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「日本一新運動」の原点(157)ー伊吹衆院議長は事態を収集せよ  
http://www.asyura2.com/13/senkyo146/msg/540.html
投稿者 かさっこ地蔵 日時 2013 年 4 月 17 日 23:31:26: AtMSjtXKW4rJY
 

http://www.it-ishin.com/archives/2013/04/2267/
2013年04月17日 日本一新の会 共生共栄友愛社会を目指して


日本一新の会・代表 平野 貞夫妙観

○総選挙「違憲判決」に対する政治の責任

 3月27日、昨年暮れの衆議院選挙で「一票の格差」が最大2・43倍であったことをめぐり、各地で選挙無効・やり直しを求めた16件の訴訟の判決が出そろった。
 それぞれの高等裁判所や同支部での判決は、16件中14件が「違憲」、うち2件が「選挙無効」と判決した。2件が「違憲状態」の判決であった。年内には最高裁判所の判決があり、最終的な憲法判断が行われる。


 最高裁は平成21年の総選挙が「違憲状態」であると、平成23年に判決している。国会は、この最高裁の「違憲状態」の判決に対し、党利党略で対応して制度の整備を怠った。判決を冒涜して当時の民主党政権の野田首相が解散を断行して総選挙に持ち込んだものである。16件の高裁の判決をうけて行われる最高裁の判決は、相当厳しいものとなろう。

 高裁での16件の判決が出た後、国民のレベルでは、国会や政党の怠慢に怒りの声が溢れている。しかし、政党や政治家レベルの反応は、これが議会政治国家か、と疑うような状況である。与党も野党も責任問題を避けて、制度の技術論ばかりだ。看過できないのは国会議員の中に、「最高裁の最終判決ではない」と、高裁の判決を無視した議論があることだ。選挙制度が議会民主政治の心臓部分であることを認識していない議員は辞めるべきだ。

 「違憲状態」での総選挙について、私は「メルマガ・日本一新」132号(平成24年10月25日発行)で述べておいたが、総選挙に正当性がないので、当然に衆議院の構成にも正当性がなくなる。従って憲法上許されることではないと論じた。高裁の厳しい判決をうけて、最高裁はどんな判決を下すのか。「事実行為を容認するか、総選挙全部を無効とするか、違憲状況の部分を無効とするか、さまざまなこと想定される」と述べておいたが、今回は司法権の存立にかかわることである。
 国民が納得する厳しい判決となろう。そのために、政治は最高裁の判決を待っての対応では、責任も義務も果たせない。

(野田前首相の政治責任を問うべし!)

 最高裁の前回の判決が「違憲状態」であり、常識的に見て今回の判決がそれ以下であることは考えられない。野田首相が行使した「解散権」は、そもそも憲法違反ということになる。各地の高裁からこれだけの「違憲判決」や「選挙無効判決」が出され、判決文で厳しい指摘がなされている中で、野田前首相は反省の意を表すとともに、自分に政治責任があることを表明すべきである。

 そして、最高裁の判決の内容によっては、野田前首相は政治責任をとって議員辞職すべき問題である。「一票の格差問題」は、昨年秋の臨時国会で「0増5減案」を解散の間際に成立させた。しかし、選挙区割りについては法整備が間に合わず、「違憲状態」のままで、野田首相は解散を断行した。本来は、区割りや周知期間などを配慮して、約3ヶ月の期間が必要といわれた。衆議院議員の任期は平成25年8月29日まであり、「違憲状態」を解消しての解散・総選挙は行えたはずだ。

 現に昨年11月初旬、横路孝弘衆議院議長は「最高裁で“違憲状態”とする定数是正を、法改正だけでなく、区割りや周知期間などを整備して、憲法と法律に則った解散・総選挙を行うべきである」と勧告している。しかし、この横路議長の勧告は“声”が小さいというか、形だけという感じのものであった。本気で『議会民主政治』を守るという力強さはなかった。その意味で「違憲状態」での総選挙に至った責任の一端は横路前衆議院議長にもある。

(伊吹衆議院議長は事態の収拾をすべし!)

 圧倒的多数の「違憲状態」のみならず、「違憲・無効」とまでの判決は、わが国の議会政治が異常事態にあることを、司法が宣言しているものである。これに対して政治・政党側の反応は、まことに無責任、かつ国民に対して不誠実である。与野党とも責任を相手側に押しつけ、異常事態という認識がない。原因は多くの衆議院議員が最終審でないという、高裁判決を軽視した態度であることだ。3月28日に衆議院選挙区画確定審議会は、「0増5減」の制度に伴う区割り変更勧告を安倍首相に行った。

 しかし、この勧告自体が、その場しのぎであり、実態は「違憲状態」が改善されていないのである。

 この制度を先行させて整備し、その後、本格的制度改革を行うか、直ちに抜本的改革を議論していくか、制度改革の進め方・手順について与野党で厳しく対立している。それぞれに党利党略を優先させているからだ。これでは何時までたっても問題は解決しない。

 最高裁が「違憲状態」という、平成23年の判決以上の判断が出ることが確実な事態である。伊吹議長が何もせず、政党間の協議に第三者の立場でいることは責任の放棄である。まずは、各党の代表者を呼び、議長として異常事態に対する所見を示し、手順について早急に合意するよう促すべきである。抜本改革となると時間を要するので、最高裁の判決までの期間は貴重である。それに7月には参議院選挙がある。国民は「違憲状態」に対する各党の改善策を、衆議院選挙の投票選択の材料とするであろう。各党
間の本格的な協議は早急に始めるべきだ。

 衆議院の選挙制度について、最高裁から判決があり、それにどう対応したか、参考のために説明しておく。
 昭和60年7月17日、最高裁は「昭和58年の総選挙で『一票の価値』が最大で3倍以上に開いているのは憲法に違反しており、本来無効にすべきであった」と判決した。定数を是正しなければ事実上解散はできないと、当時の国会・与野党は判断した。今日の与野党の不誠実さとはまったく違った見識を持っていた。私は衆議院議院運営委員会担当の総務課長で散々苦労させられた。

 この時の坂田道太衆議院議長は、与野党の話し合いに全力で当たった。与野党の対立だけでなく、自民党内の対立もあり紛糾に紛糾を重ねた。政党間の話し合い決着が困難となり、坂田議長の下に、学識経験者等による第三者機関を設けて、議長が提示する案づくりをする構想が非公式に合意された。第三者機関の人選をめぐり意見がまとまらず、この構想は生かされなかった。

 翌61年になって、再び与野党間の協議を再開したが、これも不調となる。結局、5月になって坂田議長の調停案を、与野党が合意し、通常国会の最終日5月22日に決着した。与野党対立の厳しい選挙制度の改革は、定数是正ですら大変な課題であった。

 それが大幅な定数削減とか、制度改革といった抜本改革となると大問題である。各高裁の判決後一ヶ月が過ぎて、国会や政党側に真剣な対応が見られないのは残念だ。選挙制度の抜本改革が、国民に理解されるものでなければ、議会民主政治は劣化し、崩壊する道に落ちるだけである。

 

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