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2013年04月24日 世相を斬る あいば達也
昨日の拙コラムで語った「中韓露印、ASEANにソッポを向かれ始めた日本 世界の孤児ならぬアジアの孤児に」の核的対象国・中国との外交強がり合戦が賑々しい。安倍晋三は尖閣領海内を中国の海洋監視船が11時間に亘り航行した問題で、「尖閣諸島と海域を安定的に維持管理するための具体的な方策として、公務員の駐在や船だまりなどの様々な選択肢は常に頭の中にある」と答えると同時に「中国が挑発行動を取って問題があるからといって、全ての関係を閉じるのは間違いだ」とも述べていた。強きと弱きが交錯するような答えだが、対中、対韓強き外交のポジションから好感をもたれる安倍晋三と、米国の対中穏健包囲外交への忠誠ポジションと云う好感の狭間でコウモリのような態度に終始している姿が垣間見えた。
マスメディアは、ヒステリックに中国監視船が過去最高の数で尖閣領海内を航行、日本漁船を追い回したとか、習近平国家主席と米軍制服組トップのデンプシー統合参謀本部議長と会談の最中の暴挙であるような報道が主体だった。時事は以下のように報じている。
≪中国監視船8隻、領海に11時間=魚釣島1キロまで接近−沖縄・尖閣沖
沖縄県石垣市の尖閣諸島沖で23日午前、日本の領海に侵入した中国の海洋監視船8隻は、約11時間後に領海を出た。同諸島周辺では同日、日本の政治団体関係者らを乗せた船が9隻航行し、中国側は領有権を主張するために対抗した可能性もある。
第11管区海上保安本部(那覇市)によると、8隻は海洋監視船「海監」の「23」「46」「51」「15」「49」「50」「66」「137」。23日午前8時25分ごろまでに領海に侵入し、同日午後7時 15分ごろまでに、いずれも久場島沖で領海を出た。海監50は午前11時ごろ、魚釣島の北西約1キロまで近づいた。同諸島周辺の接続水域では漁業監視船 「漁政201」「漁政202」の2隻も航行した。
政治団体「頑張れ日本!全国行動委員会」によると、22日午後10時半ごろ、地方議員2人を含む約80人が石垣市の石垣漁港を出発。23日午前4時ごろから魚釣島沖などを航行し、同日午後6時ごろまでに同漁港に戻った。航行の目的については、「日本の領海で漁業活動をするため」としている。≫(時事通信)
記事でも触れているが、単なる日本漁船が尖閣付近で漁をしていたと云う話ではなく、政治団体「頑張れ日本!全国行動委員会」の漁とは程遠い政治的運動の一部であった事は事実であり、はじめから、この程度の騒ぎになることは想定内の話である。政治団体「頑張れ日本!全国行動委員会」が参加費135,000円で募集した、一定の政治姿勢を持った団体の親睦観光体験ツアーのようなものである。当該会の会長は田母神俊雄氏、幹事長は水島総氏と云う錚々たるメンバーである。安倍晋三を側面支援する行動のようだが、上述の二股膏薬の真実を晒す、贔屓の引き倒しと云う側面もあるようだ。
村山談話の見直しを2015年に行う、と安倍晋三が発言。周辺を含む多くの人間が呆気にとられたわけだが、どうもアベノミクスの効果が現れるまでに2年は掛かるだろうと、麻生までが言い出したようだ。消費増税も、そのような観点から言えば、先延ばしもあり得ると微妙な発言を開陳した。ロイターは以下のように報じている。
≪ 消費増税、状況次第では先延ばしもあり得る=財務相
[東京23日ロイター] 麻生太郎財務相は23日午後の参議院予算委員会で、来年4月に予定している消費税引き上げについて、今年10月に判断したいと考えているが、引き上げの状況とならなければ、延ばさざるを得ないということは十分にあり得る、と語った。
広野ただし委員(生活)の質問に答えた。
麻生財務相はその場合の先延ばしの期間について「3カ月か半年か1年か、今申し上げる段階にはない」とし、「97年も消費税を5%に上げたときは減収になった。そういったことは十分注意して、今はまず景気を引き上げることに全力をあげている」と語った。
消費税を引き上げた場合、来年以降の景気の重しとなるのではとの指摘には「そういったものに耐えられるGDPや指標をあげておいた上で、国民が気分としてそれくらいのものならやれると思えるようなものにしないといけない。今年駆け込み需要があっても来年その反動が来るといったことなど、十分に考えておかなければならないことはあると思うので、その点も考えて判断したい」と語った。
麻生財務相は午前の同委員会では、消費税引き上げの判断について「景気が良くないと上げられないと(税制抜本改革法の附則に)書いてある。そういったこと(消費税引き上げ)になるように景気を良くしないといけない」と指摘。「(判断する際にみる)指標にはいろいろある。政治的判断で決まる。
街角景気のDIや賃金、住宅価格など、指標の流れも含めて検討したい」と話していた。≫(ロイター)
このような発言が飛び出すところをみると、どうもアベノミクスが景気浮揚に貢献している数字が実体経済上現れそうもない弱きが顔をもたげている感じだ。株価上昇に関しても、いまだに海外資金による買い越しのルーチンから国内参戦には至っていない。相当海外勢にも苛立ちが目立ちはじめている。日本勢が参戦してはじめて、大きな利ザヤが得られるわけで、自分達だけババ抜きをしている状況は好ましくないだろう。米国株式市場では「ヒンデンブルグ・オーメン」が点灯し、テクニカル的な株価暴落の前兆が現れたと云うだけに、気が気ではないだろう。
アベノミクスとは、経済の好循環を逆さまから行おうと云う、史上初の実験場である。まずバブル経済を作り、そのバブル数値を基に好決算を生みだし、マヤカシのPBR・PERを充足させ、新規事業や設備投資を促し、雇用を盛んにし、賃金も上昇させよう、と云うのだから、手品のような事を考えている。つまりは、上手く行きようがリフレ経済政策なのである。このままでは、到底参議院選前まで、好景気風味の持続は厳しいと見るのが妥当だ。そこで、本来の景気循環に戻るには2年はかかる。故に、消費増税の先送りはやむを得ない、と宣言する可能性が出てきた。折角だから、愚民たちが歓ぶような情報は餌として利用するのは、選挙のイロハである。植草氏が以前予測していたが、参議院選直前に「消費税凍結乃至は先送り」を宣言する可能性は強まった。その意味では、反消費税は選挙の争点として重要視しない方が良さそうだ。反TPPと96条先行改憲反対が妥当なのだろう。
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