http://www.asyura2.com/13/senkyo146/msg/820.html
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わが政府オスプレイによる全国演習の容認、TPP等の推進で属国化を推進しているようであるが、米国の政府中枢は一枚岩でないのだから、ジャパンハンドラーのいいままでなく
十分な検証と研究が必要で、今一度日本の一般国民にとって最良の策を研究すべきと考察する。
以下転載
ボストンテロの自作自演性
2013年4月26日 田中 宇
http://www.tanakanews.com/130426boston.htm
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この記事は「ボストン爆弾テロの深層」の続きです。
4月15日に米国ボストンのマラソン大会のゴールで起きた爆弾テロ事件で、米当局が主犯格とみなしたタメルラン・ツァルナエフ(当局との銃撃戦で死亡)が、昨年夏、米国の諜報機関CIAが出資する「コーカサス基金」が主催する、ロシアを困らせる目的で北カフカスを不安定化する政治運動の研修会(ワークショップ)に参加していたことが明らかになった。ロシアの新聞イズベスチヤが報道した。 (Tamerlan Tsarnaev Attended CIA-sponsored Workshop)
タメルランは、2002年に米国に亡命申請し、米国人と結婚して永住権を持っていたが、国籍はロシアだ(銃撃戦で死なず、怪我をして捕まった弟のジョハルは昨年9月に米国籍を取得)。兄弟はチェチェン人である。チェチェン人はイスラム教徒で、ロシアからの分離独立を求める武装独立運動を続けてきた。サウジアラビア王室が金を出し、アルカイダの関係者が独立運動を支援してきた。米国にとってアルカイダは「敵」だが、もともとアルカイダを育てたのはCIAなど米当局で、80年代にアフガニスタンを占領したソ連を疲弊させるためだった。 (真の囚人:負けないチェチェン人) (アルカイダは諜報機関の作りもの)
CIAとアルカイダ(サウジ王室)が協力してロシアを困らせるやり方が、チェチェンでも繰り返された。もともとチェチェン人のイスラム信仰は、イスラム以前の要素が多く入り込んだ密教的、神秘主義的なシーア派に近いスーフィ系だったが、そこにソ連崩壊後の自由化とともに、正反対の、アルカイダやサウジが信奉する教条的なワッハーブ主義(いわゆるイスラム原理主義)が、サウジの札束とともに流入した。アルカイダとサウジの背後にいるCIAも一緒にやってきて、チェチェン人とロシアとの敵対を煽った。 (チェチェンをめぐる絶望の三角関係)
チェチェンのとなりのグルジアも、サーカシビリ前大統領が政権をとってから、米国にすり寄ってロシアとの敵対を強めたので、グルジアを拠点に、CIAの肝いりでロシア敵視のコーカサス基金が作られた。そして、同基金のロシア潰しのための研修会にタメルランが参加していた。この手の研修会の参加者のほとんどは、CIAのエージェントか、勧誘されている最中だ。
タメルランは以前、イスラム教に熱心でなかったが、ワッハーブ主義に傾注し、08年からモスクに足繁く通い始めた。同時期に、チェチェンの独立運動への支持も強めた。しかし彼は同時に米国への忠誠心もあり「チェチェンが独立しない限り、自分は米国選手団の一員としてオリンピックのボクシング競技に出たい」と言っていた(彼はボクサーだった)。彼が11年に半年間、父母が住むダゲスタンや、そのとなりのチェチェンを訪問したが、その直後、ロシア当局がタメルランを危険人物とみなして米政府に通報し、それを受けてFBIがタメルランに事情聴取した。 (Dzhokhar and Tamerlan Tsarnaev - Wikipedia)
01年の911事件以後、CIAやFBIといった米当局は、米国内のイスラム教徒の動きに対する監督を強化した。ワッハーブ主義に傾注する米国のイスラム教徒のほとんどは、CIAやFBIから接触を受けている。ロシアが米国にタメルランについて通報する前に、FBIはタメルランをよく知っていたはずだ。つまり、タメルランは今回のテロ事件のずっと前から、FBIやCIAのエージェントだった疑いが濃い。昨夏のグルジアでの研修会への参加は、それを象徴している。爆破事件が起きるまでタメルランに全く目をつけていなかったという、FBIの発表は信じがたい。
爆破の当日、マラソン会場で、FBIやCIAなどがテロ対策の訓練をしていた。タメルランはFBIのエージェントとして、その訓練に参加していた可能性が高い。タメルランの自宅から手製の爆弾が見つかったと報じられたが、それが事実とすれば、タメルランがFBIと関係ない人物とは思えない。彼がイスラム主義に傾注したのは反米的な動機からでなく、チェチェンをロシアから独立させる運動のためであり、米国を敵視せず支持していた。爆弾の所持は米国市民を爆殺するためでなく、FBIから頼まれたエージェントとしての活動と考えられる。
タメルランが爆弾を仕掛けたとしても、それは当局によるテロ対策訓練の一環であり、本当に爆発させるつもりはなかっただろう。それが、何らかの手違いで爆発し、米当局は失態を隠すため、タメルランを犯人扱いすることにしたのでないか。この推論に基づくと、今回の出来事は「テロ事件」でなく「テロ対策訓練中に起きた事故」である。死なずに捕まった弟のジョハルは、のどを怪我して声を出せない状態で、彼が入院しているボストンの病院の幹部(イスラエル人)によると、二度と声を出せないかもしれない状況だ。容疑者の一人は生きているものの、口を封じられている。 (Suspected marathon bomber may never speak again, Israeli director of Boston hospital says)
