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2013年04月30日 世相を斬る あいば達也
米国、中国、韓国と日本の関係になると、マスメディアは双方のクシャミに至るまで、あることないことを報道する。昨夜、我が国の内閣総理大臣である、安倍晋三様はロシアのプーチン大統領と3時間20分も会談、共同声明するに至った。この出来事は、本来であれば安倍晋三様にとって、首相就任以来最大の業績だと思われるのだが、マスメディアの反応は今ひとつである。当然、ネット上の議論等々も、盛り上がりに欠けている。或る意味では、ロシアという隣国との関係が善かれ悪しかれ、想像以上に疎遠である証左かもしれない。
筆者を含め、多くの人々がロシア情報を持っていない為に、寡黙にならざるを得ないのかもしれない。安倍プーチン共同記者会見で、お馬鹿なTBSの記者が、両国のこれから構築しようと云う良好な関係改善への努力に水を注す、悪意に満ちた質問が、最も重大な話題として興味を持たれるような状況になっている。外交に能天気であり、対ロシアとなれば、殆どチンプンカンプンな人々にとって、TPPや尖閣に比べれば、まだまだ興味の枠内に入らないのだろう。筆者も似たようなものだ。
しかし、注目しておくべきことが二つ理解できた。ひとつは、日露による経済協力体制構築が、非常に前向きに行われようとしている事実である。安倍プーチン会談の報道は、日経新聞が最も多くの紙面を割いている。ウェブサイト上も、極めて熱心だ。今回の安倍のロシア中東訪問が、いかに経済外交であるかを証明している。日経は以下のように伝えている。
≪ ロシアビジネス狙う企業、首相訪ロに100人同行
安倍晋三首相の訪ロに合わせて100人を超える経済人がロシアを訪れている。首相の外遊同行としては過去最大規模。首脳会談を契機に日本の技術・ノウハウを生かした製品やサービスの輸出拡大を狙う。官民挙げたトップ外交がアベノミクスの第3の矢である成長戦略につながるか、今後の「成果」が注目される。 29 日はロシア直接投資基金主催のロシア投資ラウンドテーブルに200人以上の企業関係者が集まった。30日には政府主催の日ロフォーラムで都市インフラ整備・エネルギー、医療・先端技術、農業・食品の3分野を軸に協力の可能性を探る。
外務省の調査によると、ロシアに進出している日本企業は444社(2011年10月時点)と4年間で約100社増えた。年間直接投資額は08年以降3億ドルを上回る水準が続いている。企業にとって資源国や内需が拡大する新興国という面に加え、中央アジアなど周辺市場開拓の足がかりとしても重要性が増してきている。
都市インフラでは日本が世界的に先行する省エネ技術やIT(情報技術)を駆使したスマートシティー構築で商機がある。モスクワやサンクトペテルブルクなど大都市で計画がある。
川崎重工業はエネルギー効率が高いガスタービンを中核設備として売り込む考え。既に日建設計、三井不動産、東芝などとの企業連合でロシアの不動産会社とスマートシ ティー整備に関する覚書を交わしている。
経済成長に伴う富裕層の拡大も高度医療の需要拡大や日本食への関心の高まりといった形で追い風になる。
住友重機械工業は日本政府と連携しモスクワに最先端のがん治療を手がける病院を建設する計画だ。放射線治療の最新鋭機器を導入する。キッコーマンはオランダで製造したしょうゆをロシアで販売する。現地の料理に合ったレシピを提案し需要を喚起する。
3分野以外でも自動車関連など日本企業の動きは活発。三井物産はロシア自動車大手ソレルスの合弁会社「ソレルス・ブッサン」と2月、ウラジオストクの新工場でトヨタ自動車ブランドのSUV(多目的スポーツ車)の組み立てを始めた。トヨタが生産技術と部品を供与。車両はシベリア鉄道で輸送しトヨタの販売網を利用してロシア全土で販売する。≫(日経新聞:モスクワ=平本信敬)
上記の日経の記事に加え、ロシアのLPGガス共同開発やパイプライン構想など、ロシアの資源と日本の資金による、共同事業は一定の水準で、両国の経済発展に寄与するだろう。ただ、ロシアと云う国のカントリーリスクは、ある面で中国以上なので、その事は、別途踏まえる必要があるのだろう。ただ、これも日露両政府の親和的外交がどこまで継続できるかにかかっているのだろう。そこで、面白いコラム(第二番目の注目)を見つけたので、紹介しておく。このコラムの目線は、相当に粗雑なものだが、一読に値する。何故なら、我々はロシア人の目から見る、日本の外交姿勢を知ることが可能だからである。まったく筆者などとは異なる視点で、安倍外交を見ているのが、大変興味深い。
