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2013/4/20 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
いまごろ、安倍首相と黒田総裁の「アベクロコンビ」は、青くなっているのではないか。アベノミクスに“計算違い”が生じているからだ。
「円高が輸出企業の競争力を奪っている」――と、為替を「円安」にすることで輸出を増やし、企業業績を改善させ、景気を良くするのがアベノミクスのシナリオだった。ところが、1ドル=79円から1ドル=100円近くまで「円安」を進めたのに、ほとんど輸出が増えていないのだ。2013年3月の貿易統計を見ると、輸出数量は10カ月連続の減少。輸出額も前年同月比1%増えただけだった。
「もはや、円安にすれば景気が良くなるという時代ではありません。日本企業の68%が海外に進出している。生産拠点を海外に移しているので、かつてほど円安の恩恵がないのです。むしろ、輸入物価の値上がりなど円安のデメリットが大きくなっている。原材料の高騰に多くの企業が頭を悩ませているのが実情です。安倍首相も黒田総裁も、経済の実体を分かっていません」(経済評論家・広瀬嘉夫氏)
そもそも輸出が低迷しているのは、市場が「メード・イン・ジャパン」に魅力を感じなくなっているからだ。輸出を増やすには、官民挙げてキラーコンテンツを作るしかない。為替を操作することで輸出を拡大させようという発想が間違っている。
◆アベノミクスは第2のパールハーバー
ヤバイのは、輸出も増えず、実体経済も良くなっていないのに、株価だけが暴騰していることだ。
さすがに市場も警戒しているのか、ここ2週間は、毎日100円前後しか上下していないが、すでにこの5カ月間で8660円から1万3300円へと、4600円も上がっている。2月の失業率は、4・3%と前月より0・1ポイント悪化しているのに、どんどん実体経済と乖(かい)離(り)している。カジノと化しているのは明らかだ。
この先、株価はどうなるのか。株式評論家の杉村富生氏はこう言う。
「アベノミクスによって株価は60%も上昇しています。過去の経験則では、半年間では50〜60%の上昇が限界です。すでに天井に達したといえます。しかし、黒田総裁が宣言している“次元を超えた金融緩和”は、過去の常識は通用しない。なにしろ、市場に流すカネの量を2年間で138兆円から270兆円へと2倍に増やすというのだからハンパじゃない。恐らく、日銀が供給する資金の多くは投資に回されるでしょう。資産バブルが起こるはずです」
しかし、実体経済が伴わないのに、いつまでも株高がつづくはずがない。
すでに欧米の投資家は、アベノミクスを「第2のパールハーバー」と呼び始めている。アメリカとの戦争に反対した山本五十六は「やれとおっしゃるならば、半年や1年は暴れてみせましょう。しかし、その先は責任はもてない」と近衛首相に答えている。実際、その後、日本は敗退に敗退を重ね、無条件降伏している。アベノミクスも市場の意表を突き、奇襲には成功したが、もって半年か1年ということだ。
◆アメリカの株高と日本の株高は違う
大新聞テレビは「アベノミクス」を持てはやしているが、「次元の違う金融緩和」などというバカな政策は即刻、やめさせないとダメだ。
つい最近、アベノミクスの生みの親である浜田宏一エール大名誉教授は、日銀の金融緩和を「どれだけ所得や消費を喚起するのか、分からない。これほど大規模な実験は世界でも行われていない」と語っている。アベノミクスは「実験」だというのだ。丁半バクチのような無責任な「実験」をやられたら、国民はたまらない。
「アベノミクスを支持するリフレ派のなかには、“アメリカも大胆な金融緩和を行った結果、NYダウは過去最高を更新している”と解説する者もいますが、アメリカと日本の株高はまったく違います。アメリカはシェールガス革命という裏付けがある。シェールガス革命によって雇用が生まれ、採掘現場で働く労働者が家を買い、クルマを買っている。人口も増えている。内需拡大という実体経済の改善に伴って株価が上がっているのです。金融緩和だけで株価が上昇している日本とは違います」(広瀬嘉夫氏=前出)
このまま異次元の金融緩和をつづけさせたら、いずれ国債が暴落し、金利が急上昇し、ハイパーインフレを招くのは間違いない。「ジリ貧を恐れて、ドカ貧を招いた」真珠湾攻撃と同じ構図である。
◆サラリーマンの首切って株価上昇
日本経済をデフレ不況から脱出させるためには、結局、実体経済を良くするしかないのだ。
企業の生産が増え、サラリーマンの給料がアップし、個人消費が活発になるようにするしかない。
そのためには、日本中が元気になるような「成長戦略」を掲げることだ。アメリカはシェールガス革命によって息を吹き返している。
なのに、安倍首相は、サラリーマンの給与を増やすどころか、「労働市場の流動化」を成長戦略の目玉にするつもりだから、どうかしている。「労働市場の流動化」とは、要するに、企業が社員のクビを切りやすくすることだ。「正社員中心の労働市場」を見直すという。
たしかに、リストラしやすくなり、正社員を非正規に変えられれば、企業の収益は上がり、株価も上昇するだろう。しかし、国民を犠牲にして株価を上げることに、どんな意味があるのか。
「安倍首相の頭にあるのは、なんでもいいからアベノミクスの成果をPRし、総理大臣をうまくつづけたい、ということだけです。異次元の金融緩和によって、1年後、日本がどうなるか、理解しようともしていないでしょう。刹那的な欲望しかない。黒田総裁も、どこまで次元を超えた金融緩和の副作用を考えているのか。この人も、ただ日銀総裁というポストに就きたかっただけとしか思えません」(政治評論家・本澤二郎氏)
高支持率に気を良くしている安倍首相は、ワイドショー番組に出演しては「賃金上昇は夏を越えれば実感していただける」などとテキトーなことをしゃべっている。
日本が第2の敗戦を迎える日も近いのではないか。
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