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「日本閣僚・議員の靖国参拝と中国船の尖閣入域」(RFIの記事)
http://www.asyura2.com/13/senkyo146/msg/826.html
投稿者 無段活用 日時 2013 年 4 月 27 日 17:10:26: 2iUYbJALJ4TtU
 

(Le sanctuaire Yasukuni ravive les tensions entre le Japon et ses voisins : RFI)
http://www.rfi.fr/asie-pacifique/20130422-japon-yasukuni-tensions-chine-coree-sud-taro-aso


日本/韓国/中国−記事発表:2013年4月22日月曜日17:22−最終更新:2013年4月22日月曜日17:24

靖国神社のために、日本と隣国の間に再び緊張が走る

記者 RFI


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春の祭典の機会に、麻生太郎副首相は靖国神社に黙想を捧げる。2013年4月21日、東京にて。
REUTERS/Kyodo



日本の閣僚3人がこの週末に靖国神社を訪問したことを受け、韓国政府は外務大臣の日本訪問中止を決めた。中国・韓国の両政府にとって、靖国神社は日本帝国主義の過去の象徴だ。中国はまた、日本の政治的リーダーたちの受け入れを拒否した。


報告 RFI東京特約記者、フレデリック・シャルル

韓国の外務大臣が東京旅行を中止した。麻生太郎・日本副首相が靖国を訪問したため、1930〜40年代に日本の軍国ヒステリーの犠牲となった、数千万のアジアの人々の記憶が辱められたと、その大臣は考えた。中国は中国で、習近平新主席と北京で会いたいと望んでいた、日本の政治的リーダーたちの訪問団との面会を拒否した。

大アジア戦争の間、靖国は日本の超国家主義の思想的支柱としての役割を果たしていた。今日、この神社は否定主義なり修正主義なりの拠り所として一役買っている。安倍晋三首相でさえ、軍国主義日本の過去における最も痛ましいエピソードのいくつかは、非常に誇張されたものだと考えている。

安倍晋三氏は現在、日本の平和憲法を見直そうと模索している。しかし、安倍晋三首相に並ぶ日本の政治的リーダーたちさえもが現在では不都合だと考えている、この怪しげな過去が、相変わらず日本と隣国との関係を台無しにしている。


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(Regain de tension entre la Chine et le Japon autour des îles Senkaku : RFI)
http://www.rfi.fr/asie-pacifique/20130423-japon-chine-senkaku-conflit-yasukuni


日本/中国−記事発表:2013年4月23日火曜日17:52−最終更新:2013年4月23日火曜日17:52

尖閣諸島周辺で、中国と日本の間に再来する緊張

記者 RFI


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東シナ海の尖閣諸島から遠くない海上で、日本の巡視船の近くを航行する中国の監視船を空撮。
REUTERS/Kyodo



火曜日、中国政府の船隊が尖閣諸島の水域に入った。尖閣諸島は日本の施政下にあり、日本の首相は、いかなる上陸の企ても拒絶すると警告した。数々の日本の戦争犯罪者たちが祀られている靖国神社を、日本の国会議員たちが訪問すると発表されてから、この緊張は急激に拡大している。


報告 RFI東京特約記者、フレデリック・シャルル

沖縄の南方400kmに位置する尖閣諸島周辺の日本領海内に、これほど多くの中国監視船が同時に侵入したのは、今回が初めてだ。無人だが天然ガスの豊富なこの島々に、もし上陸の事態があった場合は武力を行使すると、安倍晋三・日本首相が脅しをかけたのも、やはり今回が初めてだ。

これに並行し、日本の超国家主義者150人のグループが、9隻の船に乗り尖閣諸島に向かって進んでいる。日本の巡視船に拒絶されなかった場合、彼らは上陸するつもりかも知れない。

この緊張の高まりは、特に、先週の麻生太郎・日本副首相による神道の靖国神社訪問によるものだ。水曜日には、日本の国会議員170人も同様に靖国を訪問する予定だ。崇敬の場所・靖国は、この数年の日中両国間の緊張の核心となっている。祖国に殉じた人たちの中心にいた、戦争に責任のある犯人と認知されている14人の日本人がそこに祀られているからだ。その戦争の間、靖国は日本の超国家主義の思想的支柱としての役割を果たしていた。

