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2013年04月27日 板垣 英憲(いたがき えいけん)「マスコミに出ない政治経済の裏話」
◆安倍晋三政権は、4月28日、政府主催「主権回復の日」の「記念式典」を行う。この日は、サンフランシスコ講和条約と日米安全保障条約が1951年9月8日に全権委員によって署名され、1952年4月28日に発効し、日本が主権を回復した日。とくにサンフランシスコ講和条約によって、連合国は日本国の主権を正式に承認し、1952年4月28日に発効した。すなわち、国際法上はこの条約の発効により、正式に日本と連合国との間の「戦争状態」が終結した。
第2次安倍晋三政権が3月12日に政府主催の記念式典を開くことを閣議決定した。日本の完全な主権回復と国際社会復帰60年の節目を記念するために開かれる式典である。とされている。
しかし、沖縄県民の多くは、この日を「主権回復の日」と定めて、「政府主催の記念式典」を行うことを反対している。「沖縄(琉球諸島及び大東諸島)の施政権」が米国に残されて、沖縄返還の日(1972年5月15日)まで続いたからである。このため、「主権回復の日」を定めるのであれば、「5月15日」とすべきだというのである。「4月28日」を日本が「完全に主権を回復した日」という「完全に」というのは、正確ではないばかりでなく、「沖縄県民などを切り捨てるものだ」と不満を抱いている。
◆確かに、1952年4月28日から、1972年5月15日までの20年間、日本政府は、沖縄県民などを「棄民」にしたような形になった。この意味で、《木縄県民の気持ちは、よく理解できる。
だが、それならば、「北方領土(用語で、歯舞群島、色丹島、国後島、択捉島)」の方は、どうなるのであろうか。旧ソ連軍に占領されたまま、約68年も返還されていない。違いは、住民のほとんどが、ソ連軍侵攻を受けて北海道や本土に逃げてきているということだ。
この事実をとらえるならば、日本は、北方領土返還までは、「完全に主権回復」は、実現できないということになる。いまのロシアのプーチン大統領が、北方領土返還を確約していないので、いつ実現するかは、わからない。
◆従って、サンフランシスコ講和条約によって、連合国歯が日本国の主権を正式に承認し、1952年4月28日に発効し、国際法上はこの条約の発効により、正式に日本と連合国との間の『戦争状態』が終結した日」を「完全に主権を回復した日」と定義するならば,安倍晋三政権が、「4月28日」を記念日と定めた合理性はある。
それでも不満ならば、「取り敢えず完全に主権を回復した日」と心の中で呟いておくしかないであろう。
【参考引用】
沖縄タイムスが4月25日午前9時53分、「『主権回復の日』式典 憤る野中氏」という見出しをつけて、以下のように配信した。
「【京都市で与那原良彦】28日に政府が連合国占領下からの独立を記念する「主権回復の日」式典を開くことについて、かつての自民党の実力者で長く沖縄問題に関わってきた元官房長官の野中広務氏(87)は24日、京都市内で沖縄タイムスなどのインタビューに応じ、『なぜ沖縄などが米軍施政権下に置かれた《屈辱の日》に式典を開くのか。唯一の地上戦である沖縄戦や米軍基地で苦しむ県民の痛みを理解していない。憤りを感じる』
と強く批判した。県内から式典開催に反発が出ていることに『怒るのは当然。68年間、基地で苦しんできた沖縄の人々に砂を掛けるようなものだ』と強調した。式典の政治的な位置づけとして、『単なる式典ではなく、日本の局面を変えるものになる。参院選後に向け、憲法改正への道を開く扉になる』と指摘した。
憲法改正の発議要件を緩和する96条改正などの改憲には「憲法は、戦争の犠牲によって日本人が獲得した宝物。9条や20条、表現の自由は決して変えてはいけない。要件から変えるのは間違い」と述べた。9条など憲法改正を求める勢力の動きには、『戦争の無残さを知らない政治家がほとんどで痛みを知らない。危機感を持っている。政治の一番の役割は二度と戦争を起こさないこと』と訴えた。米軍普天間飛行場返還問題では、比嘉鉄也名護市長(当時)が名護市辺野古への受け入れを決めたときに立ち会ったとし、『決断を無駄にすべきではない』と辺野古移設を支持した」
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