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2013年04月29日 世相を斬る あいば達也
今夜は不思議な感慨に耽っている。安倍晋三という不幸にも、人生に幸運が二度も重なって舞い込んだ政治家の自暴自棄な振舞いを通して、日本人の色々なDNAを感慨深く感じている次第だ。平安時代の陰陽師・安倍晴明の血脈に繋がるのではないかと思うほど、民を奈落に突き落そうとしている。しかも、その呪いつきの行為が、最終的には民を救うのだ、と言われているようだ。
オマエは何を言っているのだ!京極夏彦にでもなったつもりなのか?と問われそうである(笑)。しかし、冷静に安倍の行動を見たり聞いたりして、日頃、悪口雑言の限りを尽くしている自分が居るわけだが、どこかで、安倍の自暴自棄(本人は論理的に動いているつもり)が生むであろう国家の存亡も、時と場合には、国家救済の最終兵器と云う考えが出来ない事もない。勿論、歪曲と想像を織り交ぜた、究極の納得手段であるのだが(笑)。
なにやら逆説的なのだが、戦後、焼け野原とかした日本では、生活の悲惨さに反した朗らかさが明確に存在したと云う事実だ。戦後の日本は町中が細民窟だったそうだ。しかし、そこに住む人々には敗戦の屈辱とか、挫折感とは縁遠い朗らかさと躍動感があったのだという。その明るさは、何ひとつ裏付けはなく、ただ朗らかで、無知で、下品だったが、生命力豊かだったのだそうだ。或る意味で、どん底を愉しんでいる趣きさえ感じる状況だったらしい。勿論、筆者は生まれてもいないので、知る由もないが、文学的には、そのような感じだったと云う事だ。
そのどん底を愉しむ民の群れは、食うために朝から晩まで働き、くたくたの体であばら家に戻るのだが、彼らの生命力は目を疑うばかりの強さで、衣食住さえ満足が得られず、これといった将来展望などを裏付けるものゼロにも関わらず、ゼロ故の強さは、毎夜子作りにも精を出すに至っている。団塊世代と呼ばれる人々は、そうして戦後日本の高度成長の担い手になったのである。子育ての環境を整えることが、少子化の対策と言われて久しいが、それは真実から程遠い思い込みかもしれない。
このような観察眼が妥当かどうか別にして、一つの観察の眼であった事実に着眼すると、案外人間と云うもの、共通の悲劇(不幸、負債)を共有した場合、共同体の集結が、いとも容易く出来てしまう事を示しているかもしれない。つまり、団結とか、そういう人間が群れる行動には、共通の悲劇が必要なのかもしれない。そのパワーは猛烈なもので、政治や行政がどれ程の仕掛けをしても得られないものを生みだすのかもしれないのだ。すべて民族に当てはまる話ではないのだろうが、ユダヤ民族なんてのは、悲劇が続けば続くほど、選ばれた民としての自覚が生まれるのだから、世界に類がないわけではない。
日本民族とユダヤ民族が、悲劇の共有で強い民族になって行くとしたら、悲劇は、一種民族のビタミンなのかもしれない。勿論、ユダヤ民族と日本民族に、民族的共通点は少ないのだが、虐げられた時に強い民族と云う点では一致する部分もあるような気がしてきた。特に、考えた上の話ではないので、深く突っ込まれてると返事に窮する(笑)。案外、やおよろずの神が日本人に与える試練として、安倍晋三と云う人間の運命を弄くりまわしたと考えると、存外、安倍晋三の出現は、日本民族に悲劇をもたらし、更なる飛躍の触媒として作用する為に用意されたものかもしれない。つまり、その先には飛躍がある。
こんな風に考えると、政治的にも、思想的にも、無意味で害あって益なしな話になるが、個人的には、それも悪くないかもな?などと思ってしまう。日本から、富と云う富のすべてが奪われ、最貧国家になればなるほど逞しい日本民族が出現するのであれば、安倍晋三や野田佳彦や菅直人が出現した意味合いもあると云うものだ。無茶苦茶投げやりな考えだが、そう思えば、腹も括れるということだ。そもそもマイナスからプラスに転じ、またマイナスに戻るだけ、なまじの富が、収奪と云う恐怖を感じるのであって、奪われてしまえば元の黙阿弥。やり直せば良い事である。
まぁ上述のように考えれば、安倍晋三や麻生や竹中が、どれ程日本売りに精を出そうと、苛立つ事もない。今度はロシアと中東に行き、日本を売り込むのだそうだが、売り込むのか、日本を売りに行くのか、その辺の区別が出来そうもないので、期待薄だ。主権を回復したと言っていたが、まるで原発収束宣言と同じ臭いだ。野田と安倍は双子ではないかと、筆者などは錯覚してしまう。主権を回復したのに、なぜ領土は戻ってきてないのだ?沖縄は日本領土ではないのか?竹島はどうなった?北方四島も領土だよな。取り返すべきものを取り返しもせずに、主権が回復した、はないだろう?恥を知れ、恥を。そうそう、拉致被害者の消息すらも掴めず、安倍の主権の概念自体、狂っているのではないのか?
注目だと云う、参議院山口補選が終わった。勿論、勝ったのは自民党公認の江島という人だ。相手が酷過ぎた。なんと言っても、応援団長が菅直人なのだから、勝ったらオカシイ!平岡とか云う御仁は、菅・仙谷・江田五月一派の残党なのだから、江島と云う自民党候補の半分の票を得ただけでも善戦と言えるくらいだ。まさかと思って見たが、生活は推薦もしてないので、胸を撫で下ろしたが、今や、民主党では絶対勝てない、維新でも勝てない、だから自民党が勝てるかと言えば、必ずしも絶対的ではないはずである。
今さら、何らかの風が巻き起こる気配もないのだから、今回の山口の選挙のように40%を切る低投票率で、自民党が漁夫の利を得るのかもしれない。まぁ、前半の筆者の述懐を踏襲するのなら、サッサと奈落の底まで行くのなら、早いところ行ってしまえよ、と云う考えも一興である。奈落が早ければ早いほど、立ち直りも早い。芋でも麦でも、食せるものはすべて食んでみる日本も良いではないか。半端な貧乏国家にとどまるなよ!終戦後並の悲劇的状況になっても、日本に日本民族が存在する限り、必ず盛り返す。この次は、隷属に陥る禍根を残さない国家になれば良い。今夜は、些か個人嗜好のエッセンスを効かせすぎたが悪しからず。
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