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2013.4.28 21:34
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130428/stt13042821360003-n1.htm
28日投開票が行われた参院山口選挙区補欠選挙(被選挙数1)は、自民公認で元下関市長の江島潔氏(56)=公明推薦=が、民主党元衆院議員で元法相の平岡秀夫氏(59)=民主、みどりの風推薦、社民支持=ら3氏を破り、初当選を果たした。これで自民党は山口県の衆参6議席を独占し、民主党の凋落を決定づけたが、もう一つ大きな意味がある。「脱原発」を声高に訴えた平岡氏らが無残に散ったのはなぜか。「安全な原発は再稼働すべきだ」というのが、静かなる民意だと受け止めるべきではないのか。(新川俊則、大森貴弘)
「選挙戦を通して有権者の安倍政権に対する大きな期待をひしひしと感じてきました。国政と山口県をつなぐパイプ役として地方の声を反映し、安倍内閣の前に立ちふさがる諸課題解決に努めたいと思います」
午後8時すぎ、当確の知らせを受けて山口市のホテルに現れた江島氏は、壇上で支持者らに囲まれて万歳三唱し、初当選の喜びをかみ締めた。低投票率については「ゴールデンウイークと重なるので厳しくなるのは覚悟していたが…」と少し残念そうだった。
安倍晋三首相のお膝元、かつ政権初の国政選挙だけに自民党にとっては絶対に負けられない選挙だった。しかも平岡氏は民主党内でも超リベラル派であり首相にとっては不倶戴天の敵。首相自らが山口県を横断遊説したのは「夏の参院選を前に民主党を完膚なきまでに叩きのめしたい」と思ったからに違いない。
不安もあった。江島氏は元下関市長とはいえ、県東部では無名に近い。自民党支持者でさえ補選への関心は薄かった。首相に加えて高村正彦副総裁、河村建夫党選対委員長、林芳正農水相、岸信夫衆院議員の「長州ファイブ」がそろい踏みでテコ入れを図ったのは「呑気に構えていては足下をすくわれる」と考えたからだ。
「敵失」に救われた部分も少なからずある。
平岡氏は「穏健保守からリベラルまで幅広い反自民勢力の結集」を掲げ、民主党の公認を拒み、無所属で出馬した。夏の参院選を前に余計な選挙をしたくなかった連合山口は「これ幸い」とばかりに推薦を見送ったため、傘下労組はほとんど動かず、集会や遊説はどこも閑散となった。
「脱原発」を掲げ、市民団体との連携を優先させたことも民間労組の反発を招いた。「山口育ち」を売りにする菅直人元首相が頻繁に山口入りしたことも逆効果を招いた。
平岡氏が岩国市内の選挙事務所に姿を現わしたのは午後8時すぎ。「皆さんの期待に添えなかったのは、私の力不足です。すいませんでした…」と深々と頭を下げた。
だが、集まった支持者は30人足らず。民主党にとって連合という「選挙マシン」がいかに大きな存在なのかを如実に物語った。「脱原発」が争点にならないこともはっきりした。
それでも平岡氏は報道陣に「安倍政権の支持率が高いのはマスコミが作り出したムードだ。もっと本質的な政策論議をしたかった」と強弁した。メディアへの責任転嫁は菅氏の「十八番」。類は友を呼ぶ−。
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