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2013-04-23 21:24:22NEW ! Shimarnyのブログ
日本がTPP参加の場合に賃金がどうなるのかというシュミレーションで、「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングが実践することが明らかになった。
TPP交渉参加にあたり国民に非常にわかりやすい試みとなることは幸いである。
正しく「道州制」で実験台となっている橋下市長の「大阪都構想」と同様に、「TPP」で実験台となる柳井社長の「世界同一賃金」ということになろう。
この実験が失敗するのは「成長」がベースで「成熟」がベースでないからである。
まだ「新自由主義」と「グローバル」の最後の宿命を認識していないのだろうか。
「ユニクロ」の試みを突き詰めて考えれば、次のシュミレーションが成立しよう。
「ユニクロ」の社員となれば、全世界共通で、同一ルールの下、同一賃金体系の下、市場原理の下、過当競争を強いて敗者は切り捨てられるのである。
そして、「ユニクロ」が成長し続ければ勝者が集まるだろうが、一旦成長が止まってしまえば勝者まで強欲を求めて「ユニクロ」から退避するのである。
つまり、新自由主義、市場原理主義、グローバル化では成長が「命」なのである。
もし、成長が止まれば制御が不能となり強欲が暴走すると言っても過言ではない。
しかも、日本人は元来農耕民族であり、アングロサクソンの狩猟民族になろうとしても、真似るだけで精一杯で、狩猟民族の出来損ないになるだけである。
これより、「ユニクロ」は「ソニー」と同じく擬似グローバル企業になるだろう。
日本企業ではなく国籍不明企業となり、文明の狭間でジレンマを抱えるのだろう。
そして、この実験で見えるものは、既存の価値基準、知的水準、教育水準、文化水準、行動様式が一切無視されて成果基準に統一されるということである。
「ユニクロ」であれば、売上成績のみ絶対価値の身分制度を確立されるのである。
つまり、問われるのは売上だけであり上げれば勝ち上げなければ負けなのである。
恐ろしいのは、「TPP」がこの考えを全分野に強要する構想となることである。
「TPP」とは、既存の価値基準、知的水準、教育水準、文化水準、行動様式を一切無視して、新規で策定する「同一基準」を参加国に押し付けて、参加国の全国民で新規で身分制度を確立させる制度ということである。
キーワードは、「既存の価値を一切無視」と「新規の価値を同一基準」である。
まず、「ユニクロ」の記事で価値の「平準化」がもたらす日本の将来が見える。
[4月23日 朝日新聞]ユニクロ、「世界同一賃金」導入へ 優秀な人材確保狙う
http://www.asahi.com/business/update/0423/TKY201304220460.html
「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングの柳井正会長兼社長は、店長候補として採用した全世界で働く正社員すべてと役員の賃金体系を統一する「世界同一賃金」を導入する考えを明らかにした。海外で採用した社員も国内と同じ基準で評価し、成果が同じなら賃金も同水準にする。すでに役員や上級部長らは実施し、今後、一部の店長まで広げる。企業のグローバル展開が加速するなかで、賃金体系の統一にまで踏み込む企業が出てきた。日本の働き手たちは、新興国や欧米の社員と共通の土俵で働きぶりが評価され、世界規模の競争を強いられることになる。新制度が根づけば、給与水準が全世界で均一化していき、比較的高い日本の給与が下がる「賃金のフラット化」につながる可能性もある。
[4月23日 朝日新聞]世界規模のふるい、成長か死か ユニクロの同一賃金
http://www.asahi.com/business/update/0423/TKY201304230001.html
世界のグローバル企業の仲間入りをめざし、ファーストリテイリングが「世界同一賃金」を打ち出した。優秀な人材を登用するため、世界規模で社員たちをふるいにかけていく。だが国内では、社員を酷使することへの批判が根強い。現場の疲弊をさらに強めることにならないか、心配する声もある。
[4月23日 朝日新聞]「年収100万円も仕方ない」ユニクロ柳井会長に聞く
http://www.asahi.com/business/update/0423/TKY201304220465.html
「世界同一賃金」は、社員のやる気を生むものなのか、はたまた「現場の疲弊」をさらに強めるものにならないのか。導入の狙いや、社員を酷使する「ブラック企業」との批判に対する見解を、ファーストリテイリングの柳井正会長兼社長に聞いた。