この神社は今日、日本の最も痛ましいエピソードのいくつかを否認し、平和憲法の見直しを模索している安倍晋三氏の姿に見られるような、右派日本人の修正主義の拠り所となっている。中国は1930〜45年の日本占領の痕跡を大きくとどめており、この場所に思いを寄せることは、その戦争と中国占領を正当化する許し難い行為だと考えている。

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(投稿者より)

RFIサイトに掲載された記事です。誤訳があるかも知れません。ご容赦下さい。

靖国をめぐる問題が外からどう見えるか、知っておくのも悪くないと思いました。記者はいつものように、出来事の全体像を一言で描き切っています。

私は靖国に参る機会は殆どないのですが、地元の護国神社には機会があれば参ります。そこで、英霊の皆様があの世で安らかであるように、日本の平和と繁栄が続くようお守り下さるように、祈ります。

他にも祈りに行かれる方はおられると思いますが、感謝の祈りを捧げることはあっても、日本が再び軍事強国となり、国民の命の犠牲を払ってでも海外に武力進出できるように祈る、という話は聞きません。恐らく、そのような方はいないでしょう。

神社は鎮魂のためにあり、「爆弾が当たって痛い」「お腹がすいて苦しい」と思いながら亡くなられた御霊が、その念をあの世からこの世に投射させたとき、その反映として様々な不幸や争いがこの世で発生する可能性がある。逆に、自分は命を差し出す形となったが、そのために国が繁栄し国民が豊かになっているという姿に満足したとき、その思いがこの世にプラスの形で返ってくる。だから、神社はあった方が良いし、祈りは捧げた方が良い。霊的にはそのような説明になると思います。

もっといい説明があるかもしれませんが、信仰は個人が心をどう使うかという問題ですから、そう思わない人は自身の考えに従うでしょうし、他には仕様がありません。また、この問題は多様な視点から多様な議論が成り立つとは思いますが、まずは亡くなられた方々のことを第一に考えたいと、私としては思っています。

多少カルト的な要素は入りましたが、今回の一連の動きは主に「政治」板で論じられているようですので、私も倣ってみました。  

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
 
01. 2013年4月27日 17:50:07 : nu30pbyhjw
”鬼畜米英”
英霊は米国を殲滅するために戦ったはずなのに、売国奴・安倍晋三は、・・・。


02. 2013年4月27日 20:02:42 : GtUN8UZtCE
麻生はカトリックだろうが・・・

03. 2013年4月27日 20:28:16 : cIkmTyypTY

 日本の漁船が 追っかけられていたときに 

 のんきに 160名が 靖国参拝???

 ===

 靖国は 何の力もないではないか??

 ===

 そもそも 靖国は 海外では ワー・シュラインと訳されていて

 戦争の神様だろうに  

 国会議員は 靖国に行って 何をお願いしたのだ??

 中国を やっつけるために 行ったのではないのか??

 ===

 もっとも 納得のいく説明では 「選挙に勝つため」に行くのが 靖国神社

 だから あんなに テレビに映ることを意識して 背筋を伸ばしてるのだな〜〜
 


04. 2013年4月27日 20:28:49 : W18zBTaIM6

靖国参拝はアメリカの命令


小泉首相は、中国・韓国の度重なる要請を頑なに無視して靖国神社への参拝をつづけ、両国政府首脳との対話を断ち切ってしまい、平然としている。そして国際協調に反する挑発的言動を繰り返している。

 2005年9月30日に行われた胡錦濤中国国家主席と奥田碩日本経団連会長との非公式会談において、中国側は、小泉首相が靖国参拝をやめることを求め、小泉首相がこの要請を受け入れた場合には、日本に対して最大限の譲歩を行う旨をほのめかした。だが、小泉首相はこの提案を頑なに拒絶した上、10月中旬、靖国参拝を強行し、中国側との話し合いの糸を自ら断ち切った。
 
最近、消息通の間で伝えられているところでは、中国側は、小泉首相が靖国参拝をやめた場合、(1)中国の新幹線は日本にまかせる、(2)東シナ海のガス田開発について日本政府の提案を受け入れる、(3)日本の国連安保常任理事国入りを支持する――との3点を示したという。だが小泉首相はこの提案を拒否した。この情報が永田町に流れている。