とはいえ、訓練に本物の爆弾を使うのは奇妙だ。本物を使うとしても、手違いで簡単に爆発するのはおかしい。しかも、前回の記事に書いたように、過去を振り返ると、米国では、当局の訓練やおとり捜査の最中に、爆発しないはずの爆弾が爆発する、訓練のはずのハイジャックが本物だったという大失態が、何度も繰り返されている。911事件や、93年の貿易センタービル爆破が象徴的だ。 (サウジアラビアとアメリカ(中))
911も93年の事件も、イスラム原理主義者によるテロ事件として喧伝され、イスラム世界を敵とみなす長期の有事体制を米国が組むことのきっかけに使われている。手違いで起きた爆破事故であるなら、繰り返さぬよう当局内で万全の再発防止策が採られるはずだ。実際は逆に、何度も手違いの爆破が「テロ」として起こされ、それを機に新しい米国の国家戦略が形成されている。これは「未必の故意」を通り越して「失態に見せかけた意図的、戦略的な行為」と考えるのが自然だろう。 (田中宇の911関係記事集)
米当局の全体が、意図的な失態作戦を自覚的に行っていたとは考えられない。作戦を立案・知覚していたのは、当局の上層部だけで、下の方はエージェントも含め、言われたとおりにやっただけだろう。911を機に、国防総省やCIA、軍事産業といった軍産複合体が膨大な権限と予算を獲得した。今回の事件では、銃規制の強化と、無人偵察機の米国内利用が正当化されそうだ。米議会上院では、共和党で軍産複合体と親しいグラハム議員が「容疑者を追いかけるのに無人戦闘機(無人偵察機)を使うのが理想的な状況だ。米国本土が戦場になっている。ツァルナエフは刑事事件の容疑者でなく、敵国兵士として扱うべきだ」と発言した。911直後に頻出した発言だ。 (Sen. Lindsey Graham: Boston Bombing Proves Homeland is the Battlefield)
米上院は、爆破事件の3日後、オバマが進めたがっている銃規制強化の法案を否決した。これに対してオバマは、法律でなく大統領令で、銃規制強化を強行的に実施しようとしている。爆破事件は、オバマによる銃規制強化の方向を有利にする感じだ。米国では、駆け込み的に銃器の売り上げが急増している。 (Biden: 'The President Is Already Lining Up Some Additional Executive Actions' for Guns)
手違いによる偶発事故でないなら、なぜ今回の件がボストンで起きたかも分析の対象になる。思い起こせば、911事件も、ボストンから飛び立った旅客機が摩天楼に激突している。「犯人」たちはボストン周辺で宿泊した後、旅客機に乗り込んだ。ボストンにはMITやハーバードといったエリート大学があるが、それらの大学では、以前から、多くのCIAの研究者が、国際政治や治安、防衛などの戦略立案や技術関係の研究を行っている。 (アメリカの戦争を支えた大学)
私が911直前に1年間うろついたハーバードの行政大学院は、CIAだらけだった。CIAを休んで研究に来ている者、卒業したらCIAか国防総省に入りたい者などで満ちあふれていた。CIAの上層部は頭が良くないとつとまらず、高学歴のエリート集団である。ツァルナエフ兄弟の自宅は、MITやハーバードの近くだった。CIAにとって、ボストンはなじみのある地域だ。 (知のディズニーランド、ハーバード大学)
今回の事件は911と本質的に似ているが、決定的に異なっている点がある。それは、911の「裏の主役」が国防総省だったのに対し、今回の事件では国防総省と米軍がほとんど動いていないことだ。事件対応を主導しているのは、FBIや警察といった非軍事部門だ。そもそも、911を軍事問題化したのが異様だったのであり、今回の事件対応は、それが正常に戻った。911は「テロ戦争」と呼ばれ、今回も軍産複合体系の人々は「ボストン戦争」と呼びたいようだが、その呼称は広がっていない。 (Absent From Boston Bomb Investigation and Relief: U.S. Military)
オバマ政権は「テロ戦争」の構図が国力を浪費させていると考え、イラクやアフガニスタンからの米軍撤退を積極的に進めている。政権2期目に入り、軍産複合体やイスラエル右派の増長を嫌うチャック・ヘーゲルが国防長官になった。今の米政府の最上層部は、ボストン事件でテロ戦争の構図が復権することを嫌っている。だからヘーゲル傘下の国防総省や米軍は、今回のテロの後、動かなかったのだろう。
しかしこれは、米当局の上層部が意図的な手違いで爆破テロの発生を起こしたという仮説と矛盾する。その部分は、オバマが率いる政府の最上層部(ホワイトハウス)は、テロ戦争を早く離脱して米国を安定させたいが、その下にまだたくさんいる政府内や連邦議会の軍産複合体の人々は、テロ戦争の構図を復権させたいと考え、クーデター的に、手違いの爆発を引き起こしたと考えることで納得できる。911の後も、当時の政権党の共和党内のそれまでの主流派(中道派)は、軍産複合体が絶大な権力を握ることに抵抗していた。米国の政権中枢は一枚岩でない。
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