――「世界同一賃金」を導入する狙いは何ですか。
「社員は、どこの国で働こうが同じ収益を上げていれば同じ賃金でというのが基本的な考え方だ。海外に出店するようになって以来、ずっと考えていた。新興国や途上国にも優秀な社員がいるのに、同じ会社にいても、国が違うから賃金が低いというのは、グローバルに事業を展開しようとする企業ではあり得ない」
――中国などに比べて賃金が高い日本は下方圧力がかかって、逆に低い国は賃金が上がるわけですか。
「日本の店長やパートより欧米の店長のほうがよほど高い。日本で賃下げをするのは考えていない。一方で途上国の賃金をいきなり欧米並みにはできない。それをどう平準化し、実質的に同じにするか、具体的な仕組みを検討している」
――いまの離職率が高いのはどう考えていますか。
「それはグローバル化の問題だ。10年前から社員にもいってきた。将来は、年収1億円か100万円に分かれて、中間層が減っていく。仕事を通じて付加価値がつけられないと、低賃金で働く途上国の人の賃金にフラット化するので、年収100万円のほうになっていくのは仕方がない」
――付加価値をつけられなかった人が退職する、場合によってはうつになったりすると。
「そういうことだと思う。日本人にとっては厳しいかもしれないけれど。でも海外の人は全部、頑張っているわけだ。僕が心配しているのは、途上国から海外に出稼ぎにでている人がいる、それも下働きの仕事で。グローバル競争のもとで、他国の人ができない付加価値を作り出せなかったら、日本人もそうやって働くしかなくなる。グローバル経済というのは『Grow(グロウ) or(オア) Die(ダイ)』(成長か、さもなければ死か)。非常にエキサイティングな時代だ。変わらなければ死ぬ、と社員にもいっている」
この「ユニクロ」の記事により明らかとなることは、新自由主義、市場原理主義、グローバル化すれば先進国の賃金が平準化されて低下することである。
柳井会長の述べるように「ユニクロ」は民間企業であるので、「仕方がない」と言っても成長するためには止むを得ず、これに異議を唱えるつもりはない。
しかし、TPPは「ユニクロ」と全く同じ概念を持った枠組みとなるのである。
TPPは新自由主義により「人」「物」「金」の流れを自由化することである。
TPPは固有の制度や価値を廃止して統一の制度や価値を導入することである。
これよりTPPに参加すれば、年金制度、医療制度、保険制度など日本の既存制度が廃止されて、参加国で決める統一の制度を押し付けられることになる。
これよりTPPに参加すれば、資産価値、貨幣価値、賃金価値など日本の全て価値が平準化されて、資産が流出して資産のフラット化されることになる。
今回のユニクロの「世界同一賃金」は、後者の価値の平準化と同じなのである。
正にTPPの「資産価値」「貨幣価値」「賃金価値」の平準化の第一歩である。
つまり、ユニクロの柳井会長が「世界同一賃金」の導入について発言していることは、TPPに参加した日本の将来を暗示しているに等しいのである。
TPP参加で、日本が新自由主義を推進してグローバル化すれば、将来的に中間層が減り年収1億と年収100万で平均年収200万前後の国になるのである。
現在のサラリーマンの平均年収409万であるから、半分以下となるのである。
国民の平均年収が半分になるということは、それに関連する土地、資産、貨幣などその国が抱える全ての価値が半分に収斂されていくことは明らかだろう。
つまり、TPP参加で引き起こされることは、これまで築き上げた日本の資産、貨幣、賃金など全ての価値をTPP参加国へ流出させることなのである。
TPP参加が日本に「百害あって一利なし」とは、日本の経済が成長しないとか日本の制度が破壊されるの他にも、資産価値を流出させることも理由となる。
そして、最終的にはユニクロ同様に「成長か死か」であり、資産流出が終了すればTPPの「成長」が止まることを意味して「死」が待つのみなのである。
おそらく、TPP参加国で資産価値が平準化されて身分制度が確立される頃には、第二のリーマンショックが起こってTPPが破綻することになるだろう。
米国の新自由主義はリーマンショックで終わり、TPPの新自由主義は第二のリーマンショックで終わり、次はFTAAPで新自由主義となるのだろうか。
正に新自由主義は終わり無き強欲であり、資産を食い潰しては破綻を繰り返す。
たとえグローバル化するにしても、アングロサクソンの狩猟民族を標榜した「ユニクロ」でなく、日本の農耕民族で叩き上げた「トヨタ」を見習うべきである。
日本に必要なのは、「ムダ削減、改善、自動化」で再分配制度を再構築である。
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