 小泉首相は、なぜ、それほど頑なに中国との対立を求めるのか。永田町の消息通によると、米国政府は日本政府に「中国と対立する」ことを強く求めており、この米国の意思に従って小泉内閣は中国との対立に踏み切った、というのである(小泉首相に冷静な判断能力がなくなった上、側近すべてがゴマスリになった結果だとの分析もある)。小泉首相は、中国の軍事力について「不透明だ」と非難していた。

 ここで、中国に対する挑発者の役割を担って登場してきたのが前原民主党代表である。前原代表は「中国現実的脅威論」をワシントンで叫び始めた。その上、米国訪問の直後に中国を訪問して「中国現実的脅威論」を繰り返し、中国政府に喧嘩を売った。前原氏は中国との紛争づくりのために訪中したのだ。前原氏は明らかに日中対立を画策する米国の某機関の手先であり、悪質な挑発者である。
http://www.pluto.dti.ne.jp/%7Emor97512/

ぶんかつ‐とうち 【分割統治】

支配者が被支配者の間にある民族的、宗教的、経済的利害の対立をあおり立てて、互いに分裂・抗争させることで統治の安定をはかる政策。植民地統治によく用いられた。


05. 2013年4月27日 20:32:07 : W18zBTaIM6

「あのね、ここ数年、中国のことをクソミソに言う書籍ばっかり大量に出版されたじゃないですか。ネット上でも、中国と韓国のことを感情的に詰る連中が集団で印象操作をやってきたよね。その連中は、朝から晩まで〔南京虐殺はなかった・従軍慰安婦はいなかった・新しい教科書のどこが悪い!・首相の靖国参拝の何が悪い・尖閣列島は日本の領土!〕ってな具合で、反中、反韓感情を煽ってきたわけだよ。」

「実際に、この連中に扇動されて俄か右翼になったお子様たち多いですよね。」

「ああ、要するにさ、日中韓台が経済的に結束して経済共同体を作られては困る人たちがいるわけだよ。なにしろ、世界最強の経済ブロックとなるのは間違いないからね。そうなったら、日本は米国に隷従しなくなるし、東アジア諸国間の貿易だけで結構食っていけるようになってしまう。」

「そうなったら、没落した米国なんて蚊帳の外じゃないですか。ただでさえ、日本と中国に国債を大量に買ってもらって、やっとこさ生きている国なんだから。日本からこれ以上搾取できなくなりますよね。」

「それに、ユダヤ金融さんたちは、中国と北朝鮮が日米台と対立する構造を作りたかったのさ。極東のあらたな冷戦構造を構築したかったんだ。だから、日本が中国に接近することはなんとか阻止したい。」

「だから、おかしな連中が、反中、反韓扇動に従事してきたわけですね。学者やジャーナリストや政治家にもたくさんいますよね。この類の工作に従事しているのが。」

「南京ナントカ映画を作ったり、カントカ教科書を作る会とかね。連中、どいつもこいつも統一教会に繋がったゴロツキどもだったんだ。チャンコロとかシナとかチョンとか排外用語が口からぽんぽん飛び出す連中は、実はほとんどが半島邪教の工作員だったんだよ。でも、もうそれもバレまくっているから、効果なし。」

「統一教会には、北朝鮮系の在日や帰化人が集まっていて、CIAの指導で、反中韓をやっているわけですね。北朝鮮のヤツラは、日韓、日中が接近すると自分の国だけ孤立するし、朝鮮半島の赤化統一の夢も遠くなる。ユダヤCIAは、極東諸国家の結束を壊して、経済ブロック化を阻止したいし、対立を煽って極東戦争にもっていきたいのですね。」

「うむ。北朝鮮勢力と北朝鮮勢力とユダヤ権力の利害が見事に一致しているわけだよ。だから、裏でつるんで工作している。ここがわからないと、現代日本政治の理解度ゼロだな。」

