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陽光堂主人の読書日記
マスコミの世論調査は、ネットの世界では余り信用されていません。日中に電話して応対してくれる人は、情報源を専ら新聞・テレビに頼っているお年寄りか主婦のことが多いですから、やらせみたいなことになってしまうからです。
マスコミが垂れ流した報道を鵜呑みにしている人たちに対して、当のマスコミが意見を訊いても自分たちの報道姿勢を再確認するだけですから、意味がありません。(もちろん、マスコミ報道を批判的に受け止めている人もいますが…)
こうした批判を気にしているのか、マスコミは最近、土日に電話による世論調査を行なっています。これなら現役世代も家にいることが多いから、文句ないだろうというわけです。
しかしその結果が正しく集計されているかどうか、外部の人間は確認できません。信用するしかないのですが、権力とべったりの関係にありますから到底無理です。(鳥越俊太郎氏が述べているように、世論調査は実際に操作されています)
逆に言えば、世論調査の結果から、為政者たちがどのような方向へ引っ張って行こうとしているのかが判ります。権力側の意思表示と捉えるわけです。
本日、共同通信の世論調査が発表されていますので、この視点から分析を試みたいと思います。中國新聞は、こう報じています。
(http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp201304220042.html)
アベノミクスで「所得増えない」69% 共同通信世論調査
共同通信が20、21両日に実施した全国電話世論調査によると、金融緩和など安倍政権の経済政策「アベノミクス」で所得が増えると思うとの回答は24・1%にとどまった。増えないと思うとの答えが69・2%に上り、期待が収入増を想定するまで深まっていないことが分かった。景気好転を「実感できない」との声が81・9%に達し、「実感できる」は13・7%だった。
一方、安倍内閣の支持率は72・1%と、前月の71・1%からほぼ横ばい。2013年度予算案の順調な衆院通過などへの評価を反映したとみられる。内閣不支持は16・0%で0・7ポイント減った。
衆参両院でともに3分の2以上の賛成が必要な憲法改正の発議要件を過半数へと緩和することには42・7%が賛成し、46・3%が反対した。前回と賛否が逆転した。
環太平洋連携協定(TPP)交渉参加について「賛成」「どちらかといえば賛成」が62・1%で、「どちらかといえば反対」「反対」の29・7%を大幅に上回った。
衆院選挙制度をめぐり、違憲判決が相次ぐ小選挙区の「1票の格差」是正と定数削減を合わせて実施するよう求める回答が54・0%あった。小選挙区の「0増5減」を先行させるべきだとしたのは29・8%だった。
夏の参院選の比例投票先は、自民党が前回比1・6ポイント減の42・5%。日本維新の会が微増し8・5%、民主党は微減して5・8%だった。
政党支持率は自民党が前回の46・9%より2・8ポイント減の44・1%。民主党は0・5ポイント減の5・8%、日本維新の会は1・6ポイント減の5・5%。続いて公明党4・5%、みんなの党4・0%、共産党2・9%、生活の党と社民党が1・0%、みどりの風と新党改革が0・1%で、支持政党なしは30・4%だった。
自民党の支持率が44%で、安倍内閣の支持率は何と72%もあるそうです。よくもまあ、こんなデタラメな数字を並べられたものです。自民党より安倍が支持されていると言いたいのでしょうが、全体的に嵩上げされていることは明らかです。
憲法96条の改正について、反対派の方が多いのは実態に即していますが、これが正しいとすると、憲法改正に邁進する安倍内閣の高支持率と矛盾します。「憲法改正には反対だけど、安倍チャンは好き」という物好きが多いということなのでしょうか?
アベノミクスで所得が増えないと思う人が70%もいますが、この数字も実態に近いと思います。大半の人には恩恵がないことは明らかですから、この判断は正しいと言わざるを得ません。
しかしその一方で、TPP参加に賛成する人が62%もいるのは解せません。TPPを推進すれば、完全(従米)自由貿易が行われますから、ごく一握りの人たちを除いて賃金は据え置かれるか、低下します。
TPPやアベノミクスで所得が減っても仕方がない、それでも安倍政権を支持するという人が多いことになりますが、そんなことが有り得るのでしょうか? 調査結果は整合性を欠いています。
「一般の人たちはそんなものだよ」というしたり顔の解説をする人も出て来そうですが、政府の方針に従って世論調査をでっち上げたから矛盾が生じたのでしょう。「でっち上げ」という表現が酷すぎるなら、「数字を嵩上げした(または減らした)」としておきます。
米国を含む権力サイドは、TPP参加が最優先課題で、何でも言うことを聞く安倍政権は維持させたいということなのでしょう。だからこの2点については異常に数値が高くなっています。後の項目は、比較的実態に近い感じがします。
アベノミクスに期待していない人が多いのは気になるところでしょうが、安倍政権はこれを逆手に取る可能性があります。夏の参院選前にアベノミクスの失敗が明らかになったら致命傷ですが、来年4月からの消費増税を先送りするという動きも見られます。
この件に関しては、植草一秀氏の「知られざる真実」に記されています。以下、該当部分を引用します。
(本日付、「経済で逃げ切り図るアベノミクス政権倒す三本の矢」)
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2013/04/post-4183.html
消費税増税はいまのプランでは、
2014年4月に5%→8%、
2015年10月に8%→10%
このやり方だと、日本経済が最悪の状況に陥るのは2016年前半になる。
国政選挙は衆院の解散総選挙がないと、本年7月参院選から2016年夏の参院選まで、丸3年間空白期を迎える。
衆院任期満了は2016年12月。
したがって、2016年夏の衆参ダブル選の可能性がもっとも高い。
その場合、日本経済が最悪の状況下でダブル選ということになる。
これは与党として避けたいところ。
そこで浮上するのが、消費税増税時期の丸1年先送りだ。
2015年4月に5%→8%、
2016年10月に8%→10%
このやり方だと、2016年衆参ダブルに大きな弊害が出ない。
みんなの党の渡辺喜美氏が党首討論で消費税増税の実施先送りを提案した。
安倍氏は参院選前に消費税増税の1年先送りを宣言する可能性がある。
すべては、参院選に向けてのキャンペーンだ。
周知の如く、みんなの党は自民党の別働隊ですから(先日の党首討論で、渡辺喜美代表はTPPに対する安倍政権の突破力を絶賛していました)、消費増税の先送りを提案したのはやらせの疑いがあります。観測気球を飛ばして世間の反応を見たのでしょう。
アベノミクスには中身がありませんから、いずれ弾けて一層深刻な景気後退に見舞われることになります。現に輸出も雇用も一向に改善せず、むしろ悪化しています。(貿易などは金額よりも、数量で判断すべきです) 次第にメッキが剥がれて来ており、そうなると消費増税は難しくなり、2016年の選挙にも支障をきたします。
そこで正義の味方のような顔をして安倍が消費増税を先送りすれば、アベノミクスの失態を糊塗して支持率を維持することも可能かも知れません。財務省は渋ると思いますが、1年間だけなら了承するでしょう。
既にアベノミクスの失敗を織り込んだ動きが見られ、世論調査にもそれが表れています。権力側は非常に狡猾ですから、今から株式投資などに参加しようとする人は充分な注意が必要です。鴨が葱を背負ってやって来たとして骨までしゃぶられる公算が大です。
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