事業が保有する資産総額350兆円を超える莫大な郵政資産の収奪を目論み、それを郵政民営化という内国的制度改革の名目で清和会らの売国政治家たちに行わせた。それを指揮した最大の売国奴が竹中平蔵氏である。 重要なことは、この一連の巨大な売国作業の中で、アメリカが最も神経を使い、徹底的に封じ込めようとした日本側の政策論は、何度も言っているが「敵対的外資防衛論争」だったのである。つまり、この時期にアメリカが日本から絶対に生まれないようにした政策論が、冒頭に述べた「日本版エクソン・フロリオ条項」だったのである。アメリカは小泉政権時代、最も神経を尖らせていたものが、敵対的外資防衛政策である日本版エクソン・フロリオ条項制定の機運だった。 この事情を知っていたのは、当時の日本人でもごく少数であったが、その中でもアメリカの対日戦略部隊、ジャパンハンドラーズは、日本版エクソン・フロリオ条項制定の領域に進みそうな有識者を片っ端からマークし、彼らの言動を未然に防ごうとした。ある者は言論界の表舞台から遠ざけられ、ある者は国策捜査の罠に嵌められた。後者の筆頭が経済学者の植草一秀氏である。 実は日本版エクソン・フロリオ条項への政策機運が徹底的に封じ込められていたこの時代、それを象徴することがネットに起きていた。神州の泉は前述した憂国者の知人から、知らせてもらってネットを検索したが、この時期、エクソン・フロリオ条項に関する記事は、JETRO(日本貿易振興機構)のサイトにわずか載っていただけであり、ほとんど出ていなかった。 おそらくGoogleやYahooなどのアメリカの息のかかった大手検索会社はエクソン・フロリオ条項に関する検索データが出ないように干渉していたはずだ。なぜなら、外資規制は国家防衛的に非常に重大な件名であり、それが検索に引っ掛からないのは、明らかに日本人を対象とした米国側による隠蔽工作が働いていたと見るしかないのである。 以上、経済的な日本防衛論が、アメリカの圧力で封じ込まれる趨勢にあって、この時代、ただ一人エクソン・フロリオ条項に言及していた先鋭的な政治家がいた。故・中川昭一氏である。中川氏は2004年5月26日の第37回総合科学技術会議議事(議長は小泉純一郎)の中で、特許や知的財産関連でエクソン・フロリオ条項に言及しているのだ。 http://www8.cao.go.jp/cstp/siryo/haihu38/siryo4.pdf これがどれほど重大なできごとかお分かりだろうか。2004年5月26日という日付に注目していただきたいが、この時期は竹中平蔵氏が最大の売国政策である郵政民営化を具体的に始動した日からほぼ一か月後なのである。2004年4月26日、小泉政権は竹中平蔵氏を中核として「郵政民営化準備室」をスタートさせている。
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