「なるほど、だから小泉が総理になるちょっと前から、突然、靖国参拝を始めた理由が分かりましたね。ユダヤ権力からのご指示だったんですね。」

http://www.snsi-j.jp/boards/bbs.cgi?room=sample1


06. 2013年4月27日 20:38:05 : W18zBTaIM6

小泉純一郎首相でなくとも、アメリカの横田基地からMP(憲兵)が自分を拘束しにくるかも知れないと考えれば、アメリカの言うことに逆らうことはできないでしょう。


「靖国神社に参拝することを公約せよ」

「竹中平蔵を財務大臣にせよ」

「郵政を民営化せよ」


といった注文には、ただただ従うしかないのかも知れません。少なくとも自分の命(政治生命であれ、肉体生命であれ)が惜しい人間であれば‥‥。

  アメリカの意志に逆らって命(政治生命または肉体生命)を失ったと思われる政治家は、田中角栄元首相(ロッキードスキャンダルのあと病死)を皮切りに、大平正芳元首相(病死)、中川一郎氏(自殺)、安倍晋太郎氏(病死)、梶山静六氏(病死)、そして竹下登氏(リクルートスキャンダルのあと病死)、小渕恵三氏(病死)などではないかと思っています。

実際にMPに拉致されたのは竹下登元首相と小渕恵三元首相。拉致されて殺害されるという仕打ちを受けたのは小渕元首相だけでしょう。
http://www.h2.dion.ne.jp/~apo.2012/tsubuyaki006.html


07. 2013年4月27日 20:44:19 : W18zBTaIM6

2005年06月15日 靖国再論

靖国神社参拝の是非を論じたら、いくつかコメントやTBがあり、いろいろ議論がされている。

目を通したけれど、その中に小泉純一郎の「戦略」についてまじめに論じたものはどうもひとつもなさそうである。

だが、私が訊いたのは、それ「だけ」である。
どうして、誰も答えてくれないのだろうか。

私の設問の仕方が悪かったのかもしれないし、どなたも「そんなこと」には興味がないのかもしれない。

「興味がない」のは、おそらく靖国参拝賛成派の方も反対派の方も「小泉が何を考えているか、私にはわかっている」と思っているからである。

参拝反対派の方の中には「小泉首相が何を考えているか、わからない」と率直に言う方もある。けれどもそれに「わかりたい」という言葉は続かない。

私はそういう態度はいささか危険ではないかと思う。

彼は場数を踏んだ政治家であり、下馬評をひっくり返して自民党総裁のポストをゲットし、圧倒的な追い風ブームを作り出して選挙に連戦し、戦後最良の関係を日米間に築き上げた手練れの外交家である。

彼がまさか「強気に出ないと相手になめられる」というような路地裏政治力学のレベルで日中関係というデリケートな外交的難問に対処するほどに知性を欠いた人物だと私は思わない。

もしかしたらほんとうに「何も考えていない」のかもしれないけれど、私はこういう場合にはそういう安易な回答への誘惑を自制することにしている。

自分がその行動を理解できない人間の動機について忖度する場合には、「そこには容易に常人の想像のおよばない深い理由があるのでは・・・」と考える方が、少なくとも私にとってはスリリングである。

どちらにしても、それによって失われるのは私の時間であって、誰の迷惑にもならない。

というわけで、誰も私に代わって想像してくれる人がいないようなので、自分で小泉純一郎は何を考えているのかについて想像をめぐらせてみることにした。

以前にも書いたことをもう一度繰り返すが、日本国首相がA級戦犯が合祀されている靖国を公式参拝することについて、権利上まっさきに異議を唱えるはずの国がある。


アメリカ合衆国である。

アメリカは直前の戦争で、「日本軍国主義」と戦い、硫黄島で29000人、沖縄戦で12000人の戦死者を出した。

アメリカ大統領は、太平洋戦争で日本軍に殺された数十万の米軍兵士たちの「英霊」への配慮から、「軍国主義の指導者」が合祀されている神社への総理の参拝に強い抗議を申し入れてよいはずである。

「アメリカ人を殺した日本兵士たちを一国の首相がすすんで慰霊するということは、二度目の真珠湾攻撃のための心理的準備を行うことに等しい」というような理屈をつけて。

だが、アメリカ大統領はそういう申し入れをしない。

私たちが注目すべきなのは、中国韓国から「クレームがつく」ことではなく、むしろアメリカから「クレームがつかない」ことの方である。

靖国参拝賛成派の多くは、南京虐殺を理由に広田弘毅、松井石根を処刑した「東京裁判」の不当性についてもあわせて言及するのがつねであるが、その東京裁判を主導したのはほかならぬアメリカである。

