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2013年05月04日 板垣 英憲(いたがき えいけん)「マスコミに出ない政治経済の裏話」
◆日本国憲法が改正されて、「国防軍=皇軍」が創設されると、大日本帝国陸海軍時代の「軍法会議」と「憲兵隊」が復活し、「スパイ罪」を規定した法律も制定される。警察では、思想犯を取り締まる「特別高等警察」(特高警察)が蘇る。
安倍晋三首相が政治生命を賭けて実現し、成功させようとしている自民党憲法改正草案「第9条」が、はっきりとそのことを想定しているのである。
戦後生まれの私たちの世代以降には、「憲兵隊」「特高警察」と言われても、その恐ろしさを知らないので、自民党憲法改正草案「第9条」を読んでも、何も実感できず、ただも字面をさらりと、読み流してしまうだろう。
◆だが、「本当なのか」と疑い深い人は、短い条文なので、眼光紙背に徹して、じっくりと読んでいただきたい。
第二章 安全保障
(平和主義)
第九条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動としての戦争を放棄し、武力による威嚇及び武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては用いない。
2 前項の規定は、自衛権の発動を妨げるものではない。
(国防軍)
第九条の二 我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全を確保するため、内閣総理大臣を最高指揮官とする国防軍を保持する。
2 国防軍は、前項の規定による任務を遂行する際は、法律の定めるところにより、国会の承認その他の統制に服する。
3 国防軍は、第一項に規定する任務を遂行するための活動のほか、法律の定めるところにより、国際社会の平和と安全を確保するために国際的に協調して行われる活動及び公の秩序を維持し、又は国民の生命若しくは自由を守るための活動を行うことができる。
4 前二項に定めるもののほか、国防軍の組織、統制及び機密の保持に関する事項は、法律で定める。
5 国防軍に属する軍人その他の公務員がその職務の実施に伴う罪又は国防軍の機密に関する罪を犯した場合の裁判を行うため、法律の定めるところにより、国防軍に審判所を置く。この場合においては、被告人が裁判所へ上訴する権利は、保障されなければならない。
(領土等の保全等)
第九条の三 国は、主権と独立を守るため、国民と協力して、領土、領海及び領空を保全し、その資源を確保しなければならない。
こ条文のなかで、注目しなくてはならないのは、「第九条の二」の「5 国防軍に属する軍人その他の公務員がその職務の実施に伴う罪又は国防軍の機密に関する罪を犯した場合の裁判を行うため、法律の定めるところにより、国防軍に審判所を置く。この場合においては、被告人が裁判所へ上訴する権利は、保障されなければならない」である。
「職務の実施に伴う罪」とは、「軍律違反罪」、「国防軍の機密に関する罪」は、「軍事機密漏洩罪」を意味している。部外者や外国人スパイが軍事機密を盗んだ場合は、「スパイ罪」が適用され、最高刑は死刑、すなわち、銃殺刑に処せられる。クーデターなどにより国家転覆罪に問われて死刑判決を受けた場合は、「名誉ある銃殺刑」に処せられる。「2・26事件」を描いた映像などで、是非とも銃殺刑の場面を参考にされたい。
「国防軍に審判所を置く」とは、日本帝国陸海軍時代の「軍法会議」のことであり、軍隊内の警察である「憲兵隊」(いまの自衛隊では「警務隊」という)を復活させて、取り締まりを強化、徹底することを意味している。
◆さて、ここが極めて大事なところだが、憲法改正を声高に唱えている自民党の石破茂幹事長、自民党憲法改正本部「起草委員会」委員長を務めた中谷元元防衛庁長官、高市早苗政調会長、「日本維新の会」の松野頼久衆院議員、山田宏衆院議員らは、身内を「国防軍に率先して入隊させる」と、国民有権者に向かって約束して、その覚悟のほどを証明して欲しい。「軍隊に行くのは、他人の子どもたち」というのでは、余りにも身勝手である。
加えて、「現行憲法第96条」を改正して、「発議要件を緩和」すれば、改正が容易になるけれど、発議の際、自民党憲法改正草案には是非とも「国民皆兵、兵役の義務(男女平等の徴兵制度)」の規定を盛り込んでもらいたい。
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