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「「自民党の憲法改正案についての鼎談 第7弾」の実況ツイート:岩上安身氏」
http://sun.ap.teacup.com/souun/10795.html
2013/5/3 晴耕雨読
■ 出演 梓澤和幸弁護士、澤藤統一郎弁護士、岩上安身
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本日の怒りと涙の憲法鼎談。以下、連投。
2013年5月2日(木)14時から、「自民党の憲法改正案についての鼎談 第7弾」の実況ツイートを行います。
岩上「最初に告知なのですが、5月23日(木)に新宿ロフトプラスワンで、梓澤先生がお出になられる、自民党憲法改憲案についてのトークイベントがあります」
梓澤統一郎弁護士「よろしくお願いします」
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岩上「最近の憲法改正を巡る動きですが、5月1日に安部総理は、7月の参院選で憲法96条の改正を公約に据える考えを表明しました」
澤藤和幸弁護士「4月29日には、韓国の国会がある決議をしました。…」
澤藤「…これは、『日本の閣僚などの靖国神社参拝と侵略戦争を否定する妄言を糾弾する決議案』という名前のものです。これに対するマスコミの扱いが小さすぎると思います。この決議の重さをかみ締めなければなりません」
澤藤「明日は5月3日、憲法記念日です。こうしたときに、自民党憲法改正案の目的を考えてみると、大きくは今の資本主義社会の中で、最も資本にとって住み心地の良い政治体制をつくりたいということだと思います」
澤藤「…しかし、これをやると社会は壊れるわけです。格差は広がり、貧困は現象化してきます。こうしたことを明日まとめてみようかなと思います」
梓澤「先日、BSのある番組の中で、自民党の石破茂さんが改憲についてお話されていました。石破さんは、国防軍について、今の自衛隊法では、命令に反する行動をした兵に対して、7年の懲役しか与えられない。しかし、…」
梓澤「…本当に国を守るためには、そうした兵士に対して死刑や懲役300年というのを考えなければならない。それが国防軍なのです、というようなことをおっしゃっていた。ものすごい提案です。まさに軍事国家です」
梓澤「2004年に、立川テント村事件というものが起こりました。反戦ビラを撒く目的で自衛隊官舎に入った方たちが捕まり、有罪になった。国に逆らう人たちの表現の自由が圧殺される」
岩上「大企業の支配というのはまさにその通りで、保守の一部は『独立』を盛んに言っていますが、独立というのは、周辺国と友好関係を築かなければならないのに、日本は隣国と争ってばかりいる。そして、その後ろには米国がいる」
岩上「サンフランシスコ体制というものは、日本も米国も望んでいたものです。先日インタビューをした三浦陽一教授は、日本が徹底的な戦争追及を行い、周囲と友好関係を築いてしまったら、…」
岩上「…原爆を投下し、空襲で無差別殺戮をした米国もまた、戦争犯罪の追及をされてしまう。だから、米国は日本の戦犯追及の手を緩めたと。日本の支配層は自ら進んで米国に従属していった。日米の支配層は共犯の関係にあるというのです」
澤藤「今、憲法審査会が行われていますが、その議事録が公開されているので、是非ご覧いただきたい。自民党、日本維新の会、みんなの党は改憲推進。公明党と民主党は非常にマイルド。…」
澤藤「改憲反対は共産党議員一人だけ。公明党と民主党に生活の党を加えた中間の3党が、改憲の鍵を握っていると思います。参議院ではまだ議論がほとんど進んでいませんが、衆議院は議論に入っているので是非ご覧いただきたい」
岩上「逐条の議論に入ります。本日は第33条(逮捕に関する手続きの保障)からです」
梓澤「34条も一緒にいきましょう」
岩上「はい。34条は(抑留及び拘禁に関する手続きの保障)です」
「これは、どういうふうに影響が出るのですか?」
梓澤「概略は変わっていないと思います。しかし、変わっていないということが大事。公権力がある人を逮捕するときに、その人は直ちに弱者に転化する」
梓澤「こういう事件を思い出します。あるイスラエル人が自分の泊まっている民宿で、警察官が宅配の格好をして荷物を運んできた。その中には大麻が入っており現行犯逮捕された。その女性にはまったく身に覚えがない。…」
梓澤「…日本国内の話です。しかし、彼女には完全なアリバイがあった。こういうものは弁護士が勝手に作ったと疑われるから逆に危ないのですが、しっかりと供述録取を取って検察官に出した。結果、起訴されませんでした」
梓澤「私が別の外国人の弁護をした際に、『なぜ弁護士、弁護士と騒いだのですか?』と聞くと、『学校で、捕まったときはとにかく弁護士と教わった』と。これは憲法上の権利として妨害できないのです」