その東京裁判の「不当」を言い立てる世論に乗って、アメリカ人将兵の死に直接責任があるとアメリカ自身が認定した戦争犯罪人を祀っている靖国参拝を繰り返す政治家に、もっとも不快を感じる国があるとしたら、常識的に考えて、アメリカである。

胡錦涛よりも先にまずジョージ・W・ブッシュが「公式参拝をやめろ」という強いメッセージを出してよいはずである。

しかし、ブッシュ大統領もアメリカ国務省もこの問題に対しては沈黙している。
「牛肉を買え」というような手前勝手なことについては日本の国民世論をいくら逆撫でしても言いつのる国が、なぜ日本国首相の靖国参拝という「外交的非常識」についてはこれを座視するのか?

そのことをどうして人々が「不思議だ」と思わないのか、それが私には不思議である。

アメリカが首相の靖国参拝を座視する理由は論理的に考えればひとつしかない。
アメリカは小泉首相の公式参拝を彼らの東アジア戦略上「有利」なカードであると評価しているからである。

外交問題を感情の次元で議論するなら、アメリカ合衆国の態度はまったく不可解である。

しかし、戦略の次元で評価するなら、アメリカの判断はごく合理的で適切なものと私には思われる。

彼らにとって60年以上前に太平洋で死んだ自国兵士の「英霊」たちはとりあえず副次的な問題でしかない。

喫緊の問題は「今後の」アメリカ合衆国の東アジアにおける政治的・軍事的プレザンスをどうやって確保するかである。

アメリカは東アジアにおける彼らの政治的プレザンスがしだいに「危機的」なものになりつつあることを感知している。

21世紀に入ってから、日中韓の三国の経済的・文化的リンケージは急速に(おそらくアメリカの予測を上回るスピードで)深まった

「日中韓東アジア共同体」ブロックの創成が具体的な政治日程にのぼってきた。
今年の12月には「東アジア共同体サミット」が開催され、ここで政治的な合意が果たされ、共同声明が発表された場合、地域内での共同体をめざす世論は一気に加熱する。

それは南北朝鮮の統一や台湾の「プレイヤー」としての承認を含む劇的な東アジア秩序再編という「不可避の」トレンドの水門が開くということを意味している。
アメリカがもっとも恐れているのは「そのこと」である。

3月に来日したライス国務長官が残した重要なメッセージは「東アジア共同体の創設を許さない」ということばであった。

なぜなら、東アジア共同体の創設は、そのままアメリカが東アジア政治のキー・プレイヤーである時代が「終わる」ということを意味しているからである。

彼らが望んでいるのは、アメリカを含んだ「パン・パシフィック・ブロック」である。

ブロック内パートナーとして中国を内側からコントロールするという立ち位置と、太平洋の反対側から「アウトサイダー」として東アジアを統制しようとするのでは外交の効率が違う。

現在、世界戦略の最重要エリアは東アジアである。そこにキー・プレイヤーとして踏みとどまることにアメリカは外交的リソースを集中的に投入している。
「アメリカ抜き」の東アジア秩序の再編はアメリカにとって最悪のシナリオである。

いかなる手段を用いても、それを阻止し、ブロック内の最重要メンバーとして東アジアにとどまること。

これがアメリカの戦略のとりあえずの「基本方針」である。

私が国務省の役人であれば、そのために使える材料はすべて使う政策を上司に提言するだろう。

帝国主義国家の伝統的なアジア戦略は「分断統治」である。

アヘン戦争のときからあまり変わっていない。

アジア諸国のあいだに利害対立を持ち込み、当事者による調停が不可能な状況を作り出して、外国の「干渉」を当事者たちが呼び求めるというかたちにしつらえることについて彼らには150年の外交史的蓄積がある。

日中韓の三国のあいだに調停のむずかしい「きしみ」があり、その調停役として絶えず三国がアメリカの干渉を要請せざるをえないという事態をキープしておくことは、アメリカにとって伝統的なアジア戦略に照らしてごく標準的な政策である。

