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2013-04-25 文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ 『毒蛇山荘日記』
「マイケル・グリーン」と言えば、おそらく政治にちょっと関心のある人なら、「知らぬ人はいない」だろう。もちろん本職は「日本研究者」であり、とりわけ「日米安保論」の研究者である。日本滞在歴も長く、日本語も達者で、一時は「岩手日報」記者だったこともあり、また椎名素夫議員(岩手県選出)の秘書も勤めていたこともあるらしい。しかしマイケル・グリーンが有名なのは、それだけが理由ではない。つまり、単に有能な日本研究者だから有名なのではない。実は、マイケル・グリーンが有名なのは、いわゆる「ジャパンハンドラー」の一人だからだ。しかも、一連の「小沢事件」を、裏で指揮したのではないかと疑われている重要人物なのだ。ところで、孫崎享は、その著書で「日本研究者」「日米安保論研究者」としてのマイケル・グリーンを頻繁に引用、紹介しているが、その裏の顔、つまり、「ジャパンハンドラー」としてのマイケル・グリーンについては 、僕が読んだ限りでは、まったく言及していない。何故か。知らないのか。むろん、Twitterなどでは、「マイケルグリーンがジャパンハンドラーである」と 、アーミテージやジョゼフ・ナイと並べて言及しているから、孫崎享が「マイケル・グリーンの正体(ジャパンハンドラー)」を知らないわけではないだろう。しかるに、孫崎は、著書では、マイケル・グリーンの著作や論文を、かなり「好意的」に紹介しているだけである。何故なのか。
マイケル・グリーンという2001年から04年まで国家安全保障会議(NSC)の日本・朝鮮担当部長となった日本通がいる。彼は「日米同盟を強化すべし」という論陣をはってきた。だから、多くの人は、彼には「日米同盟を強化すべし」の発想しかないと思っている。しかし、彼は学者としても優秀で、客観的にも情勢を見極められる人物である。(「不愉快な現実」p58)
これは普通の文章であろう。別に何かが変わっておるというわけでもない。しかし、相手は「マイケル・グリーン」である。マイケル・グリーンをこういう普通の文章で、さりげなく引用し、「マイケル・グリーン」も何も知らない読者に紹介するのはおかしいだろう。
(続く)
孫崎享とマイケル・グリーン(2)
http://d.hatena.ne.jp/dokuhebiniki/20130427/1367058403
2013-04-27
孫崎享が、マイケル・グリーンを好意的に紹介しているのは『日米同盟の正体』(講談社現代新書、2009/3/20)でも同じである。しかも、一度や二度ではない。孫崎享は、しきりに「戦略的思考に弱い日本」「無知無能の日本人」を強調しながら、つまり日本人の戦略的思考力の欠如を批判・罵倒しながら、その論拠としてマイケル・グリーンの論文を引用しているのだ。つまり、孫崎享の「種本」の一つが、紛れもなくマイケル・グリーンなのである。孫崎享の『日米同盟の正体』から、マイケル・グリーンに言及している部分を引用する。
2001年に国家安全保障会議(nsc)日本・朝鮮担当部長、〇四年同上級アジア部長兼東アジア担当大統領特別補佐官の任に就くなど、米国内で東アジアの専門家として新任されているマイケル・グリーンは、論文「力のバランス」で次のような説明をしている。(中略)
グリーンのこの解説は驚くほど率直である。グリーンは「いまや、この同盟はソ連に対するアメリカのグローバルな軍事封じ込め戦略の中心的な構成部分となった」、日本のシーレーン構想は「欧州におけるソ連の攻勢にに地球規模で対応する」戦略の一環であると述べている。当時、日本政府の関係者の中で、こうした説明を国民に行った人はおそらく皆無だろう。さらに言えば、ぞっとする話であるが、当時、日本政府内に このことを理解していた人はいなかったのではないか。これが日本の安全保障政策の実体である。
米国の戦略を十分に理解しないで米国の戦略に乗っかかっていく日本という流れは、何もこのときに限ったことではない。事態の本質を見極めきれず、米国の表面上の説明を鵜呑みにするという対応は、その後のイラク問題、アフガニスタン問題でも継続している。(中略)
グリーンの議論、特に欧州におけるソ連の攻勢に地球規模で対応するという部分は、日本の政策を考える際には、世界全体の安全保障の状況を考えなければならないことを示す好個の材料である。(『日米同盟の正体』p38−39)
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