澤藤「何かで捕まったときは、『当番弁護士をすぐに呼んでくれ』というのがいい」
梓澤「これを言われた警察官は、弁護士会に通知をして、弁護士を呼ばなければならないという取り決めがある」
澤藤「当番弁護士は全国にいます」
梓澤「こういう手続きを動かしてはいけないように、憲法は固く固くつくってある。この仕組みが33条と34条に書いてあるのです」
梓澤「自民党改憲草案でさえ、ここ(=33条、34条)を大きくはいじれないわけです。だから、(憲法改正発議に必要な議員数は)3分の2でなければならず、過半数ではいけないのです」
岩上「黙秘権の話。先日、ボストンマラソンでテロ事件がありました。この容疑者の取調べに対して、黙秘権の告知がされなかった。しかし、日本のメディアでは、『黙秘を認めない』と伝えられた。…」
岩上「…おそらく中身を理解した上でこう伝えている。日本のメディアが誤報をしているということです。このことを先日テレビで言ったときに、『黙秘権を認めなくてもいい』と言った方がいらっしゃいました。…」
澤藤「私の理解では、黙秘権というのは、『国家権力 対 個人』という構図のとき、その個人の人権は守られなければならないという宣言だと思っています。どんな人でも人権や尊厳があり、それは守られなければならない」
澤藤「…場合によれば、死刑よりも、意に反して喋らされるほうが屈辱であると私は思います。実際に憲法ができる前の刑事手続きはどうであったか?…」
澤藤「自白を強要し、拷問までやり、場合によってはリンチで殺したこともある。こうしたことの反省。36条では拷問を禁止しているのですが、自民党案は『絶対に』という言葉をわざわざ取っている」
澤藤「…拷問の可能性を残しているとしか思えない。文明社会では絶対にあってはならないこと。人間に例外はない。刑事手続きにおける原則は誰も同じように適応しなければならない」
現行憲法38条「何人も、自己に不利益な供述を強要されない。A 強制、拷問若しくは脅迫による自白又は不当に長く抑留若しくは拘禁された後の自白は、これを証拠とすることができない。…」
現行憲法38条「…B 何人も、自己に不利益な唯一の証拠が本人の自白である場合には、有罪とされ、又は刑罰を科せられない」
梓澤「黙秘権というのは、被疑者が公権力に対峙する主体的な存在ということを保障する権利です」
梓澤「小林多喜二の言葉を紹介したい。殺される6ヶ月前、あるバイオリニストの演奏を聞いた後に、目に涙を浮かべながら、『生きる喜びを感じた』と。その6ヵ月後に、…」
梓澤「…小林多喜二は3時間にもわたる拷問を受けた。母は傷だらけの息子の体を抱きかかえながら『それ、もう一度立たねか、みんなのためもう一度立たねか!』と叫んだ。…」
梓澤「こうしたひどいことがあった。なぜ、自民党案36条では『絶対に』という言葉を抜くんですか!!許せないですね、私は!!」
梓澤弁護士、涙で声をつまらせる…。
澤藤「10年ほど前に、寺西和史という裁判官がおられた。当時、盗聴法を作るということが話題になっていた。寺西さんはこれを批判するコメントを朝日新聞読者欄に投稿。裁判長から厳重注意を受けた。…」
澤藤「…その後、仙台で盗聴を可能とする法案に関する集会にパネリストとしての参加を求められたが、裁判所からは『戒告するぞ』と言われた。…」
澤藤「…悩んだ末、寺西さんは一般参加者として出席し、『戒告する』と言われたという旨を集会で説明し、問題となった。結局、寺西さんは戒告処分を受けた」
現行憲法36条「公務員による拷問及び残虐な刑罰は、絶対にこれを禁ずる」
自民党案36条「公務員による拷問及び残虐な刑罰は、禁止する」
澤藤「36条の『残虐な刑罰』という中に死刑が入るのかどうか、ということが世界的に注目されています。進歩の趨勢の中で考えると、死刑の廃止を中に盛り込んでもいいかもしれない」
梓澤「35条について。私生活というものは、公権力が基本的に入ってはいけない。憲法13条で保障されています。あるとき、警察官が怪しいと思った家の横に隠しカメラをつけた。令状を取らずにです。…」
梓澤「…多くの憲法学の学説では、13条の中に私生活領域確保の自由、つまりプライバシーの自由が保障されると読み込んでいます。先ほどの隠しカメラの件では、これが証拠として採用されてしまった。…」
梓澤「…私的領域は『公益及び公共の秩序に反しない限り』犯してはならないとされているが、捜査という全体利益がある場合には、容易に入ってきてしまう」
岩上「通信や私的な会話というものの自由に公権力が入れる、ということになれば、ときにはその乱用が行われます。本当に恐ろしい」
梓澤「米国では今、ユタ州にすべての私人の会話を盗聴できるようなシステムが建設中というんです。テロ対策という名目の下に。こうしたことが自民党憲法改正草案の13条にはあると思います」
澤藤「公共の福祉というのは、人権対人権の調整原理として解される。それを明確に『そうではない』と言っているのが自民党です。憲法審査会でも、平沢勝栄さんがそう言っている」
