http://www.asyura2.com/13/senkyo147/msg/230.html
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投稿者関口博之
http://d.hatena.ne.jp/msehi/
<span class="deco" style="color:#006600;">日本では日銀による金融緩和宣言で、2割超える円安を通して瀕死の貿易産業が息を吹き返すだけでなく、一時的にしろ景気の風が吹き始めている。
しかも日本のメディアはネガティブな現実や都合の悪い事実を追求しないことから、アベノミックスによって希望的未来が切り開かれるような幻想を与えている。
しかしこのシリーズの初回にも述べたように世界のメディアは批判的であり、特にドイツのメディアは厳しく、全く財政再建策ないことに呆れると同時に、日本の財政破綻を危惧している。
4月7日のシュピーゲル誌は「金融危機への危惧・・ドイツ連銀総裁バイトマンは日本の金融政策を批判する」という見出しで、日本の金融緩和政策を批判していた(注1)。
そこでは最近のキプロス金融危機を取り上げ、借金を返すということが金融ルールの基本であることを強調し、2014年末までに日銀によって銀行の現金通貨と預け金からなるマネタリーベースを2倍にする金融緩和政策を厳しく批判していた。
現在の日銀による金融緩和政策は、サブプライムに発する金融危機克服のために採られているFDAによるアメリカ金融緩和政策を拠り所としているが、そのアメリカも債務増大で限界に達し、その見直しが迫られている。
すなわちサブプライムバブルが始まった2000年初めのアメリカ債務は6兆ドルほどであったが、2008年には10兆ドルを超え、さらに金融緩和政策で拍車をかけ、2012年には16兆7082億ドルへと増大している。
こうした債務肥大を共和党は危機と捉え、共和党が多数を占める下院はこの3月に2014年度の予算決議で財政再建を強く求め、これまでの2040年までに財政赤字を解消する政策を変更し、2023年までに解消する財政再建を決議した。
このような決議は直ちにオバマ政権で実行されるわけではないが、下院への妥協なくしては行き詰まることから、アメリカの金融緩和政策に終止符が打たれたと言っても過言ではない。
確かに16兆7082億ドルの国家負債は日本よりも巨額であるが、GDP比では106パーセントほどであり、日本の230パーセントを超える負債に比べれば半分以下である。
しかも日本の過激な金融政策は始まったばかりであり、どこまで国家債務を肥大させるか想像すらできない。
そうした視点から見れば、日本のノーマルは、世界のアブノーマルとも理解できよう。
これほど債務が肥大しているのに、具体的な財政再建策が建てられず、“デフレ脱却なくして財政再建なし”と豪語するアベノミックスは、全く世界から信用されていない。
私見を述べれば、デフレ脱却を掲げること自体、私の2007年から2010年までの消費税19パーセントのベルリン暮らしの体験から大いに疑問である。
既にこのブログで書いていることであるが、ベルリンの物価は家賃から食料品や生活必需品に至るまで日本の3分の1ほどであり、海外で暮らしたことのある人にとって恐ろしく高いと言えよう(注2)。
そうした価格差は食料品などに莫大な関税をかけても、グローバル化の追求で関税を免れる様々な加工で安く輸入されてくることから、日本の物価が少しづつ下がるのはむしろ当然である。
それを2パーセントのインフレターゲットでお金を市場に溢れさせても、庶民には無関係で、電力などの石油関連は値上がりしても、その他のものはさらなるグローバル化進行で少しづつ下がることから、インフレターゲット達成は不可能に近い。
強いてインフレターゲットが達成される時を言えば、日本国債が信用を失い円売りが加速される時であり、それは日本の財政破綻する時を意味し、日本丸がタイタニック号となることに他ならない。
何故日本の内需商品が高くて国際競争力がないかは自明であり、工業製品輸出を最優先するために、犠牲となる農業などの内需産業を莫大な将来世代の負債で助成してきたからである。
そのような助成のやり方が負債を肥大させていき、原子力ムラで象徴される巨大な利権構造を生み出しているのだ。
そこでは適正な競争がなされないばかりか、目先の利益だけが追求され、かつての大本営の如く、将来世代への責任感が皆無である。
そのよい例が、国際的視点からも既に破綻している核燃料サイクル計画の継続である(注3)。
2月10日のNHKスペシャル「核のゴミどこへ・・・検証・使用済み核燃料」(注4動画)で30分頃から述べられているように、日本の核燃料サイクル計画は、提言書を出した経済産業省の若手官僚たちだけでなく、核燃料サイクル計画を政策した当時の官僚たち、さらには当時の電力会社幹部たちさえ、安全性だけでなく、経済的にも完全に破綻していることを認めている。
しかもその経費は巨額であり、経済産業省の若手官僚の提言書では、「再処理工場建設費の3倍を超えた前例をみれば、総額で50兆円を超えることもある」と明記されている(注5)。
それにもかかわらず政府が核燃料サイクル計画の続行を決めたのは、福嶋原発事故後の23回に渡る原子力委員会の秘密会議であり、会議に出席した鈴木達治郎委員長代理は先の番組で、「今の自分たちの属している団体や組織の利害というものが、今のサイクル政策にやはり、え・・直結しているという事で“やっぱり事業に影響がでるから止めて欲しい”・・・」と述べていた。
