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【私説・論説室から】検察審に欠陥はないか
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2013050102000132.html
2013年5月1日 東京新聞
陸山会事件をめぐって、元特捜検事たちが市民の審査を受けた。検察審査会のことである。
石川知裕衆院議員を聴取した捜査報告書が架空の内容だったため、虚偽有印公文書作成・同行使の疑いが持たれた。検察当局は不起訴としていた。
市民が出した結論は、一人の元検事について「不起訴不当」とし、検察に再捜査を求めた。二人の上司は「不起訴相当」だった。
問題なのは、市民に法的助言をする審査補助員と呼ばれる弁護士が、元検事だったことだ。しかも、最高検検事や検事正といった要職を務めた人物だった。
市民が検事の問題を審査をしているときに、元検事がアドバイスをするという構図はおかしい。公正さに疑問を持つ人が現れても当然ではないだろうか。
審査補助員は弁護士会の登録名簿の中から選ばれ、検察審の事務局に推薦される仕組みだ。
どうして元検事が今回、審査補助員に選ばれたのか。東京弁護士会に問い合わせたが、「適切に内部手続きをした」と理由にもならない返事が来た。元検事も「守秘義務があるので、ノーコメント」という。
検察審に欠陥はないか。小沢一郎氏が強制起訴されたときは、検察の誘導が疑われたほどだ。公正さが最も大事だ。そのために審査補助員は複数制にすべきだ。審査過程もできるだけ文書に書き込み、透明性も高めたい。 (桐山桂一)
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