岩上「三浦先生のインタビューを行ったときに、栗栖弘臣さんが国防軍について書かれている書籍がありました。そこには、国防軍は国民を守らない、守るものは国柄であるというようなことが書かれていました」
「憲法37条について。裁判は公開であるということは非常に重要なことだと思います。ここでは、刑事被告人の権利だとされています。民事あるいは法人間の紛争や行政相手の裁判において、…」
岩上「…その公開性が失われるのは重要な問題だと思います。というのは、TPPにはISD条項というものがあります。海外に進出した大資本が、その国を訴えることができる」
岩上「ここでは、公開ではなく秘密であったり、上級審がなかったりします」
澤藤「それは裁判ではなく、仲裁手続きになるわけです。確かに非常に問題がある。しかし、…」
澤藤「…問題があることを知りながら、ISD条項を含む条約を締結すれば、遵守する義務が憲法上生じる。事後的に争うことは非常に難しい」
岩上「ちょっと飛びますが、質問したいことがあります。現行憲法98条(憲法の最高法規性等)のところ、第2項に『日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする』とあります。…」
岩上「…ここをもって、講和条約や日米安保、地位協定が日本国憲法よりも上位に来てしまう仕組みになっているのではないか。自民党改憲草案でも同じです。…」
岩上「米国に従属し、肥大した軍産複合体やグローバル資本の利益に貢献するような社会体制になっていっているのではないか。右翼の人ほど理解しなければならない。…」
澤藤「仰るとおりだと思います。誰が見ても売国的な政策をやっていると見て間違いない。これは明治初期の条約改正問題を彷彿とさせます。岩上さんが仰られた問題は有名な砂川判決で触れられています。…」
澤藤「98条には、条約が入っていません。これは、条約まで入れてしまうと、相手国のほうでも、日本の司法が相手国の条約の効力までも証明させることができるように読まれては困るから抜いていると考えるのが普通」
澤藤「…砂川事件では、1審の伊達判決では、刑事特別法の罰則が憲法違反だとして、全員無罪になりました。それに米国が跳躍上告を勧めて、日本はこれを受け入れた」
梓澤「現行憲法の82条に裁判公開の規定があります。こことTPPの問題を論ずると、ニューヨークで行われる仲裁裁判は、裁判にはあたらない。よって裁判ではないから公開しない」
澤藤「岩月浩二弁護士のレジュメを読みました。その中に『人権を語る弁護士は経済を知らないし、経済に関心を持つ弁護士は人権にまったく関心を持たない』とあった。まったくその通りです」
参考【岩月浩二弁護士インタビュー記事(http://t.co/DckXGQv4He)】【インタビューのテキスト記事(http://t.co/gDnGa2Adnd)】
岩上「先日、法律事務所の講演会に呼ばれて、TPPについて話させていただきました。そのときに、岩月先生のお話を紹介し、『何条が違憲です。何条も違憲です。…』と話したら、爆笑が起こった」
澤藤「いや、深刻な話ですよね」
岩上「最近、TPPに慎重な国会議員らが訪米団を結成し、調査に行きました。20の議員のオフィスを回り、USTRのトップにも会ってきた。米議員の誰も日本との間に重要品目があることを知らない」
◇
2013/05/02 「加害者の側が人間じゃなくなる」 梓澤弁護士、改憲草案第36条に怒りと涙の訴え 〜自民党の憲法改正案についての鼎談 第7弾
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/77025
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「なぜ、自民党案では『絶対に』という言葉を抜くんですか!許せないですね、私は!」。自民党が作った憲法改正草案に対して、梓澤和幸弁護士が怒りをあらわにした。
憲法記念日の前日となる5月2日、梓澤弁護士と澤藤統一郎弁護士、そして岩上安身の3人が自民党の憲法改正草案について議論する鼎談の第7回目が行われた。この日の議題は、第33条「逮捕に関する手続の保障」から第38条「刑事事件における自白等」までである。
拷問の禁止を定めている第36条について、自民党案は現行憲法の「公務員による拷問及び残虐な刑罰は、絶対にこれを禁ずる」という条文から「絶対に」という文言を削除している。梓澤弁護士は、警察による拷問で殺された作家・小林多喜二の最期を紹介しながら、「(拷問は)屈辱の中で人の命を奪う。それなのになぜ、自民党案では『絶対に』という言葉を抜くんですか!許せないですね、私は!」と目に涙を浮かべながら、自民党改憲案を激しく批判した。
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