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2013年05月03日 板垣 英憲(いたがき えいけん)「マスコミに出ない政治経済の裏話」
◆「急いては事を仕損じる」という言葉があるけれど、安倍晋三首相は、焦っているのであろうか。アベノミクス、セールス外交、そして、憲法改正と、急がしい。政治家が、政治に命を賭けるのは当たり前だが、丸で、「寿命と競争」している感がある。
安倍晋三首相は、日本国憲法の改正に極めて意欲的である。それも、自民党結党(1955年11月15日)以来、約58年も最大の懸案事項としてきた「第9条」(戦争の永久放棄と戦力不保持)」だけの改正ではなく、「第96条」(改正手続き)から入るという。これを成し遂げた後に、「第9条」を含む「全文」の改正を図るという「2段構え」で目的を果たそうとしている。
憲法改正発議には、「衆参両院の各議院の3分の2以上の賛成」が必要な現行の「硬性憲法」を「過半数の賛成」で発議できる「軟性憲法」に改正し、そのうえで、「全文」を改正するという作戦である。
国民議論が、2分して激突する「第9条」よりも、議論が曖昧模糊とする可能性のある「第96条」を、いわば「飲みやすいオブラート」にして「苦い第9条改正」を後で飲ませようとしている。悪だくみに長けた海千山千の政治家が並み居る自民党の「巧妙な作戦」である。しかし、何か姑息で実に嫌らしい。武士らしくもっと正々堂々正面からぶつかって改正すればよいものをと思う。
◆というのは、すでに自民・公明連立与党は、衆院で3分の2を超える勢力を確保していて、7月21日の参院議員選挙で、圧勝して、「改憲勢力」が3分の2以上になる可能性があるからである。そうなると、わざわざ第96条を改正するまでもなく、「改正の発議」ができる。ならば、余計な手間暇をかけずに、一気に発議すればよい。2段構えなどと余計なことをしていると、元の木阿弥になってしまいかねない。
安倍晋三首相は、次期参院議員選の最大の争点として「第96条改正」を掲げると明言している。だが、「二兎を追う者は、一兎を得ず」という言葉があるように、折角、「アベノミクス政策」で高い支持率を獲得しているのに、「第96条改正」を持ち出すと、国民有権者が引いてしまう危険がある。
それは、朝日新聞が5月2日付け朝刊「1面」で「96条改定し改憲手続き緩和」「反対54%、賛成38% 本社調査」「9条改定反対52ぉ%」という見出しをつけて、世論調査の結果を報じているのが、暗示している。ひょっとしたら、「第96条改正」を争点にすると、折角の高支持率に水をさすことになる危険がある。そして、これが参院議員選挙大圧勝を損なうことにもなる恐れがあるのだ。
孔子は「過ぎたるは及ばざるが如し」(論語)と言っているが、やりすぎるのは、よくない。徳川家康は、「及ばざるは、過ぎたるより優れり」と遺訓の最後で教えている。
◆さらに苦言を呈すれば、改正発議要件を「過半数」にすると、憲法改正が容易になると、軽々しく考えている者が多いけれど、その副作用もよく承知しておく必要がある。
それは、第66条第2項の「文民」規定である。現行憲法は「内閣総理大臣その他の国務大臣は、文民でなければならない」としているのを、自民党改正草案は「内閣総理大臣及びその他の国務大臣は、現役の軍人であってはならない」としている。だが、「軟性憲法」により、憲法が改正しやすくなると、「現役の軍人であってはならない」と言う文言が削られたり、書き換えられたりする可能性が大となる恐れがある。いまのところは、そんな改正が行われるとは、考えにくいかも知れないけれど、世界や近隣の軍事情勢が変われば、再び「軍国化」への道が開かれないとも限らない。「いつかきた道」に、いつでも逆戻りできるのだ。自民党の憲法改正推進本部起草委員会の委員長が、防衛大学校出身の中谷元元防衛庁長官だというのも、不気味である。
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