それはまさに、破綻している事業の継続理由が“利権”である、と述べていることに等しい。
こうした利権構造の財源は、将来世代を担保とした国債だけでなく、高速道路建設のための5兆円にも及ぶガソリン税、地方の空港建設を加速させてきた空港燃料税、リニアや新幹線建設を永続させる新幹線使用料担保、農業土木を含めた公共事業の自由自在に引き出せる特別会計財源、原発建設を推進させてきた電源開発促進税、箱物介護施設などで湯水のように使われる巨額な社会保障費などである。
確かに2030年まで休止を噂される高速増殖炉「もんじゅ」の日々1億円近くの維持管理費は、1000兆円に比べれば目くじらを立てる額ではないかも知れない。しかしそのような無駄な利権が積もり積もって、巨大な山をなしていることは明らかである。
したがってタイタニック日本を避けるためには、こうした利権構造を解体し、前回述べた学術会議の提言書に見るように抜本的に変えていかなくてはならないことは、誰の目にも明らかな筈だ。
しかし日本のメディアは真摯に追求することはなく、むしろ揶揄していると言っても過言ではない。
何故ならメディアも、利権構造に組み込まれているからだ。
(注1)4月7日シュピーゲルオンライン「金融危機への危惧」(下記全訳)
http://www.spiegel.de/wirtschaft/angst-vor-waehrungskrieg-weidmann-kritisiert-japans-geldpolitik-a-892980.html
(注2)アパート代は、ベルリン都心の広くて綺麗な2DKで370ユーロ(光熱費、家具、19パーセントの消費税込み。アレクサンダー・プラッツまで地下鉄で3駅)の安さだった。また買い物はドイツのどこにでもある大手スーパー「アルディー」で購入していたが、野菜や果物、そして牛乳や乳製品などの安さは驚くものがあった。
例えば大玉レタスが0,5ユーロ、人参1キロ0,45ユーロ、ジャガイモ2キロ1,2ユーロ(トルコ人の多いノイケルンまで行けば、5キロ0,99ユーロ)、大玉メロン0,8ユーロ、牛乳1リットル0,5ユーロ、バター250グラム0,8ユーロ、そして大きな1,2キロのライ麦パンが0,75ユーロ(マイスターのパン屋でもその日の特売を買えば、750グラムで1ユーロほど)。
(注3)2013年1月23日ツァイトオンライン
http://www.zeit.de/zeit-wissen/2013/01/Plutoniumluege
「世界を毒する遺産」を見出しに掲げる記事では、原発産業が将来プルトニウムのリサイクルできるだろうと期待して、何トンものプルトニウムを蓄えているが、これは誤った考えであり、まさに世界は今、恐るべき毒の遺産を抱えていると警告している。
(注4)動画http://www.dailymotion.com/video/xxeu27_yyyy-yyyy-yy-yyyyyyy_news?start=7
(注5)経済産業省の若手官僚たちが2004年春に出したPDF文章。
http://kakujoho.net/rokkasho/19chou040317.pdf</span>
Angst vor Währungskrieg
金融危機への危惧
Weidmann kritisiert Japans Geldpolitik
バイドマンは日本の金融政策を批判する
Japan setzt auf billiges Geld - und erntet dafür harte Kritik. Bundesbank-Präsident Jens Weidmann warnte die Notenbank des Landes davor, einen Abwertungswettlauf zu beginnen. Auch die deutsche Regierung ist besorgt.
日本は恐ろしく安い円の金融緩和政策に着手し、それに対して激しい批判を受けており、ドイツ連銀総裁は国の発券銀行が平価切下げ競争を始めることを警告した。同様にドイツ政府も懸念している。
Berlin - Bundesbank-Präsident Jens Weidmann hat den Kurs der japanischen Notenbank kritisiert. Man sei sich einig gewesen, zur Lösung der Probleme nicht mit einem Abwertungswettlauf zu beginnen, der am Ende nur Verlierer kenne, sagte Weidmann am Sonntag im Deutschlandfunk. Die Probleme des Landes lägen gerade nicht in einer mangelnden Versorgung mit Liquidität. Schuld an der Deflation seien vielmehr die demografische Entwicklung und die hohe Staatsverschuldung. "Und da muss meines Erachtens eine sinnvolle Politik ansetzen."
