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2013年05月02日 暗黒夜考〜崩壊しつつある日本を考える〜
ついにTPPの”黒幕”たる多国籍企業どもが表舞台に登場し、自身の利益誘導を計る一方的な具体要求を開始しはじめた模様である。
以前のエントリーにて何度もコメントしてきたとおり、TPPについては米議会の議員は無論のこと、大統領のオバマですらその具体的な内容に直接アクセスできず、GEをはじめとする名立たる多国籍企業群がその交渉内容(条件)を完全に掌握・差配しているというのが”事の真相”である。
即ち、日本国内のマスゴミ報道にて報じられているような日米政府間をはじめとする高官同士のやり取りなど、条件交渉でも何でもなく、多国籍企業の主張を”伝書鳩”的に確認し合っているだけのことである。
つまり、そこには真の条件交渉など存在しないのであり、マスゴミ報道における「聖域は死守」だの「求めるべきは求める」だのという類の安倍晋三の言葉は、あたかも交渉が進展しているかのように見せ掛けるための”虚構”だということである。
実際、以下に転載した赤旗記事を読めば、多国籍企業の連中が如何に露骨な要求を突きつけてきているかが窺い知れよう。
同記事中にある多国籍企業の要求内容は以下のとおりである。
○「(TPPは)アメリカとアメリカの企業に巨大な利益をもたらす機会」(GE)
○「新開発食品と栄養機能食品の成分・食品添加物の名称・割合・製造工程の表記の緩和(”食の安全性確保”の規制緩和)」
○「主要高速道路、主要公共建築物、鉄道と駅舎の調達、都市開発、再開発事業など日本の大型公共事業へのアメリカ企業の参入」
○「食品添加物の認可手続きの迅速化や防かび剤使用の規制緩和」
○「コメなど主要品目の関税撤廃と、米国産リンゴに対する防疫措置義務の撤廃」(ウォルマート)
○「ポストハーベスト(収穫後に使用する農薬)の防かび剤の登録手続きの緩和」(カリフォルニア・チェリー協会)
○「日本の残留農薬基準の緩和」(カリフォルニア・ブドウ協会)
これらは勿論、多国籍企業群による要求のごく一部であるが、これだけをみても連中の横暴さが十分に伝わる内容であり、日本のあらゆる産業分野が”アメリカ市場化”されることは自明であろう。
改めて「TPP参加」が日本の経済植民地化以外の何ものでもない”売国行為”であると実感する次第である。
また、アメリカ側が”毒素条項”たる「ISDS(投資家対国家の紛争解決)条項」を盛り込むことを主張し、外国企業が相手国の政府に訴訟を起こすことができる権利を主張している点についても改めて危機感を強く持つ必要があるであろう。
即ち、2011年の段階で米通商代表部(USTR)が「オバマ政権のゴールは、米国の労働者や経営者がアジア太平洋地域での競争で勝者となるためのよい立場を確保する」と明言していることの意味する所をよくよく再認識すべきだということである。
そしてもう一点着目すべきは、以下の赤旗記事にて、安倍晋三が「TPP交渉で守るべきものを守る」と言っていることが、米議会への通知ではなんら保証がなされていないという事実が具体的に記述されている点である。
即ち、2/22のオバマ・安倍による日米首脳会談の共同声明にて「日本には一定の農産品、米国には一定の工業製品というように、両国ともに2国間貿易上のセンシティビティが存在」とされていた内容が、米議会への通知内容では欠落(無視)され、TPP交渉の中でアメリカ側に日本の農産品に配慮する姿勢がないことが明らかになったということである。
今後、日米両政府は21分野にわたるTPP交渉と並行して9分野について2国間で協議するとされているが、この30分野についてはあの忌まわしき「日米経済調和対話」(=年次改革要望書2.0)の内容そのものと言ってよいものである。
つまり、「TPP」とはアメリカ側から長きに亘り要求されてきた「日米経済調和対話」(=年次改革要望書2.0)と同義だということである。
今後、我々日本国民は露骨で不平等な対日要求を嫌というほど耳にすることになるであろう。
「TPP参加」を正式表明し交渉のテーブルについてしまった今、もう引き返すことはできないのである。
ニッポンの飛び乗ったバスは後戻りのきかない「地獄行き」のトンでもないバスである。
※参考1「【必読】 「TPP」を推進すべく裏で米政府を操る黒幕たちの正体 〜その1〜」
http://blog.goo.ne.jp/tarutaru22/e/4ee465a2dea1493a9478110a23373357
※参考2「【必読】 「TPP」を推進すべく裏で米政府を操る黒幕たちの正体 〜その2〜」
http://blog.goo.ne.jp/tarutaru22/e/909ad491107085b9345e7b7d391b61ec
※参考3「『日米経済調和対話』(別名「年次改革要望書2.0」)を米大使館が堂々公表」
http://blog.goo.ne.jp/tarutaru22/e/3c34ca1efaa7c549ab34110e1edfaf88
(転載開始)
◆TPPで日本を「構造改革」 米多国籍企業の利益に
食品添加物 表記は負担だ/コメ関税 企業活動妨げ/大型公共事業 参入させよ
