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2013年04月22日 板垣 英憲(いたがき えいけん)「マスコミに出ない政治経済の裏話」
◆安倍晋三首相は、中国・四川省で発生した地震被害の報を受けて、直ちに中国共産党1党独裁の北京政府に「お見舞い」とともに「支援を行う用意がある」旨、習近平国家主席と李克強首相に伝えた。
これに対して、中国側から「国外からの支援を必要とする状況にない」と断られたという。
習近平国家主席と李克強首相は、親交が厚い生活の党の小沢一郎代表が、安倍晋三政権から軽視され、ないがしろにされている現状を熟知しており、不快に思っている。
安倍晋三首相は、尖閣諸島領有権をめぐり、中国北京政府に対して強硬姿勢を取り、しかも、日米同盟強化とTPP参加により、米国中心の「対中国包囲網構築」に積極的に加担しようとしている。
習近平国家主席と李克強首相は、「敵対的な外交姿勢」を強めている安倍晋三首相から「支援の手」をさしのべてもらいたくないという感情をムキ出しにしている。「地震被害という不幸」の弱味につけ込んで来てもらいたくないということだ。たとえ「善意の申し出」であっても、「日中国交正常化という井戸を最初に握った恩義のある田中角栄元首相の直弟子である小沢一郎代表を抜きにした支援など受けたくない」という意味であもある。この点で、「戦略的互恵関係=ウィン・ウィンの関係」を標榜している安倍晋三首相は、「義理と人情」の分からない人間と受け止められている。
◆それも日本経団連の米倉弘昌会長ら財界首脳陣が、毎年恒例としている「訪中団」(5月8日〜11日予定していた)と習近平国家主席、李克強首相との面会を申し込んですぐに断られたばかりで、安倍晋三首相も、心配していた。それだけに、地震被害へのお見舞いと支援の用意を示して、北京政府との関係改善を図ろうとしたと見られる。それがとりつくシマもなくあっさりと一蹴されてしまったのだ。
◆安倍晋三首相は、中国との関係では「台湾派」が主流の自民党派閥「清和会」の所属である。この会を創った福田赳夫元首相が、強い反対論を押し切って、日中平和友好条約を締結したとはいえ、いまでも「台湾派」であることには変わりはなく、「1つの中国」を国是としている北京政府の神経を逆なでしている。安倍晋三政権が「3.11」2周年の追悼式を催した際、震災発災時に多額の支援金を贈ってくれていた「台湾」の代表者を招き、指名献花してもらったことを知った北京政府は激怒していた。もちろん、この北京政府は代表者を派遣してきていなかった。
ことほど左様に、日中関係はいままさに「氷ついた状態」にある。このため、心ある日本人の多くは「日中関係改善」には小沢一郎代表が、どうしても必要な政治家であると痛感し始めている。これ以上こじらせると、日中双方に不幸を招くと憂慮しているのだ。
【参考引用】読売新聞YOMIURIONLINEが4月21日午前時12分、「安倍首相がお見舞い「支援行う用意」…四川地震」という見出しをつけて、以下のように配信した。
「安倍首相は20日、中国・四川省の地震を受け、習近平シージンピン国家主席と李克強リークォーチャン首相に対し、『心よりお見舞い申し上げる。我が国としても最大限の必要な支援を行う用意がある』とのメッセージを送った。外務省によると、中国側から謝意とともに『現時点では国外からの支援を必要とする状況にはないが、今後必要が出てくれば随時連絡したい』と回答があった」
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