今朝の朝日新聞に興味深い社説が出ていた。

「南北の五年」と題するこの社説では、南北朝鮮の統一が遅れていることの理由を北朝鮮による核開発であるとしている。

それにつづけてこう書いている。

「核問題は民族間の努力だけでは解決できない。日米や中国、ロシアなどを巻き込まないと朝鮮半島問題の展望はひらけないことがはっきりしてしまった。韓国はこの変化にどう向き合うのか。『民族』『自主』への思いはそれとして、目指す方向を練り直し、より具体的に示す必要があるのではないか。その意味で先週、ワシントンを訪れた盧武鉉大統領がブッシュ大統領との会談で、きしんでいた米韓同盟の重要性を再確認したことを評価したい。」

私たちは「これと同じ」ロジックで外交を論じる文章をこれまで繰り返し読まされてきた。

「・・・問題は当事者だけでは解決できない。アメリカの参加が不可欠だ」ということばはなぜか外交を論じるときの日本のメディアの常套句である。

ほかのことになると「問題を簡単にすること」にたいへん熱心な日本のメディアは、どういうわけけ、ことがアメリカがらみの外交問題になると「当事者にさらにアメリカを加えて事態をいっそう錯綜させること」をベストのソリューションとして提言する習慣がある。

中東問題でも旧ユーゴスラヴィア問題でも六カ国協議でも、つねに日本のメディアは「プレイヤーをふやして、事態をややこしくすること」を提言し続けている。
重大な外交案件については、関与者をふやし、別の問題と「リンケージ」させて膠着状態をつくりだすことは外交の「基本」である。

誰にとっての「基本」かといえば「ステイタス・クオ」から受益している国にとっての「基本」である。

状況が大きく変化することよりも膠着状態のままであることからの方が大きな利益を得られると判断する国は、必ず「プレイヤーをふやし、リンケージをはりめぐらす」戦略をとる。

朝日の社説は一見すると「アメリカに注文をつけている」ように読めるけれど、「アメリカのコミット」がない限り世界秩序は安定しないと呪文のようにつぶやいているという点では、アメリカ国務省がもっとも喜ぶタイプの外交的提言なのである。

そんなことはないというのなら、同じ論説委員がどうして「靖国問題は日中日韓間の努力だけでは解決できない。アメリカを巻き込まないと靖国問題の展望はひらけないことがはっきりしてしまった」と書かないのか?

理由は簡単。

靖国問題にアメリカは「すでに」プレイヤーとして参加しているからである。
アメリカは小泉首相の靖国参拝を許可(あるいは奨励)するという仕方ですでにこの問題に深くコミットしている。

それによって生じる日中韓のフリクションが東アジア共同体の政治日程の進行を「先延ばし」にするとりあえずは有効な政治カードの一枚だからである。

小泉首相が靖国参拝に固執するのは、彼もまたこのアメリカの東アジア戦略に「同意」しているからである。

東アジア共同体の創設はただちにアメリカの極東における軍事的プレザンスの後退を意味する。

在留米軍基地を失った日韓は、現在の国力を比較するなら、「中国の圧倒的な軍事力」の前に政治的にも圧倒される可能性が高い。

日本の政治家の中に、この新しい東アジア共同体の中で中国や統一朝鮮の政治家たちと五分でわたりあえるだけの外交的手腕と戦略的思考を備えた人物はいない(それだけは確言できる)。

小泉首相もたぶんそのことを知っているのである。

小泉首相は独特な仕方でナショナリストである(私はそのことについてはかなりの確信をもっている。かれもまた彼なりに国益を配慮しているのである)。

だから、熟慮の上で、「中韓の風下に立つくらいなら、アメリカの風下に立ち続ける方が日本国民の自尊心と国民的統合の保持の上ではベターな選択である(アメリカへの服従ならもう60年やっているので、改めて屈辱感を覚えることもない)」という政治的決断を下したのである。

私はそういうことではないかと小泉首相の胸中を想像してみる。
そういう理路なら私にも「納得がゆく」。

彼が靖国にこだわるのも、歴史問題の解決を遅らせているのも、日本がアメリカの庇護を離れた「スタンド・アロン」のプレイヤーとなったとき、東アジアの政局の中で中韓やASEAN諸国とわたりあうだけの政治的力量を備えた政治家が日本には存在しないということを彼が知っているからである。
たぶん、そうじゃないかと思う。
http://blog.tatsuru.com/archives/001047.php


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