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2013年4月23日 神州の泉
3月8日付けの東京新聞によれば、TPPへの交渉参加問題で、2011年11月に後れて交渉参加を表明したカナダとメキシコが、既に交渉を始めていた先発九カ国から「交渉を打ち切る権利は9か国のみにある」「既に現在の参加国間で合意した条文は原則として受け入れ、再交渉は要求できない」等の、極めて不利な追加条件を承諾した上で参加を認められていたことが分かった。
カナダ、メキシコ両政府は交渉条件をのんだ念書(レター)を極秘扱いしている。東京新聞は関係筋から伝わったこととして、後発国に課せられた条件が実に恐ろしいものであることを報じている。それは、カナダ、メキシコの後発国は、交渉終結権を手放したことによって、新たなルールづくりの協議で先発9か国が交渉をまとめようとした際に、拒否権を持てなくなるということである。
さて、ここで東京新聞がカナダ・メキシコ両国が“交渉終結権を手放した”と淡々と書いているが、これは先発9か国が交渉内容を具体的に進めて行く時、後発諸国はその内容に異議があっても、ただ手をこまねいて成り行きに任せるしかなく、決まったことには全面的に従わなければならないということなのか。つまり、後発国はそういう条件は呑めないと断って、その交渉結果を拒否できないということになる。
後発国は交渉を打ち切る権利も再交渉の権利もない。物凄く無理無体(むりむたい)な話である。TPPは米韓FTAをハイレベルにしたものという米国通商代表部の言葉が伝わっているが、だとすれば、中野剛志(京都大学大学院工学研究科准教授)氏が指摘するように米韓FTAでは、現状の自由化よりも後退を許さないというラチェット規定は、当然ながらTPPにもよりハイレベルで組み込まれていることになる。
中野氏によれば、米韓FTAでラチェット規定が入っている分野は、例えば銀行、保険、法務、特許、会計、電力・ガス、宅配、電気通信、建設サービス、流通、高等教育、医療機器、航空輸送など多岐にわたり、どれも米国企業に有利な分野ばかりだそうだ。企業投資に都合の良い偏頗なジャッジが国内法を優越するISDS条項と、このラチェット規定が、日本を嵌めるために凶暴に作動するとすれば、それがTPPの本性であると考えるべきである。
ラチェット規定が各分野個別の不可逆性だとするなら、全体の交渉枠も“交渉終結権なし”というフラクタルな自己相似形になっているようだ。これは非常に恐ろしい構造である。安倍首相も政府もよくよくこれを知っていながら神経質に国民から、その真相を覆い隠している。しかも3月8日に東京新聞で暴露されているにもかかわらず、安倍首相は5日後に交渉参加を正式表明した。
ここで、交渉終結権も交渉再要求権もないカナダとメキシコがなぜTPP交渉に加わったのかという疑問が出てくる。しかも、前に書いたように、カナダとメキシコは北米自由貿易協定(NAFTA)で、アメリカとの間で起きた投資トラブルで、カナダは28件、メキシコは19件、すべてアメリカに敗訴している。
こういう圧倒的な不利にありながら、この両国はなぜTPPに後発国として参加したのだろうか。カナダ、メキシコも農産品を関税で守りたい立場では日本と一緒であるにもかかわらず、国内の反対を押し切って交渉参加に加わった。それは日本の参加を見越し、日本市場に旨みを見つけているからだという見解が一般的である。
その意見はもっともであるが、この他の理由として、カナダとメキシコは裏でアメリカの属国になっているからだと思われる。北米通貨連合(The North American Currency Union) はユーロ圏を意識し、アメリカの提案による北米大陸および周辺国を単一経済圏と見なすアメロ構想(経済通貨統合)がある。そういう動きがあるくらいだから、カナダ・メキシコはTPPでもアメリカに逆らえない状況なのではないだろうか。
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