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2013年04月27日 世相を斬る あいば達也
安倍晋三の言動と内閣が強行しようとする政策の間のチグハグが目立ってきた。おそらく、安倍が調子に乗って発言した後で、微妙に軌道修正発言をしているようだが、一度放たれた言葉は永遠に消えない。特に外交上問題の起きる発言は、覆水盆に返らずだ。外交等と云うもの、そもそも本音を語るだけの関係構築だけでも、かなりに時間を要するもので、その間は建前論に終始するのが専らだ。中国、韓国のリーダーも新顔であり、安倍も新顔だ。この三人は、共に盤石の基盤を構築する時間を必要としているわけで、三人とも安全運転を心掛けるのが一般的だ。
習総書記は共産党の看板の中で目立とうとしていない。パク大統領も報道官達が激しい言葉を吐いているが、本人の口から刺激的発言は聞かれない。しかし、議院内閣制の内閣総理大臣と云うポジションは、議会における発言のすべてが公になる。その意味では、発言のすべてが即刻外交的言葉になってしまう、非常に窮屈なポジションである。逆にいえば、首相の発言は、常に他国への意思表示と云う武器にもなり得る。つまり、首相の発言と云うのは、常にセンシティブなものである。自らの内閣が行おうとしている政策との整合性も保たないと一気に馬脚が現れ、権力の座から追放される。
特に、TPPとアベノミクスとの整合性、対米依存外交と中国牽制外交の整合性が問題だ。TPPと云うものは、基本原則が自由貿易と市場原理を重んじる協定だろう。にもかかわらず、アベノミクスのインフレ達成の為には、価格統制経済の臭いのする安売り禁止のような狂気の発想が生まれている。これは自由競争を禁じると云う発想で、TPPとは真逆の論理だ。安倍は米国依存外交と対中牽制外交は両立していると思っているようだが、誰から外交の説明をレクチャーされているのだろう。到底、今の安倍晋三の中韓刺激外交は、外務省の望むものでもないだろう。そこが不可思議だ。
産経によると、≪「2年で日中の軍事バランス壊れる」安倍首相、懸念示す。安倍晋三首相は26日夜、公邸で企業経営者や評論家らと会談し、外交に関する議論の中で中国の軍備増強に対する懸念を示した。 出席者の仏壇販売「はせがわ」の長谷川裕一会長によると、首相は「この2年で今の日本と中国の軍事的なバランスが完全に壊れてしまう」と述べたという。≫ 筆者から言わせれば、「だからどうだと言うの?」という事だが、まさか中国に勝る軍事力の間に戦争しよう、と言っているのではないと思うのだが、真意は如何に?また時事通信は、以下のように中国外務省の正式見解を報じた。
≪ 尖閣諸島は「核心的利益」=外務省当局者、公式に初言及−中国
【北京時事】中国外務省の華春瑩副報道局長は26日の定例記者会見で、沖縄県・尖閣諸島(中国名・釣魚島)に関して「中国の領土主権に関係する」と述べ、中国の国家主権や領土保全など譲れない原則を表す「核心的利益」に属すると明言した。
尖閣諸島が核心的利益に属するかどうかをめぐって、これまで中国共産党高官が日本要人との会談で述べたり、共産党機関紙・人民日報が指摘したりしたことはあるが、外務省当局者が公式の場で言及したのは初めて。
核心的利益とは共産党体制維持のため絶対に譲歩できない重要問題で、分離・独立問題を抱える台湾やチベット、新疆ウイグルのほか、領有権を争う南シナ海を指してきた。尖閣諸島を公式に核心的利益と位置付けたことで、対日強硬姿勢が強まるのは確実だ。
訪中したデンプシー米統合参謀本部議長が中国政府高官と会談した際、同高官が尖閣諸島について「核心的利益」と発言していたとの日本メディアの報道を受け、華副局長は尖閣諸島に関して 「領土主権に関わる核心的利益だ」と認めた。≫(時事通信)
安倍の発言を追いかけていると、心情的に中国と一戦交えてでも、保守政治家の面目を保とうとする気持が表れている。少なくとも、米国オバマ政権は、対中外交で親和的であり、日中がいがみ合う事など一切望んでない。米国に望んでいる勢力があるとすれば、ネオコンと産軍複合体であろう。つまりは、米国内における、反オバマ陣営の思考経路だ。この反オバマ陣営の思考経路を延長すれば、TPP等と云う貿易協定は愚の骨頂になる。だから、まったく意味が判らなくなる。正常な人間がキチガイの言い分を聞いているようで、カオスなら、カオスらしい希望があるのもだが、混線しているだけのリーダーの存在は、効用ゼロの副作用薬剤のようである。
安倍の予算委員会での答弁中の顔つきを見ていると、“どや顔”丸出しで、“今でしょ!”と本気で尖閣紛争にケリをつけかねない不安定感がある。殆どの日本人が、日中戦争なんてあり得ないと思っているだろうが、筆者は1,2割の確率はあるような気がしている。まぁ、仮にそのような事が起きても、現在なら米国・ロシアに一定の仲裁能力があるので、局地戦で済むだろうが、双方のナショナリズムの噴き上がりによっては、収拾のつかない事態も予期しておく必要があるのだろう。荒唐無稽の想像のようだが、それほど安倍晋三の言動と政策には不一致が多過ぎる。すべてを並べて検証する気にもならないが、かなりの点で、アクセルとブレーキが同時に踏まれている。こうなると、TPP交渉参加はみせかけ批准せずなら理が通るが、そんなこともなさそうなので、やはり情緒不安定者の世迷言なのだろう。でも、内閣総理大臣なのだ(笑)。
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