ベルリン発。ドイツ連銀バイトマンは日銀の方針を批判した。平価切下げ競争を始めることは問題の解決とならず、最終的に敗者であることを知るだけだろう、という意見では一致している、とバイトマンは日曜のドイツフンクの放送で述べた。国の問題は支払い能力の供給不足にあるのではない。デフレの責任は、人口統計学の推移と高額の国家債務にある。私見によればそこにこそ有効な政策を投入しなければならない。
Die japanische Notenbank hatte Donnerstag angekündigt, bis Ende 2014 die Geldbasis zu verdoppeln, die sich aus Bargeld sowie den Einlagen der Banken bei der Notenbank zusammensetzt. Dazu pumpt sie binnen zwei Jahren umgerechnet 1,4 Billionen Dollar in die Wirtschaft, vor allem über den Ankauf von Staatsanleihen, börsengehandelten Indexfonds und Immobilienfonds, um die Wirtschaft zu stimulieren.
日本銀行は木曜日(4月4日)に、2014年末までに日銀によって銀行の現金通貨と預け金からなるマネタリーベースを2倍にすることを伝えた。それで2年以内におよそ1兆4000億ドルが市場に供給され、経済を活性化するためにとりわけ国債や日本株指数連動証券、不動産証券の購入にあてられる。
Der Kurs ist international hoch umstritten, weil die Notenbank damit auch den Wechselkurs der japanische Währung, des Yen, schwächt - und damit japanische Exporte verbilligt. Das ist ein Nachteil für andere exportstarke Länder, wie etwa Deutschland.
そのやり方は国際的に大いに異論の余地がある。何故なら日銀が日本通貨円の為替相場を弱め、貿易品を安くするからだ。それはドイツのような輸出国にとって問題である。
Die Bundesregierung mahnte bereits am Freitag, dass sich Japan an die Verabredungen der G-20-Staaten halten müsse. Danach solle die Geldpolitik nicht eingesetzt werden, um sich "irgendwelche wirtschaftspolitischen oder exporttechnischen Vorteile" zu verschaffen.
既にドイツ政府は、日本がG20の取り決めを守るように勧告した。それによれば、いかなる経済政策的に、及び輸出技術的に有利にする金融政策を採るべきでない。
"Banken müssen abgewickelt werden können"
銀行は弁済されなければならないだろう
Weidmann mahnte im Deutschlandfunk zudem Konsequenzen aus der Zypern-Krise an. "Ich glaube, es ist wichtig, aus Zypern die Lehre zu ziehen, dass Banken auch abgewickelt werden können", sagte der Bundesbank-Präsident.
バイトマン総裁はキプロス金融危機に対して、「キプロス危機から、銀行は弁済しなくてはならないという規律を示すことが重要だと思う」と強調した。
Zypern sei zwar keine "Blaupause" für andere Länder, weil der Bankensektor außergewöhnlich groß sei und sich seine Finanzierungsstruktur von anderen Ländern unterscheide. Grundsätzlich befürworte er aber die Idee, ein "Abwicklungsregime" für Banken im Euro-Raum zu entwickeln: "Es geht darum, dass wir Banken, die in Schieflage geraten sind, nicht immer mit dem Geld der Steuerzahler retten müssen, sondern dass die Banken auch verursachergerecht abgewickelt werden können, ohne eine Gefahr für das Finanzsystem darzustellen."
確かにキプロス危機は他の国とって青写真ではないだろう。何故なら銀行部門は際立って巨大であり、他の国の金融構造は異なっているからだ。しかし本質的にユーロ圏で銀行の弁済という理念が拡がることを恐れている。我々銀行が不均衡に陥り、税金のお金で常に救出されるのではなく、金融システムの危機を作ることなく、引き起こした者の司法責任で弁済されるということが重用である。
Ähnlich hatte sich am Freitag die Präsidentin der Finanzaufsicht BaFin, Elke König, im Interview mit SPIEGEL ONLINE geäußert: "Unser Ziel muss es sein, marode Banken nach marktwirtschaftlichen Regeln abzuwickeln. Das heißt: Wer die Gewinne erhält, muss auch das Risiko tragen", betonte Deutschlands oberste Finanzaufseherin.
同様にドイツ連邦金融サービス監督庁(BaFin)のエルケ・ケーニッヒ長官女史はシュピーゲル誌のインタビューで、「我々の目標は、零落した銀行が市場経済の規則に従って弁済されなくてはならないことである。すなわち、利益を得るものはリスクを担わなければならない」と強調した。</span>
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