http://www.asyura2.com/13/senkyo146/msg/603.html
Tweet |
http://blog.goo.ne.jp/aibatatuya/e/84ff0823bd3698b3d01a2046e960166f
2013年04月20日 世相を斬る あいば達也
なんとも馬鹿馬鹿しいTPP交渉参加における“11カ国参加承認協議”の顛末報道だった。わかり切っている事とはいえ、暗礁に乗り上げているとか、何やら参加承認に壁でもあって、日本の役人や甘利とか云う糞大臣が、丁々発止の活躍の結果、どうにか全11カ国の承認を得るに至ったような演出に終始していた。まともな理解力の人間なら、オバマの一喝で安倍がTPP参加を表明した時点で、すべては決していた。読売は、以下のように甘利の尽力を報じている。
≪ 日本、TPP交渉参加へ…残るカナダも承認
【スラバヤ(インドネシア)=宮崎健雄、永田毅】カナダは20日、環太平洋経済連携協定(TPP)の日本参加を巡り、「日本との協議は成功裏に終結した」 との声明を当地で正式に発表した。 カナダの国際貿易省の広報官は記者団に、「日本の参加を受け入れるということだ」と説明した。
カナダの承認により、参加11か国すべての承認を得た。米政府はこれを受け、近く米議会に通告し、90日後に日本の参加が決定する。日本は7月下旬にマレーシアで予定されている交渉会合に参加できる見通しとなった。
当地ではアジア太平洋経済協力会議(APEC)貿易相会合が開かれており、19日には甘利TPP相が、カナダのファスト国際貿易相と会談し、日本の参加支持を要請していた。≫(読売新聞)
TPP(環太平洋パートナーシップ協定)は、環太平洋地域の国々による経済の自由化を目的とした多角的な経済連携協定 (EPA) である。同時に「中国包囲」と云う役割も担おうと試みられた軍事同盟的色彩も有している。この安全保障上の理由が日本政府にとって、TPP選択の重要ポイントだったに違いない。このTPP参加により、日本が貿易上有利になる可能性と不利になる可能性を天秤にかければ、3:7程度に収斂していくだろう。貿易と云う枠組みだけで考えれば、無能な安倍でも判り切った不平等協定なのだ。
それでも、首を縦に振ったのは、オバマの脅しもあったろうが、「中露」と云う軍事経済ブロックの脅威に日本が怯えている事実を露呈したとも言える。NATOにおける米国のプレゼンスの衰退、国家財政の逼迫が等々が、このTPPと云う、取ってつけたような環太平洋等と云う概念を生みだしたと見ておくべきだ。歴史的にみれば、この協定への参加が中国包囲網だと言われていたのに、気がつくと「日本包囲網」になっている笑話さえ目に浮かぶ。また、対中露外交の重大な足枷となり、決定的外交戦略の手足をもがれた、と気づく日が来るのかもしれない。
架空の「米中冷戦構造」という枠組みの中で、経済的にも、軍事的にも、近視眼的には動いているように見えるのも致し方ない。何となくだが、米国につくか、中国につくか、と問われれば、日本人の90%以上の人が、米国を選択するのだろう。しかし、50年後もその選択で良いのか、と聞かれれば、50%の人間はかなり考えるのだろう。もうひとつ決定的に考えておくべき要素がある。それは中国やロシアとの、物理的距離の問題である。南北アメリカ大陸の国々は中露から遥かに遠い。豪州もオーストラリアも、それなりに遠い。ミサイルだ、グローバル経済だと云う言説のおかげで、如何にも物理的距離が些細な問題のように無視されているが、何と言うことはない、中国とロシアは日本にとっては、まさに隣国である。TPP参加の各国と、置かれている立場は圧倒的に日本に不利なことを無視した議論は空論、そのものである。
TPPに関する、賛成反対の議論を聞いていても、経済上、儲かる、損するの議論から抜け出していない。TPPへの参加で、日本と云う国家の体質やシステムがどのように変わっていくのか、それを国民が望んだものなのか、まったく見当もつかない協定になるかもしれないし、それ程強力に作動しない協定になるのか、ここまで来てしまったのだから、推移を見守るしか手立てはない。仮にあるとすれば、それは安倍自民党政権を解散総選挙にまで追い込み、もう一度日本をリセットするしかない。しかし、現安倍内閣の支持率は・・・。個人的には、壊れてから考えるのも悪くはないと思っている。少々無責任だが、自民党が政権を握った以上、こう云うことが起きることを一応民意は想定選択したのだから、仕方ない。今や、政治家も政党も嘘を言うのは常識にさえなっている。
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
▲このページのTOPへ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK146掲示板

すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。