2013年5月1日(水) しんぶん赤旗
米通商代表部(USTR)は4月24日、日本の環太平洋連携協定(TPP)交渉参加を認める方針を米議会に通知しました。米多国籍企業の利益のために、日本国民の暮らしの安全・安心が売り払われようとしています。
(金子豊弘)
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○GE副社長「巨大な機会」
米政府が議会に日本のTPP交渉参加の通知をしたその日、米上院財政委員会では、TPPに関する公聴会が開かれていました。
公聴会の中でボーカス委員長は、「今、日本はわれわれの輸出にたいして、多くの障害を維持し続けている。しかし、この世界第3位の経済国がこれらの障害を取り除いたとき、大いなる機会がつくり出される」と発言。農産物を含めた米国産品の輸出拡大のため日本市場を一層こじ開ける姿勢を強調しました。
米電機大手のゼネラル・エレクトリック(GE)のカラン・バティア副社長はTPPへの日本参加は、アメリカの貿易政策の主要な目標である日本の市場開放と「構造改革」を迫ることになるとの認識を示し、「アメリカとアメリカの企業に巨大な利益をもたらす機会となるだろう」と強調しました。
○身勝手な開放要求
USTRが4月1日に発表した2013年版外国貿易障壁報告書には、日本への身勝手な市場開放要求が並べたてられています。
報告書は、「新開発食品と栄養機能食品について、成分と食品添加物の名称・割合・製造工程の表記を求めていることは、負担が大きい」として、「食の安全性確保」のための措置を緩和するよう求めています。また、主要高速道路、主要公共建築物、鉄道と駅舎の調達、都市開発、再開発事業などの日本の大型公共事業にアメリカ企業の参入を求めています。
貿易障壁報告書と同時に発表された「衛生植物検疫措置報告書」(13年版)でも、食品添加物の認可手続きの迅速化や防かび剤使用の規制緩和などを求めています。
○業界団体主張反映
米政府の対日要求は、アメリカの多国籍企業の要求を反映したものです。昨年1月から2月にかけてUSTRが募った意見には、業界団体や大企業の要望が寄せられました。小売業世界最大手のウォルマートは、コメなど主要品目の関税が日本での企業活動を妨げていると一方的に主張。また、米国産リンゴに対し、日本は防疫のための措置を義務付けており、輸出が抑制されていると不満を表明しました。カリフォルニア・チェリー協会は、ポストハーベスト(収穫後に使用する農薬)の防かび剤の登録手続きの緩和を求めました。カリフォルニア・ブドウ協会は、日本の残留農薬基準の緩和を要求しました。
米国貿易緊急委員会は、外国企業が相手国の政府に訴訟を起こすことができる「ISDS(投資家対国家の紛争解決)条項」が必要だと強調しました。
TPPが米国企業にもたらす恩恵について、USTRのマランティス次席代表(当時)はこう強調したことがあります。
「オバマ政権のゴールは、米国の労働者や経営者がアジア太平洋地域での競争で勝者となるためのよい立場を確保する」(11年12月14日の米下院歳入委員会貿易小委員会)
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安倍首相「守る」保証なし
米政府の議会への通知でも
米政府による議会への通知は、安倍晋三首相が、交渉で「守るべきものを守る」としていることに、なんの保証もないことが改めて示された形となりました。
通知の中でマランティスUSTR代表代行は、「日本は農産品と工業製品を含む全ての物品を交渉対象とし、今年の交渉妥結を目指すと約束した」と説明しました。2月22日の日米首脳会談の共同声明では、「日本と米国は、日本には一定の農産品、米国には一定の工業製品というように、両国ともに2国間貿易上のセンシティビティが存在する」としていました。しかし、議会への通知には、このことへの言及が欠落。交渉の中で米政府には、日本の農産品に配慮する姿勢がないことを示しました。
通知は、「米政府は、議会側と徹底的かつ広範に協議していく」ともしています。事前協議で日米両政府は、21分野にわたるTPP交渉と並行して9分野について2国間で協議することを約束しました。これらの問題で、今後も通商交渉の権限を有する議会からの圧力を受けた米政府による市場開放要求がさらに強まる可能性を含んでいます。
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並行交渉の9分野
日米2国間交渉で協議することを両国政府が合意しました。自動車分野のほか、九つの広範な分野にわたります。(1)保険(2)透明性(3)投資(4)知的財産権(5)基準(6)政府調達(7)競争政策(8)急送便(9)衛生植物検疫措置―です。これらの分野の交渉は、TPP交渉と並行して行われ、法的強制力をもつ措置も含めた対策を講じることが決められました。
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(転載終了)
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