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2013/4/26 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
やってることは完全な独裁国家の統治
この国の野党は死んでいる。そう言わざるを得ないほど情けない姿をさらしたのが、衆院小選挙区定数「0増5減」の新区割り法案をめぐるドタバタ劇だ。
安倍政権が出してきた新区割り法案は「1票の格差是正」とは名ばかりの小手先の弥縫策に過ぎなかった。現行2・5倍以上もの開きのある1票の最大格差を、とりあえず2倍未満にゴマカしただけ。「1人1票」の実現には程遠いシロモノだ。野党の反発は当然だったが、安倍政権は野党の対案をタナざらしにし、たった2日間の委員会審議で採決を強行した。党内調整で大モメ必至の選挙制度の抜本改革や、消費増税法案の際に合意したとされる定数の大幅削減を先送りし、シレッと夏の参院選に突入しようとしている。これが、いかにムチャクチャか。
「1票の格差については、多くの高裁が[違憲]判決を出し、そのうち2つの高裁が選挙[無効]にまで踏み込みました。いわば『あなた方は違憲議員』とレッドカードを突きつけたのに、安倍政権は司法の警告に満足に応えない。『1票の格差が2倍未満なら合憲だ』という勝手な解釈で、国民の正当な権利を蹂(じゆう)躙(りん)したのです。三権分立や国民の投票権を無視して平気な顔なんて、さながら独裁国家のような統治手法です」(九大名誉教授・斎藤文男氏=憲法)
本来なら野党が体を張る場面なのである。ところが、自民党の強硬路線に野党は足並みがそろわず腰砕け。民主党と維新の会は本会議の採決欠席をめぐってケンカ別れ。野党共闘は分断されて、総崩れである。法案が衆院を通過した直後、安倍はまあうれしそうな顔だったこと。
今の野党は安倍をツケ上がらせるために存在しているとしか思えない。なぜ堂々と審議拒否を貫き、安倍政権の「不誠実さ」を国民に主張できないのか。「数が足りないから、しょうがない……」とばかりに、戦意喪失の野党なんて、要らないのだ。
◆野党の敵前逃亡は絶対に許されない
安倍政権の発足以来、この国は異様なムードに包まれている。メディアはアベノミクス礼賛報道を繰り返し、内閣支持率は70%と異常な高止まりが続く。国民は刹那的な安倍バブルに熱狂し、野党議員の発言に耳を貸そうともしない。それで「今は何をやってもムダだ」という厭戦気分が、野党各党を覆っている。
それがもともとだらしない野党をますます骨抜きにしているのだが、こんな調子では、この国の政治は一体どこへ向かうのか。心底、怖くなってくる。
政治評論家の森田実氏はこう言った。
「民主主義は国民の立場に寄り添った批判勢力が存在してこそ初めて成立します。野党がヤル気を失えば、確実に権力は暴走するものです。先の大戦突入を許したのも、反戦を主張すべき政党政治家の責任です。国民の熱狂に圧倒され、軍部の暴政を黙認した。それが悲劇を招いたのに、そんな暗黒体制へと急速に回帰しているように感じます。ひとたび、世論の中で『誤った空気』が醸成されてしまうと、おいそれとは消えません。そこが恐ろしいのに、今の野党に自覚はない。敵前逃亡ムードだから、ますます恐怖を覚えるのです」
戦うことを忘れた野党の責任放棄は見過ごせない。
◆自民大勝は戦時国家への白紙委任と同じだ
アベノミクス礼賛と野党埋没の流れは今後、ますます加速していくのではないか。参院補選、都議選、参院選と自民党が連勝すれば、もうダメだ。野党はヘナヘナになり、安倍の大応援団と化した巨大メディアは勝ち馬に乗ろうとして、さらに安倍自民を猛烈プッシュするのは見えている。
参院選の比例投票先の最新調査を見ても、自民40%超、維新9%、民主5%……と、野党には絶望的な数字が並んでいるのだ。コーカツな自民党は早速、維新の会にコナをかけ、野党分断を図っている。この調子じゃあ、反自民勢力は木っ端みじんに粉砕されてもおかしくないが、安倍自民党に参院選で圧勝させてしまえば、それこそ独裁体制に白紙委任状を渡すことになる。「ねじれ国会」が解消すれば、いよいよ安倍は危険な本性をムキ出しにしてくるのは間違いない。
「すでに安倍政権の危険な兆候は露骨に表れています。憲法改正の発議要件を定めた96条の改定を『選挙の争点にする』と明言。国を滅ぼすTPP参加を独断で決め、原発だって規制委の安全基準制定を待たずに、経産相が秋にも再稼働宣言です。こんな政権が衆参両院を牛耳れば、それこそ何でもアリの政治がまかり通ってしまう。暴政に本気で抵抗する勢力が皆無だから、絶望的になってきます」(森田実氏=前出)
◆タダ飯を食うなら、ゲリラ戦を仕掛けてみろ
危険な兆候は数え上げればキリがない。例えば、安倍政権が年内に策定する「新防衛大綱」だ。自民党の安全保障調査会・国防部会がまとめた大綱への提言案が明るみとなったが、その中身にはア然だ。
自主憲法制定による集団的自衛権行使の容認や国防軍の設置のほか、尖閣諸島をめぐる日中対立を踏まえた海兵隊機能の整備、日米の適切な役割分担の下での敵基地攻撃能力の保有――と、日本を「戦争国家」にするための地ならしが盛り込まれている。
「自民党の憲法改正草案には、国民の基本的人権を奪いかねない『緊急事態条項』も入っています。今こそ政治権力への不断の監視が必要な時期なのに、マトモな言論も健全な野党勢力も存在しないのは、あまりにも危うい。夏の参院選後は、この国の民主主義はいずれ終わってしまうのではないか、と本気で危惧しています」(斎藤文男氏=前出)
存在感を何ひとつアピールできず、選挙でも勝ち目がない野党議員たちは、よくぞ歳費をもらえるものだ。
こうなったら全員バッジを外し、地下に塹壕でも築いて、武装闘争のゲリラ戦を政府に仕掛けたらどうだ? バッジを着けたまま、税金でタダ飯を食い続けるよりは、何ぼかマシな選択だろう。
今の安倍の自信たっぷりで、高揚感に満ちた表情を眺めていると、「いい気になるなよ!」と叫びたくなる。しかし、叫んだところで通じないだろうし、国民も安倍の危険性に気づかない。選挙で“お灸”の選択肢もないとすれば、野党議員の取るべき道は限られてくる。
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