≪ アメリカンドリームに別れを告げる日本
安倍首相は、2月18日に第2次世界大戦後の米国による占領終了60周年を祝う提案を 行なった。
この発案について、アンドレイ・イヴァノフ評論員は、戦後制定された日本国憲法の見直しを図るため、断固とした一歩を踏み出したしるしととらえている。
米国による占領終了を祝おうなどということを考え付いた首相は、戦後から今まで誰もいなかった。これについてイヴァノフ評論員は、安倍首相が米国訪問後にこの発案を行なったことは特徴的だとコメントする。
安倍首相は尖閣諸島の所属問題を巡る中国との論争において米国がオープンにきっぱりとした態度で日本の肩を持つだろうと期待していた。ところがオバマ大統領はこれを退けた。島の問題を理由に自国にとって巨大な経済パートナーと言い争う気はないとしたのだ。このオバマ大統領の態度が中国にいよいよ確信を与えただろうことは疑う余地もない。
この結果、中国はその立場を強硬化させた。つまり島を守るのは日本人ひとりでやることになる。こうしたことを背景にすると 2月28日、米国占領終了記念日をやるとい安倍首相の提案は米国に対し、「占領は終わった」ことを報告したシグナルとなったといえるだろう。
日本は独立国であり、独自の国益を持ち、それを守ることができるというわけだ。 こうしたメッセージに米国がどう反応するかは今のところ不明だが、琉球大学の宮里政玄名誉教授らを筆頭とするグループはすでに憤慨を表している。宮里名誉教授は、沖縄が日本から切り離された日を祝うというのは、あたかも沖縄が日本の領土ではないかのように響く発言だとコメントした。
米国は1952年、日本は自国の領土を統括する権利を有すと認めておきながらも、沖縄に関してはさらに20年間にわたってコントロールし続けた。しかも1972年に沖縄を返還した後も、それに自国の基地を残し続けている。
沖縄の米軍基地問題は日米関係における大きな苛立ちの種だ。鳩山由紀夫元首相はこれを解決しようとし、普天間基地を島の外に移転することを強要したが、その結果、米国側からのボイコットにぶつかり、すぐに首相のポストを失った。
鳩山氏は日本の外交政策を米国からより独立したものにする必要性を表し、これによって米国政府を怒り心頭させてしまった。 鳩山氏に比べ安倍氏はこういったことはおくびにも出さず、機会ある毎にいかに日本にとって米国との防衛協力が重要であるかを強調してきた。特に中国、北朝鮮が群の強化を図るなかではなおさらだ。しかし尖閣諸島での中国との論争において日本を支持しないといオバマ大統領のはっきりとした拒否にあい、安倍首相は絶望的な賭けに出ざるをえなかったのだ。
米国占領終了60周年の祝いを盛大に行なうことで、安倍氏はおそらく、米国は国益の擁護に務めようとして日本を占領したのだという単純な真実を国民の意識に届かせようとしたのではないか。
しかしながら占領はとうの昔に終わっている。日本は全く違う国になった。日本には独自の国益があり、それはなんとしても 守らねばならない。誰も日本を守ってくれはしない、というのは米国の「安全の傘」がある程度損なわれたことをはっきり示すほのめかしといえる。
もしこのシグナルが米国に届かず、的確に理解されないのであれば、阿部首相は憲法改正に国民を向かわせることに成功するだろう。特に米国には気に入らない安倍氏の円安政策によって日本経済が息を吹き返した場合、これは安倍氏にとっては、日本に利益にならない米国の金融路線の押し付けから解放されたと宣言する機会を与える。
これで米国占領軍の押し付けた憲法を修正するときがきたということができる。 しかし、憲法見直しは60年以上にもわたってアジア太平洋地域の安定を維持してきたシステムの解体を意味することになる。
多くのアジア諸国は、中国を筆頭としてこれに非常に鋭い反応を見せることは間違いない。
おそらく安倍氏はまさに、中国の軍事的脅威が高まったことは米国がその忠実な同盟国である日本と、中国との間に抱える領土問題における日本の立場をより尊重せよというということを見込んでいるのだろう。
しかしながら、これは非常に危険なゲームとなり、簡単に越えてはいけない限界を超え、外交上の企みや脅しはもう終わり、本当に戦闘行為が開始されてしまうことになる。≫(ザ・ボイス・オブ・ロシア:私見アンドレイ・イヴァノフ評論員)
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